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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

肩後方の痛みの部位同定法:広背筋

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肩後方の痛みの原因として、肩後方に加わる摩擦ストレスが挙げられます。摩擦ストレスにより痛みが生じている場合、広背筋が痛みを引き起こしている部位として考えられます。今回、肩後方の痛みの部位同定法(広背筋)について、文献を参考にまとめていきたいと思います。 

 目次

 肩後方の痛みの部位同定法:広背筋

引用・参考文献

肩後方の痛みと摩擦ストレス

肩後方の痛みを出現させるストレスに摩擦ストレスがあります。肩関節後方の筋群の筋力低下や肩甲骨の異常運動があると、摩擦ストレスが生じる可能性があります。

広背筋に痛みが発生するメカニズム

広背筋は肩関節の伸展・内旋・内転運動に作用する筋で、上肢固定状態では骨盤挙上に作用します。
広背筋は胸腰部の後面を覆う三角形の板状の筋で、それぞれの線維群からなります。
広背筋と大円筋は停止に向かうにつれて合わさり、その手前には筋間に広背筋腱下包があります。
広背筋の最も上に位置する線維は肩甲骨下角で急激に走行が変化し、上肢挙上の際さらに著明となります。筋の走行が急激に変化する所はストレスを受けやすく、疼痛発生につながることが多くあります。
投球障害肩の発生部位の1 つとして肩甲骨下角部があり、広背筋最上方線維が肩甲骨の下角部で引っかかり、ストレスを受けることが原因で広背筋挫傷となることもあります。広背筋の攣縮があると、肩甲骨外転や肩関節外転・外旋の制限が起こり、 肘が下がるなど投球動作に支障をきたすものを広背筋症候群とし、rotator interval損傷やインピンジメントなどの二次障害につながることがあります。
広背筋の伸張性低下により肩関節屈曲や外転、外旋運動は制限され、努力的に運動することで筋スパズムにつながります。

広背筋の触診法

背臥位にて肩関節完全屈曲位とします。
肩甲骨下角付近では筋腹が厚くなるため、下角の先端を手掛かりとします。
下角の失端外側には大円筋が走行しており、直下に広背筋が確認できます。
大円筋、広背筋ともに指を当て、肩関節完全屈曲位にて屈伸運動を反復させ収縮を確認します。

広背筋の伸張テスト

①座位もしくは立位にて、肩関節・肘関節90°屈曲位とし、両上肢を指先から前腕まで合わせます。
②そこから両肘を合わせたまま他動屈曲にて屈曲角度を確認し、肩関節を自動屈曲させます。
解釈:他動運助の可動域まで自動運動で動かすことができなければ陽性となります。
*広背筋は肩関節伸展、内旋、内転運動に作用し、 肩関節外旋位からの屈曲運動で広背筋は伸張位とり、肩関節の屈曲角度により広背筋の伸張性を評価します。

広背筋のトリガー組織判別テスト

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広背筋による疼痛鑑別のための検査はありません。そのため、以下のテストを行い、広背筋による疼痛かどうかを判断します。
広背筋の過緊張症状を対象としています。
①対象とする側を上にした側臥位を開始肢位とします。
②ベッド側の股関節を屈曲し、骨盤を後傾させます。
③セラピストの手で対象側の肩関節を屈曲・ 外転・外旋位とし、もう一方で骨盤を同側回旋させます。
解釈:広背筋過緊張の軽減、疼痛軽減すれば、原因が広背筋の可能性があります。
*広背筋は肩関節伸展、内旋、内転運動に作用し、 肩関節外旋位からの屈曲運動で広背筋は伸張位とり、肩関節の屈曲角度により広背筋の伸張性を評価します。
*広背筋の伸張性が改善しても肩後方の痛みが改善しない場合、 広背筋が硬いが疼痛の原因ではありません。
*このテストは腰痛の原因として広背筋が関わる場合においても有用です。

広背筋に痛みが生じる運動学的要因

①広背筋の筋力低下
広背筋の筋力低下があると、投球時の負荷が広背筋に対する過剰ストレスとなり、広背筋自体にスパズムを生じさせることがあります。 広背筋の伸張性の低下が肩関節の外転・外旋、肩甲骨外転運動で過剰な伸張ストレスを受けます。

肩後方の痛み(広背筋)と広背筋筋力低下の運動学的評価 - 自分でできる体健やかブログ

②腱板構成筋の筋力低下
投球動作におけるacceleration期で、肩関節は最大外旋位となり、follow through期にて水平内転・内旋運動がみられます。acceleration -follow through期にかけ小円筋・棘下筋は求心性収縮と遠心性収縮を繰り返し、結果として内旋制限を引き起こします。
腱板の筋力低下があると、acceleration期における広背筋を含めたアウターマッスルの活動が高まり、広背筋のスパズムを生じさせ、広背筋に対して伸張ストレスと摩擦ストレスが大きくなります。

③肩甲胸郭関節の安定性低下
広背筋損傷があると、多くの場合僧帽筋中部・下部の筋力低下を伴います。僧帽筋中部・下部の筋力低下により前鋸筋とのforce couple機構が破綻し、過剰な肩甲骨外転や早期での上方回旋が生じ、 広背筋の最も上に位置する線維への摩擦ストレスが大きくなります。

体幹の安定化機能低下
体幹機能の安定化機構低下により、代償的に広背筋の過活動を促してしまいます。
広背筋の過活動で伸張性低下がおこると、広背筋への伸張ストレスがお大きくなり、疼痛が発生します。

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