自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脊髄損傷者の住宅改修のポイント!排泄、入浴方法のいろいろ!

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脊髄損傷者では、住宅改修を適切に行うことで、自立した生活が可能になったり、支援を受けながら自宅で生活することが可能になります。今回、脊髄損傷者の住宅改修のポイントについて、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

 脊髄損傷者の住宅改修のポイント!残存能力の見極めが大切!

高位頸髄損傷の場合

高位頸髄損傷者でも、電動車椅子リクライニング車椅子を使用することで、自分で行えることは増えます。
四肢麻痺があっても、随意的に動かすことが可能な頭、顎、頬、眼球、肘、足などにより電動車椅子での走行が可能になります。
ベッド−車椅子間の移乗方法、呼吸に問題がある場合は呼吸器や吸引器と操作者の獲得、ADLの生活方法を獲得すれば自宅での生活は可能になります。

①移乗・移動
介助者による移乗は、介助者の身体的・精神的負担が大きく、車椅子への移乗機会が減少してしまうことが考えられます。
吊り上げ式のリフトを選択することがポイントです。

電動車椅子移動ではその重量に耐えれるように床材を補強する。
ドアの幅を80cm以上にする。
敷居などの段差をなくす。
自動ドア、または電動車椅子の操作でドアを閉開できるようにする。
スロープや段差解消リフトを設置する。
自動車への移乗方法、雨に濡れないで自動車に移乗するための駐車場の改造。

②呼吸器の停電時の対応
呼吸器や吸引器の使用では、停電時の対応を考える必要があります。
停電後もバッテリーにより短時間は使用可能ですが、自宅内に自家発装置を設置し、その操作方法や暗闇での介助呼吸方法を身につけておく必要があります。
自宅周辺の人に、緊急時の依頼を行っておくことも必要です。

③入浴
車椅子から洗い場、浴槽への移乗は、介助者が独力で行うと身体・精神的負担が大きくなるため、吊り上げ式リフトの設置を考える必要があります。
浴室用リフトでは、脱衣場までリフトで移動できるものがあります。
介助方法、公的支援や自己負担額も含めてどうのようにするか選択していきます。

④排泄
大便では、ベッド上横向きで座薬や浣腸を使用する方法があります。
この場合、寝室に換気扇や消臭設備の設置、便のついた衣服を一時洗いする洗濯槽の設置を行います。
トイレキャリーで洋式便座上に移動してもらう方法もあります。
この場合、介助者による摘便や後始末の介助が必要です。
また、便座の種類と配置、便所の広さも考える必要があります。

脊髄損傷と高齢化

若くして受傷した場合、高齢に伴う身体機能の低下を想定して改造するか、身体的な変化があったときに改めて改造するかを考える必要があります。

①玄関、出入り口
胸・腰髄損傷者では、玄関にて室内用と屋外用車椅子に乗り換えることがあります。
身体機能の低下に伴い、移乗場所の段差と隙間を狭くすることで移乗動作が行えるようにします。
玄関での乗り換えができなくなったら、1台の車椅子で生活をします。
その場合、玄関マット上で回転し、タイヤの汚れを落とすなど、タイヤの清拭方法の検討が必要になります。
スロープを登れなくなると、段差解消リフトの設置を検討します。

②トイレ
トイレへの移乗方法では、直角、斜め前方、平行、正面、トイレッタブル移乗の5つがあります。
隙間と段差をなくすことで移乗動作の自立を確立します。
移乗が自立して行えなくなると、吊り上げ式リフトでの移乗やトイレキャリーでの方法を検討します。

a.斜め前方アプローチ


出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

b.直角アプローチ

出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

c.平行アプローチ


出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

d.正面アプローチ


出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

e.トイレッタブル

出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

 ③浴室
浴室の洗い場は、足や臀部を洗う姿勢や洗体方法によりことなります。
洗い台への移乗は台の高さや広さで異なります。
浴槽から洗い台へ出ることが困難になったり、転倒の危険性があれば、バスリフトの使用を検討します。
この方法でも困難になれば、吊り上げ式リフトの使用を検討します。

a.床に降りて洗体する場合


出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

b.台の上で洗体する場合


出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

c.浴槽内で洗体する場合


出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

バスリフトでの入浴方法

出典:総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月

引用・参考文献、関連書籍

松尾 清美「住宅改造-脊髄損傷者の加齢やライフスタイルの変化に対応した住宅改造におけるポイント-」総合リハ・39巻7号・643〜650・2011年7月