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前頭葉障害のリハビリ:タイムプレッシャーマネージメントの概要と実施方法

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前頭葉損傷におけるリハビリテーションの方法のなかで、タイムプレッシャーマネージメント(TPM:時間圧力管理法)があります。今回、タイムプレッシャーメンージメントの概要と実施方法について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

タイムプレッシャーマネージメントの概要と実施方法

引用・参考文献

柴崎 光世「前頭葉機能障害の認知リハビリテーション明星大学心理学年報 2012,No.30,23―40

タイムプレッシャーマネージメントの概要

前頭葉損傷患者では、活性化調整機能の障害により情報処理の遅延が起こり、情報処理の全般的な遅れも引き起こします。
情報処理速度の低下(=精神活動の遅さ)に対処するために開発された方法が、タイムプレッシャーメンージメント(TPM)です。
脳卒中ガイドライン2015において、タイムプレッシャーマネージメントはグレードA(強く行うことが推奨される)とされています。
タイムプレッシャーマネージメントでは、脳損傷により情報処理速度の低下がみられる場合、行うべき作業を目の前にして、時間を十分に確保しておく工夫が必要になるという考え方をもとにして行われます。
「作業をするときに時間がかかる」「うまく事を処理するのに時間が必要である」といった事を自覚し、周囲の者に伝えられるようにし、気づきへの支援を行いながら、他の日常生活での行動においても適応できるように訓練をしていきます。このような考え方が身につけることができると、注意障害があっても日常生活上のミスがすくなくなるとされています。

 

タイムプレッシャーメンージメントの実施方法

Fasotti,Kovacs,Eling,&Brouwer(2000)は,脳損傷により情報処理の低下を示した頭部外傷者を対象に,日常生活におけるタイムプレッシャーを処理するための内的補償訓練(timepressuremanagement,TPM)を実施しました。

タイムプレッシャーマネージメントでは、
①誤反応と障害の気づき:自身の情報法処理の遅れ(=精神活動の遅さ)と課題遂行においての関係性についての気づきを促す。
②タイムプレッシャーマネージメントの受容と獲得:
下記方略を使用し、その使用を促進させる。

1.目前の課題におけるタイムプレッシャーを認識する:
充分な時間がない状況で、同時におこなうべき2つ以上の課題がありますか?
そうであるならば第2段階へ、そうでなければ単にその課題をおこないなさい。

2.タイムプレッシャーをできるだけ避ける:
課題を始める前に、すべきことに関する短いプランを立てなさい 。

3.できるだけ速く、効果的にタイムプレッシャーを処理する
時間が足りなくなった場合におこなう緊急プランを立てなさい。

4.TPM方略を使用している間の自己モニタリングを促す
プランと緊急プランの準備ができましたか?では、それを適切に使用してみましょう。

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③タイムプレッシャーメネージメント方略の適応と維持:
ラジオ音声などの妨害刺激がる条件下でTPM方略の適応を促します。
の3つの段階に沿って進めていきます。
前途しましたが、周囲の者に自己の障害像を伝え、認識してもらうことも大切になります。

文献的には、22名の頭部外傷者のうち、12名に対してタイムプレッシャーマネージメントによる訓練を、10名に対しては記憶方略に関する訓練をそれぞれ3週間行ったところ、各群において提示されたビデオ内容の書き取り課題の遂行が訓練後に向上しましたが、タイムプレッシャーマネージメント群ではより訓練効果が大きくなったとされています。また、タイムプレッシャーマネージメント群では、情報処理スピード、記憶に関する別の神経心理学的測度において、訓練効果の般化が認られたとされています。

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