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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脱抑制や社会的行動障害のリハビリ:行動療法的アプローチ

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遂行機能障害では、脱抑制、攻撃的、多動、社会的ルールを守れないことなど、他者にとって迷惑な行動が生じることがあり、リハビリテーション場面においても進行を妨げることもあります。今回、脱抑制や社会的行動障害のリハビリとして、行動療法的アプローチについて文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

脱抑制や社会的行動障害のリハビリ:行動療法的アプローチ

技法の組み合わせ

望ましくない行動の修正には、通常「正の強化」や「タイム・アウト」などの技法が使用されることが多いですが、遂行機能障害の対象者にはこれらが有効でないことが少なくありません。
そのため、遂行機能障害の対象者には様々な技法を組み合わせることで行動の修正を図っていきます。
以下では、各技法の例を示します。

レスポンス・コスト

レスポンス・コストの例:
はじめに10円硬貨50枚を与えます。そして、次のように説明を加えます。
「15分後にチョコレートを買うことができますが、それまでの間に◯◯(修正したい行動)があれば硬貨を失います。◯◯(修正したい行動)があると、そのたびにセラピストが今何をしたかを尋ねるので、対象者は◯◯(修正したい行動)をしました」と言い、硬貨を1枚差し出さなければなりません。15分後に、36枚以上残っている場合に、チョコレートを買うことができます。」
36枚というのはあくまでも例で、はじめにベースラインを測定した上で枚数を決定します。

レスポンスコストと認知学習過程の組み合わせ

前途したレスポンス・コストに認知学習過程を組み合わせます。
具体的には、「私は◯◯(修正したい行動)の繰り返しました」と言い、その後1分間「私は◯◯(修正したい行動)をしてはいけない」と言い続けなければなりません。指示を紙に書いたものを目の前に提示します。

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Aldermanらの実験

Aldermanらの実験では、3つの介入が検討されています。

トークンエコノミーとタイム・アウトの組み合わせ:
トークンとは擬似貨幣のことで、15分間隔で望ましい行動がみられればそれに対する報酬としてトークンを1枚与えます。トークンを貯めることで、その日のうちに好きなものと交換することができます。
タイムアウトとは望ましくない行動がみられた場合に、対象者をすぐにその場から連れ去り、別室に待機させる技法です。タイムアウトでは、スタッフに注目されることが報酬として作用しないようにするためです。
この方法では効果はみられなかったとされています。

個別の正の強化法:
課題の目標(修正を期待する行動)を続けることができれば賞賛とトークンを獲得できます。
トークンを10個獲得できれば好きな商品と交換できるルールです。また、10個獲得できるまでセッションを続けなければならないルールです。

レスポンス・コスト:
前途したようなルールに基づき様々な課題を行います。

3つの方法の中では、レスポンス・コストが一番有効であったとあります。
通常の強化技法やタイム・アウト法では有効な者と有効でない者に分かれますが、これらの間では、2重課題の処理能力に差があるとされており、有効でない者は2重課題の処理能力(ワーキングメモリ)が低いとされています。
レスポンス・コストは有効な技法ですが、トークンの準備や公の場で実践することが困難な場合もあります。

セルフ・モニタリング(自己監視)

Aldermanらの実験で、不適切発話に対するセルフモニタリングについて、5つの段階から構成された訓練を行っています。
第1段階(ベースライン):
スタッフが対象者を20分外出させ、不適切発話の頻度評価します。 

第2段階(自発的な自己監視):
対象者自ら開始した不適切発話の回数を正確にカウントできるかを評価します。 この旨を正確に対象者に伝えてから20分の外出を行います。
自分側から開始していない発話をカウントしないよう注意させます。 散歩始開始後はスタッフは計数を促すことはしません。帰ってから2人の計数を比較します。

第3段階(自己監視の促進):
不適切発話の自己監視を正確に行ない、それを習慣的に計測できることを目的とします。 対象者が計測を怠った場合は直ちに計測するよう言葉で促します。

第4段階(自立的自己監視、正確度改善の強化 ):
外的介入を受けなくても自己監視を高めることが目的となります。20分外出中の計数がセラピストの計数と比較し、±50%の範囲内であったら、強化報酬を与える約束をします。 

第5段階(自立的自己監視、差異強化技法):
対象者が発する不適切発話の頻度を抑制することが目的となります。差異強化技法は、
標的行動の低頻度発生の強化を目指して行われます。発生頻度の許容上限を設定し、それを超えなければ強化報酬が得られることを約束します。徐々に許容上限を調整していきます。

引用・参考文献