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肩前上方の痛みの部位同定法:関節唇の疼痛誘発テスト

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肩前上方の痛みの原因として、肩前上方に加わる圧縮ストレスが挙げられます。圧縮ストレスにより痛みが生じている場合、関節唇が痛みを引き起こしている部位として考えられます。今回、肩前上方の痛みの部位同定法として、関節唇の疼痛誘発テストについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 肩前上方の痛みの部位同定法:関節唇の疼痛誘発テスト

肩前上方の痛みと圧縮ストレス

上腕骨頭が関節高に対し内旋・水平内転運動を行う際に肩関節前面の圧縮ストレスが大きくなります。
肩関節内旋運動では、上腕骨頭は前方に転がりながら後方に滑えいます。 
水平内転運動では 90°外転位から前方に転がり、 後方に滑ることが必要です。
後方への滑り運動が少ない状態で 内転・内旋運動を行うと、肩関節前面に圧縮ストレスが加わります。

関節唇に痛みが生じるメカニズム

関節唇は線維軟骨で構成され、遠位1/2に限定して自由神経終末が存在します。
関節唇の血流は部位により違いがあり、 肩甲上動脈、肩甲回旋動脈、 後上腕回旋動脈があります。
いずれも肩後下方に回り込み、関節唇の血流は前上方で乏しく,後下方で豊富になっており、前上方関節唇の損傷では治癒に時間がかかるとされています。
関節唇は肩甲上腕関節の安定化に作用します。 上腕骨頭において不安定な運動が生じると、関節唇へのストレスが大きくなります。
関節唇は上方で上腕二頭筋長頭腱との結合がありますが、下方では関節窩に強固に固定されており、上腕二頭筋長頭腱による過剰な牽引は上方の関節唇損傷を引き起こすことがあります。

関節唇の触診法

関節唇触知は体表からでは困難です。
関節唇は上腕骨頭の内側に位置しており、上腕骨頭を触知し、その内側に指を移動させ、内・外旋運動を行い上腕骨頭に触れていると、深くで骨が動くのを感じることができます。 肩甲骨はほとんど動きがないため、その境界を探っていきます。

関節唇の疼痛誘発テスト:crank test

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①肩関節を160°以上挙上し、肘関節90屈曲位とした肢位を開始肢位とします。
②肩甲骨と肘関節を把持し、関節嵩に対して軸圧をかけながら肩関節の内旋/外旋運動を誘導します。
解釈:疼痛あるいはクリック音が生じると陽性となります。
*軸圧をかけることで関節窩に圧縮ストレスを加えています。
*肩関節内旋/外旋運動により、関節窩上での上腕骨頭の運動を誘発しています。内旋・外旋運動を安定して行えれば、疼痛やクリック音は生じにくくなります。
*上腕骨頭の運動が不安定になると、関節唇へのストレスが大きくなるため、陽性となります。
*肩甲骨内転・挙上、 体幹側屈による圧縮ストレス回避の代償運動に注意します。

関節唇の疼痛誘発テスト:O’Brien test

①肩関節90°屈曲、軽度水平屈曲位、内旋位、肘伸展位を開始肢位とします。
②肩甲骨と上腕遠位部を把持し、肩関節の伸展方向に抵抗を加え肢位を保持させます。
③肩関節外旋位で伸展方向に抵抗を加え、肢位を保持させます。
解釈:内旋位で疼痛やクリック音が生じ、外旋位で軽減すると陽性となります。
*検査肢位では肩関節前方に圧縮ストレスが加わります。この状態で上腕二頭筋(肩関節屈曲に作用)を収縮各せると、肩前面にさらに圧縮ストレスが加わります。
*肩関節外旋位とすると、肩前方に加わる圧縮ストレスは軽減します。
*このテストでは肩鎖関節障害の存在でも疼痛が出現します。

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引用・参考文献