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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

肩外側の痛み(腋窩神経)と前方関節包伸張性低下の運動学的評価

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肩外側の痛み(腋窩神経)を引きおこす原因のひとつに、肩甲胸郭関節の安定性低下があります。今回、肩外側の痛み(腋窩神経)と前方関節包伸張性低下の運動学的評価について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 肩外側の痛み(腋窩神経)と前方関節包伸張性低下の運動学的評価

引用・参考文献

肩外側の痛み(腋窩神経)と前方関節包伸張性低下の関係性

前方関節包の伸張性低下では、 肩関節周囲炎などで、運動時痛を避けるように関節周囲筋が防御収縮し、可動性を犠牲にしていることがあります。特に小円筋、大円筋は肩関節下垂位で短縮し伸張性低下がみられます。 このような伸張性低下によりQLS(四辺形間隙) の機能的狭小化を生じさせます。

肩外側の痛みの部位同定法:腋窩神経の疼痛再現検査 - 自分でできる体健やかブログ

前方関節包伸張性低下の運動学的評価

肩関節周囲の炎症では肩峰下滑液包や腱板、上腕二頭筋長頭腱、腱板疎部、関節唇などの組織の損傷により生じます。
疼痛による筋の防御性収縮が生じた結果、QLS構成筋のスパズムが生じることが考えられます。
肩関節周囲炎では、問診や炎症所見(腫脹・熱感・疼痛・発赤)の有無、病歴や診断名、画像所見と合わせて評価する必要があります。
超音波画像診断装置を用いると、炎症の鑑別は簡便に観察可能になります。

関節包、靱帯の評価

原則:関節包、靭帯を上下、前後の4つに分け、上肢下垂位では上方要素が、挙上位では下方要素が、外旋位では前方要素が、内旋位では後方要素が緊張します。

◯下垂位での評価

下垂位外旋で前上方の要素が緊張するため、前上方の関節包、上関節上腕靭帯、中関節上腕靭帯烏口上腕靭帯に拘縮の可能性があります。下垂位内旋で後上方の要素が緊張するため、後上方関節包に拘縮の可能性があります。

*肩の内転制限がある場合、下垂位で強い痛みと制限を認める場合あるため体側までの可動域を有するかの評価が事前に必要です。

 ◯外転位での評価

外転外旋位では前下方の要素が緊張するため、前下方関節包、下関節上腕靭帯前方線維に拘縮の可能性があります。外転内旋位では後下方の要素が緊張するため、後下方関節包、下関節上腕靭帯後方線維に拘縮の可能性があります。
45度外転位では上下の関節包の緊張は一定で、この状態で外旋・水平伸展すると上腕骨は前方変位し、それを中関節上腕靭帯が制動します。
肩屈曲、内旋位では下関節上腕靭帯(後方線維)が緊張し、上腕骨頭の後方変位を制動します。

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◯水平内外転での評価

肩甲骨は前額面に対し約30度傾斜しているため、この面より水平内転した位置では後方の、水平外転した位置では前方構成体の緊張が高まります。肩後方に拘縮がある症例に水平内転を行うと肩前面に烏口突起と小結節による烏口下インピンジメントに伴う痛みを認める場合があります。

 ◯上方支持組織の評価

肩上方支持組織(烏口上腕靭帯含む肩上方から前方の組織)は伸展・内転・外旋で緊張が高まります(伸張される)。そのため肩上方組織の拘縮評価では側臥位にて肘関節伸展位で肩伸展・内転可動域を測定します。この伸張肢位のストレッチは腱板と肩峰下滑液包の癒着剥離、夜間痛を呈する症例に有効となります。

 ◯指椎間距離

結滞動作の評価指標。結滞動作は伸展と内旋の複合動作で、烏口上腕靭帯を含む上方支持組織と後方要素の柔軟性が関与しています。第7頚椎棘突起から母指先端までの距離を測定します。

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