自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

半側空間無視と視野障害(半盲)の判別〜行動分析的視点から〜

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半側空間無視は、視野障害を伴うことも、伴わないこともあります。臨床場面では、対座法を用いて鑑別の手がかかりとすることが多いですが、今回は、行動分析的視点に基づいた鑑別の手がかりについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 半側空間無視視野障害(半盲)の判別〜行動分析的視点から〜

引用・参考文献

ADL遂行中における半空間無視の種類と例

個人空間、あるいは身体無視:
顔の左側を洗わない
顔の左側を剃らない
身体の左側を洗わない
移乗動作で身体の左側を組み込まない
身体の左側を使わない

近位個人外空間(リーチできる範囲)の無視:
洗面台の左側で対象物が見つからない
テーブルの左側の対象物が見つからない
読めない
電話ダイヤルの左側が見つからない
皿の左側の食べ物を食べない
車椅子の左側のブレーキを探せない

遠位個人外空間無視:
壁の左側にある時計を見つけられない
移動で道に迷いやすい
玄関口を進めない
テレビを見ることが困難
声を出した人を見つけられない

空間無視の評価

ADL遂行場面での評価では、A-ONEがあります。
A-ONEにおいて、半側空間無視は以下のように定義されています。

視知覚障害あるいは注意障害による脳の損傷と反対側の外空間に存在する視覚的刺激に対する不注意あるいは無視

視覚障害や半盲を伴い、単独で生じるかもしれない

脳卒中リハビリテーション P494

ADL遂行場面では、上記のような遂行エラーが観察されます。
同名半盲については、以下のように定義されています。

脳の損傷部位と反対側の半分の視野の欠損

脳卒中リハビリテーション P492

半盲では通常、障害に気づいていることが多く、両側の視野を見るのに頭部の動きを利用する(代償)動きがみられます。

評価バッテリーとしては、以下のものがあります。
Catherine Bergego Scale:
個人、個人周辺、個人外の無視を評価するツールです。
得点は、
0=無視がない(空間的偏りがない)
1=軽度無視あり(はじめ右側を探索し、左側をゆっくりためらいがちに探索し、時に左側の見落としが起こる)
2=中等度無視あり(左側の見落としや衝突が明らかに起こる)
3=重度無視あり(左空間探索ができない)
をつけていき、合計点は30点になり、高得点ほど無視が重症なことを表します。
評価項目:
1.顔の左側をきれいにしたり髭を剃ったりするのを忘れる
2.左袖や左足のスリッパを扱うのに困難がある
3.皿の左側にある食べ物を食べ忘れる
4.食べた後で口の左側をぬぐうのを忘れる
5.左方向を見るのに困難がある
6.身体の左側を忘れている(例:左腕をアームレストにのせない、左足を車椅子のフットレストに乗せない、そうすべきときに左上肢を使わない)
7.自分の左側から来る音や人に注意を払うことに困難がある
8.歩行中または車椅子操作中に左側の人や物(ドアや家具など)に衝突する
9.見知った場所やリハビリテーション病棟を移動する時、左に向かう進路を見つけるのに困難がある
10.室内や浴室内で自分の持ち物が左側にあるとき、それを見つけるのに困難がある

行動分析的視点による鑑別の手がかり

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視野欠損

無視

対座法や視野測定検査により客観的に評価される

個人空間、近位個人外空間、遠位個人外空間、運動無視特定のための評価により検査される

回復過程で早期に障害への気づきが現れる

障害への気づきが重篤で持続する

頭部の動きによる代償が早期に観察され、指導もしやすい

代償による介入は困難で、回復には多くの期間が必要かもしれないし、効果がないかもしれない

姿勢の影響を受けないことが多い

頭部、頸部、体幹姿勢が右に傾くことがある

感覚に基づく障害

注意に基づく障害

視覚的障害のみ

視覚、聴覚、触覚などの感覚系の関与

効果的な代償により良好な機能効果がある

機能的効果は、無視のない患者と比較すると少ない

現実世界全体のイメージは問題がない

記憶により部屋の説明をする際、空間の左側のイメージが減少している

消去減少(左右の刺激を同時に呈示されるとどちらか一方を知覚することができなくなる減少)はない

消去減少がある可能性あり

左側への早い眼球運動がある

右側にかたよった眼球運動

両方の半側視野運動も影響なし

左側視野への自動的な運動、もしくは他動的な運動への抵抗感
障害側視野への運動に関連した遅延(運動機能低下)

一貫した視覚的操作パターン

右側へ偏った無計画な視覚的操作パターン

比較的重篤な障害でない

重篤な障害

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