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膝前面の痛み(脛骨粗面、膝蓋靱帯・膝蓋支帯、膝蓋大腿靱帯)と足関節背屈制限の運動学的評価

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膝関節前面の痛み(脛骨粗面、膝蓋靱帯・膝蓋支帯、膝蓋大腿靱帯)を引きおこす原因のひとつに、足関節背屈制限があります。今回、膝前面の痛み(脛骨粗面、膝蓋靱帯・膝蓋支帯、膝蓋大腿靱帯)と足関節背屈制限の運動学的評価について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

膝前面の痛み(脛骨粗面、膝蓋靱帯・膝蓋支帯、膝蓋大腿靱帯)と足関節背屈制限の運動学的評価

引用・参考文献

膝前面の痛みと足関節背屈制限の関係性

足関節の背屈可動域制限では、荷重した際の下腿前傾が制限されます。下腿前傾が制限されると重心の前方移動が困難となり、後方重心となります。後方重心になると膝関節伸展モーメント増大により膝関節前面に伸張ストレスが生じ、また膝蓋大腿関節に対する圧縮ストレスが大きくなります。足関節背屈の代償で、距骨下関節回内、外転運動が生じ、前額面上での外側に対する圧縮ストレスも大きくなります。

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足関節背屈制限の運動学的評価

①膝関節伸展位での評価

膝関節伸展位での足関節背屈運動では,足関節底屈に作用するすべての筋が伸張される.とりわけ,膝関節をまたぐ二関節筋である腓腹筋は,膝関節屈曲位よりも伸展位のほうが伸張される.そのため,膝関節伸展位と屈曲位での可動域を比較することで,腓腹筋の関与の有無が評価できる.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P316

腓腹筋内側頭は回外位でさらに伸張されるという特徴があり、腓腹筋の肉離れでは内側頭が好発部位となるため、腓腹筋の肉離れでの内側頭伸張性低下が考えられる際には、回外位での足関節背屈可動域・伸張痛の評価を行います。

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②長母趾屈筋・長趾屈筋・短腓骨筋
膝関節屈曲位において足関節背屈運動の制限がある場合、 ヒラメ筋、長母趾屈筋・長趾屈筋・短腓骨筋などによる制限が考えられます。
長母趾屈筋は、下腿後面で距腿関節の後方を走行しており、短縮により背屈運動の際、距骨の後方への滑り運動制の制限が起こりやすくなります。
また、長趾屈筋や短腓骨筋は足関節底屈に作用しますが、その腱は距骨内・外側をそれぞれ通過するので、長母趾屈筋と比べ制限因子にはなりにくいと言えます。
しかし、長母趾屈筋の隣を走行しており、長母趾屈筋、長趾屈筋、 長母趾屈筋と短腓骨筋間の滑走性が低下が生じることで、長母趾屈筋の伸張性低下がおこり、 結果的に背屈制限が生じます。
長母趾屈筋の影響を評価するには、母趾を伸展位での足関節背屈角と、母趾伸展位とならない状態での背屈角を比較します。伸展位で可動域制限↑、かつ左右差(+)の場合には、長母趾屈筋の短縮を考えます。
長趾屈筋と短腓骨筋との滑走性評価では、筋間に指を置き、母趾伸展による長母趾屈筋の遠位への滑走を促し、結合組織間の滑走性を引き出します。これにより前後での可動域の変化を見て、短腓骨筋・長趾屈筋の関係性を考察します。

③ヒラメ筋
ヒラメ筋は単関節筋であり、膝関節や足趾の肢位を変化させても可動域が変わらない場合に、ヒラメ筋の伸張性低下を考えます。
*足関節包、アキレス腱下脂肪体の拘縮も考えられ、足関節背屈可動域の評価だけでなく、その際の疼痛・伸張感の生じる部位の把握も必要です。

④荷重位での足関節背屈
荷重位では足部の骨運動が生じ、その際の足関節運動に影響が出現します。
歩行中においては、下腿前傾には距腿関節の可動範囲よりも、足部アーチの沈降が貢献しているされています。

健常足も扁平足も,荷重位で足関節を背屈すると,足根骨は回内しながら前方に移動する.しかし,健常足は扁平足に比べて,内側への移動量が大きく,扁平足は前方への移動量が大きくなる.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P318

扁平足での骨運動では、足関節背屈に伴う距骨の後方移動に制限が起こります。そのため、扁平足で荷重位足関節背屈制限を認める場合、足部内側縦アーチを支持することで背屈角に変化が生じるかを検討します。

⑤足関節底屈の可動域
足関節底屈の可動域測定では、基本軸が腓骨、移動軸は第5中足骨となります。

足関節は距腿関節と距骨下関節の複合体であり,従来の方法では,ショパール関節やリスフラン関節の可動性を混合して計測してしまう.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P319

踵部の底面に移動軸を合わせて後足部の可動域を計測する方法(後足部法)もあります。
従来法可動域では約60°、後足部法の平均可動域は約45°とされています。 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会における足関節底屈の参考可動域は45°であり、従来の計測法で可動域が45°であっても、左右差の計測、後足部法と従来法をの比較は重要になります。

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