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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

機能解剖学に基づく棘下筋の評価とストレッチ・リラクゼーション

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肩関節の拘縮を引き起こす要因のひとつに、筋肉によるものがあります。今回、機能解剖学に基づく棘下筋の評価(圧痛の取り方、伸張性)とストレッチ・リラクゼーションについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 機能解剖学に基づく棘下筋の評価とストレッチ・リラクゼーション

参考文献

 

棘下筋について

棘下筋は腱板の上方から後方にかけて位置しており、肩甲上腕関節の安定化に対し重要な役割を有しています。
棘下筋腱の断裂では、肩関節外転の筋力にも関係しており、屍体での研究では、正常な肩と比較し、棘上筋を切除すると39%、棘上筋・棘下筋を切除すると63%の外転トルクが減少したとの報告があります。
棘下筋は肩関節内外転軸を上下にまたぎ大結節に停止しており、内外転軸の上を走行する上部線維(横走線維)は下垂時に、内外転軸の下を走行する下部線維(斜走線維)は挙上時に緊張しやすくなります。
第1 肢位(下垂位)では上部線維が伸張位となり、外転に有効に作用します。前
額面上では上腕骨下方偏位と肩関節外転運動(支点形成力)に作用します。
水平面上では上腕骨前方偏位と肩関節外旋運動(支点形成力)に作用します。
第2 肢位(肩外転90°)では、下部線維が伸張位となり、上部線維と比較し強力に外旋に作用するします。
前額面上では肩関節外転運動(支点形成力)と外旋運動に作用します。
水平面上では上腕骨前方偏位と肩関節水平伸展運動(支点形成力)に作用します。
第3肢位(肩屈曲90°)では、棘下筋全体が伸張位となりますが、外旋作用よりは水平伸展により作用します。

棘下筋の評価:圧痛の取り方

圧痛は上部線維では肩甲棘下縁付近、下部線維では肩甲骨外側縁に生じることが多くなります。

上部線維の圧痛評価
①肩甲棘下縁を触診し、肩甲上腕関節まで進めます。
②肩関節伸展位で内旋方向に誘導すると、上部線維が緊張(伸張)し圧痛部位の確認がしやすくなります。

下部線維の圧痛評価
①小円筋の起始部を触診し、肩甲上腕関節まで進めます。
②肩関節外転位で内旋方向に誘導すると、下部線維が緊張(伸張)し圧痛部位の確認がしやすくなります。

棘下筋の評価:伸張性

上部線維の伸張性
①肩関節屈曲30° ( 内旋位にすると体幹に当たるため)で、肩甲骨固定は肩関節内・外旋中間位とします。
②その肢位から肩関節内旋させます。
判定:内旋90°まで達しない場合、 上部線維伸張性低下の可能性があります。

下部線維の伸張性
①肩関節を外転90° をとり、肩甲骨固定は肩関節内・外旋中間位で行います。
②その肢位から肩関節内旋させます。
判定:内旋30°まで達しない場合、下部線維伸張性低下の可能性があります。

棘下筋のリラクゼーション方法

圧痛所見、筋緊張の評価から筋の攣縮を明確にしておきます。
下記の方法をリズムよく行い、筋緊張・圧痛の改善が見られるまで行います。

開始肢位:
背臥位にて対象者の上肢を治療者の大腿部に乗せ、治療者の手は、棘下筋の緊張を触診します。もう一方の手は前腕を把持しします。

棘下筋上部線維:
①肩関節軽度伸展・内転・内旋を他動的に誘導し、棘下筋上部線維の伸張を触診します。

②肩関節屈曲・ 外転・外旋方向に自動介助運動(5〜10%程度の強度)を行い、棘下筋上部線維の収縮を確認します。

棘下筋下部線維:
①肩関節屈曲・外転・内旋を他動的に誘導し、棘下筋下部線維の伸張を触診します。

②肩関節伸展・内転・ 外旋方向に自動介助運動(5〜10%程度の強度)を行い、棘下筋下部線維の収縮触を確認します。

棘下筋のストレッチ

ストレッチでは、等尺性収縮運動を行った後、自動介助運動に切り替え、その筋の動かせる範囲にわたり筋収縮を誘導することがポイントです。
動作をリズムよく反復し、筋の伸張性が得られるまで行います。

開始肢位:
背臥位にて筋を伸張位とし、筋短縮を確認します。
治療者の手は棘下筋の緊張程度を確認し、もう一方で前腕を把持します。

棘下筋上部線維:
①肩関節伸展・内転・内旋を他動的に誘導します。
*上部線維の伸張に伴い緊張が高まることを感じるようにします。

②ある程度伸張された肢位で、肩関節屈曲・外転・外旋の等尺性収縮(10-20%程度の強度)を行い、筋腱移行部に伸張刺激を加えます。

棘下筋下部線維:
①肩関節屈曲・外転・内旋を他動的に誘導します。
*下部線維の伸張に伴い緊張が高まることを感じるようにします。

②ある程度伸張された肢位で、肩関節伸展・内転・外旋の等尺性収縮(10〜20%程度の強度)を行い、筋腱移行部に伸張刺激を加えます。

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