自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

肩前上方の痛みの部位同定法:肩甲下筋の疼痛誘発テスト

【スポンサーリンク】

肩前上方の痛みの原因として、肩前上方に加わる伸張ストレスが挙げられます。伸張ストレスにより痛みが生じている場合、肩甲下筋が痛みを引き起こしている部位として考えられます。今回、肩前上方の痛みの部位同定法として、肩甲下筋の疼痛誘発テストについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 肩前上方の痛みの部位同定法:肩甲下筋の疼痛誘発テスト

肩前上方の痛みと伸張ストレス

外旋運動を行う際、肩関節前面には伸張ストレスが加わります。
上腕骨頭の外旋運動制限や肩関節前面軟部組織の伸張性低下が存在する場合、または両方がある場合、肩関節前面への伸張ストレスは大きくなります。

上腕骨頭の外旋運動では,上腕骨頭は後方に転がり前方に滑ることになる.そのため,肩甲上腕関節の外旋や,上腕骨頭の後方への転がり,前方への滑りを増強させた際に,疼痛が増強するかを確認する.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P29

肩甲下筋に痛みが発生するメカニズム

肩甲下筋は肩甲骨の肩甲下窩・肩甲骨外側縁から起始し、上腕骨の小結節に停止します。起始部では6つの筋束に分かれ、 近位から1-4筋束は肩甲下窩から起始し、5・6筋束は肩甲骨外側縁より起始します。

肩甲下筋停止健の最近位部では,小結節の上外側面に舌部と呼ばれる薄い腱性組織が伸びている. 舌部は,関節上結節から起始した上腕二頭筋が結節間溝 至るまでの通路を,烏口上腕靭帯や上関節上腕靭帯とともに形成していると考えられている.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P29

【スポンサーリンク】
 

上腕二頭筋長頭腱炎などがあると、その部位の炎症や拘縮が上腕二頭筋長頭腱への力学的ストレスを大きくさせます。
また下部筋束の拘縮の存在は、外転外旋運動の制限につながります。

肩甲下筋の触診方法

肩甲下筋は体表からの触知が困難です。
小結節の近位においては停止腱が付着しており、筋腹の柔軟性は触知することができません。
外転外旋位をとり、腋窩から触知する方法をとります。
肩関節節を外転外旋位にて肩甲骨の前方突出を誘導します。 その状態で肩甲骨外側縁を触れます。 その部位にて関節内旋運動を行わせると、肩甲下筋の下部筋束の収縮を確認できます。

肩甲下筋の疼痛誘発テスト:lift off test

①肩関節伸展・内転・内旋、肘関節を屈曲させ、検査側の手背を背部につけた肢位をとります(結帯動作)。
②肩甲骨と前腕遠位部を把持し、肩関節伸展内転運動にて手背を背部から持ち上げるます。
解釈:疼痛が生じると陽性になります。
*肩関節内転位での内旋運動を強制により、肩甲下筋上部筋束の収縮を強制させることが可能です。
*肩甲下筋の収縮を誘導するために、まず肩関節の内旋運動を誘導します。
*結帯肢位をとるため、肩関節上後方軟部組織の拘縮の存在により伸張痛が生じることもあります。
*小胸筋の収縮時痛が烏口突起下方に出現することもあります。

肩甲下筋の疼痛誘発テスト:belly press test

①座位にて肩関節下垂位内旋位を開始肢位とします。
②腹部を圧追するように 肩関節を内旋させます。
解釈:疼痛が生じると陽性になります。
*機肩関節内旋の等尺性収縮により、肩甲下筋の等尺性収縮を促します。肩関節前方に対する伸張ストレスは生じませんが、肩甲下筋損傷の有無を判断することが可能です。
*肩甲下筋が短縮位で等尺性収縮するため、結果が陰性の際に、伸張位で収縮時痛がないとの判断は行えません。可動範囲内全域で抵抗運動を行い疼痛の有無と増減を確認します。

関連記事

肩前上方の痛みの部位同定法:腱板疎部損傷の整形外科テスト - 自分でできる体健やかブログ

肩前上方の痛みの部位同定法:関節唇の疼痛誘発テスト - 自分でできる体健やかブログ

肩前上方の痛みの部位同定法:上腕二頭筋長頭腱のと疼痛誘発テスト - 自分でできる体健やかブログ

肩前上方の痛み(肩甲下筋、腱板疎部、関節唇)と腱板構成筋の筋力低下の運動学的評価 - 自分でできる体健やかブログ

肩前上方の痛みの部位同定法:上腕二頭筋長頭腱のと疼痛誘発テスト - 自分でできる体健やかブログ

参考文献