自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

根拠に基づいた筋力トレーニングは認知症を予防できる可能性があります

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近年、レジスタンストレーニング(骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大を目的とした運動の総称:筋力トレーニング)を行うことで、認知機能の低下予防に効果がある可能性が示されています。今回、筋力トレーニング(リハビリ、レジスタンストレーニング)と認知機能改善について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

目次

筋力トレーニング(リハビリ、レジスタンストレーニング)と認知機能改善

引用・参考文献

筋力低下と認知機能低下の関係性

筋力が認知機能低下やアルツハイマー認知症(AD)の発症リスクに関係があるとされています。

地域在住高齢者2,160名を7年間前向きに追跡し,ベースライン時の握力が低い集団では,Mini-Mental State Examination (MMSE)の点数の低下が著しかったと報告している(Alfaro-Acha et al., 2006).

また,Boyleらの報告によると,970名の高齢者を一定期間追跡したところ. 筋力が上位10%に属する集団は. 下位10%の集団よ りも,AD発症のリスクが61%少なかったとしている.

MCI の発症に関しても,筋力が強い集団では,弱い集団に比べ発症のリスクが48%減少している(Boyle et aL, 2009).

運動による脳の制御 P142

筋力と認知機能の関係の根拠については明らかではありませんが、筋力低下は何らかの疾患進行している示しており、その結果認知機能低下に至った可能性があります。
ADによる認知機能低下の前段階で筋力に何らかの影響を及ぼしている可能性もありますが、 詳細は不明とされています。

 

筋力トレーニングと認知機能改善のメカニズム

筋力トレーニングが体内に及ぼす影響には、血清ホモシステイン減少やインスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度の増大があります。

ホモシステインの増大は認知パフォーマンスの障害(Schafer et al., 2005)やアルツハイマー病(Alzheimer's disease : AD) (Seshadri et al., 2002)に関係していることが確認されており,ラッ トを用いた研究では,ホモシステインには神経を破壊する作用があることが確認されている(krurman et al., 2000). 一方,IGF-1は神経の成長や生存,分化を促進し, 認知機能を改善するとされている(Cotman et aL, 2002). これら血清ホモシステインIGF-1の作用により, レジスタンストレーニングが認知機能低下予防に効果がある可能性があると考えられている(Liu-Ambrose et al., 2009).

運動による脳の制御 P139

以下に、アメリカスポーツ学会のガイドラインで推奨されている高齢者向けのトレーニングについて述べていきます。

筋力トレーニングの方法:参加前の注意事項と運動の監視

高齢者では整形外科的疾患や心臓疾患などを有することもあり、運動実施については注意することが必要です。
トレーニング中の安全性や方法に問題がないか専門家が監視できる状況にて行うことが望ましい環境といえます。

筋力トレーニングの方法:運動頻度

運動頻度は少なくとも週2回以上、4回までの実施が推奨されています。
また筋力トレーニングのインターバルは48時間以上空けることが推奨されています。

筋力トレーニングの方法:運動時間

高齢者では長時間の運動を行うと怪我の恐れや疲労が強く出る可能性もあります。そのため、運動時間はトータルで20〜45分程度の運動になるように調整し、平均30分程度が推奨されています。

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筋力トレーニングの方法:運動内容と順序

多関節運動(ショルダープレス、レッグプレス、チェストプレスなど)をトレーニングの中心にすえて行っていきます。
これらに単関節運動(上腕カール、肘伸展、レッグエクステンションなど)を組み合わせていきます。
順序は多関節運動のあとに単関節運動を行います。
筋肉は胸筋、肩周囲筋、上肢筋、背筋、腹筋、下肢筋におおまかに分けられ、これらを包括的にトレーニングできるメニューが推奨されます。
この場合、運動順序は大きな筋群(下肢筋、背筋、胸筋)から行い、小さな筋群(上肢筋、肩周囲筋)を後に行います。

筋力トレーニングの方法:運動の種類

マシントレーニングは習熟度や安全性の観点において優れており、フリーウェイトトレーニングより推奨されていますが、個人のレベルに合わせて実施していきます。

筋力トレーニングの方法:セット回数

初めはそれぞれの運動を1セットから開始し、必要に応じて3セットまでを目標に実施します。
平均2セットが望ましいとされており、過度の疲労を避けるためにセット間の休息は2〜3分程度が推奨されています。

筋力トレーニングの方法:負荷の強度

1RM(「1回」につき最大で運動することができる重量)の85%の強度が効果を高める可能性がありますが、筋や関節への負担を考慮すると65〜75%の負荷が推奨されています。

筋力トレーニングの方法:運動回数

1RMの65〜75%では10〜15回、60%であれば16〜20回、65%であれば14〜15回、70%では12〜13回、75%では10〜11回、80%では8〜9回、85%では6〜7回が最適だとされています。

マシントレーニングができない場合

マシンによるトレーニングができない場合、自重でのスクワット(バランス不良があれば椅子に手をつきながら)や腕立て(膝をつきながら、壁を利用しながら)、仰向けでのお尻上げ(臀部挙上:ブリッジ)も効果的です。

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