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肩前上方の痛みの部位同定法:腱板疎部損傷の整形外科テスト

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肩前上方の痛みの原因として、肩前上方に加わる伸張ストレスが挙げられます。伸張ストレスにより痛みが生じている場合、腱板疎部が痛みを引き起こしている部位として考えられます。今回、肩前上方の痛みの部位同定法として、腱板疎部の整形外科テストについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 肩前上方の痛みの部位同定法:腱板疎部損傷の整形外科テスト

肩前上方の痛みと伸張ストレス

外旋運動を行う際、肩関節前面には伸張ストレスが加わります。
上腕骨頭の外旋運動制限や肩関節前面軟部組織の伸張性低下が存在する場合、または両方がある場合、肩関節前面への伸張ストレスは大きくなります。

上腕骨頭の外旋運動では,上腕骨頭は後方に転がり前方に滑ることになる.そのため,肩甲上腕関節の外旋や,上腕骨頭の後方への転がり,前方への滑りを増強させた際に,疼痛が増強するかを確認する.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P29

腱板疎部に痛みが生じるメカニズム

肩関節は前方に肩甲下筋、上方に棘上筋、後方に棘下筋、後下方に小円筋があります。
前上方部分には腱板筋がなく、この部分は腱板疎部と呼ばれ、鳥口上腕靭帯から構成されています。

烏口上腕靭帯は,他の靭帯とは異なる組織学的構造を有しており,関節包と類似した疎性結合組織からなる強靭さを欠いた靭帯である. これにより走行 の異なる腱板の間隙を埋めて 張力を調整していると考えられる.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P31

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腱板疎部の損傷では2つの病態に分類することができます。
1つは腿板疎部損傷が第2肩関節に影響し、炎症癒着を起こす拘縮型です。
また損傷が健板疎部に留まり、不安定性を増強する不安定型があります。
不安定型は若年者でよくみられ、拘縮型は比較的年齢層が高いことが特徴です。
不安定型であっても、島口上腕靭帯に炎症性の滑膜増殖や、腱板疎部を中心とした搬痕形成により拘縮状態になる可能性もあります。また、拘縮型でも関節可動域改善により不安定性がみられる可能性もあるとされています。
このことから、腱板疎部損傷では不安定性に対する評価をしっかりと行います。

腱板疎部の触診

腿板疎部は鳥口肩峰靭帯の奥に位置しているため、直接触知することは困難です。
そのため、鳥口肩峰靭帯の外側で間接的に触れる方法をとります。
鳥口上腕靭帯(腱板疎部を構成する)は、鳥口突起から小結節に続くため、肩関節伸展・内転・外旋によって緊張します。 鳥口肩峰靭帯のすぐ外側に指を置き、肩関節伸展・内転・外旋運動を誘導し、鳥口肩峰靭帯の硬さを評価します。

腱板疎部の整形外科テスト:sulcus test 

①肩関節下垂・内旋位を開始肢位とします。
②肩甲骨と上腕遠位部を把持し、 肩関節内旋位と外旋位にて上腕骨を下方に牽引します。
解釈:内旋位で陽性となり、外旋位では陰性となります。
*腱板損傷により生じる不安定性は軽微なものであり、下垂位外旋により上・中関節上腕靭帯、上腕二頭筋長頭腱が緊張し、上腕骨頭が求心位をとり不安定性を消失させます。
*上腕に牽引を加える際、肩甲骨外転、下制、下方回旋などの運動も伴うため、肩甲骨の固定をしっかりと行う必要があります。
*外旋位でも不安定性が生じている場合、他の靭帯損傷を合併の可能性があり、動揺肩や反復性肩関節脱臼を疑います。

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引用・参考文献