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膝前面の痛みの同定法:膝蓋大腿関節

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膝前面の痛みの原因として、膝前面に加わる圧縮ストレスが挙げられます。圧縮ストレスにより痛みが生じている場合、膝蓋大腿関節が痛みを引き起こしている部位として考えられます。今回、膝前面の痛みの同定法として、膝蓋大腿関節について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 膝前面の痛みの同定法:膝蓋大腿関節

膝前面の痛みと圧縮ストレス

膝関節前面での圧縮ストレスは、荷重位で生じやすくなります。
圧縮ストレスは①矢状面で生じる圧縮ストレス、②前額面で生じる圧縮ストレスに分ける必要があります。

矢状面では大腿四頭筋の収縮する方向と膝蓋靭帯の合成ベクトルは大腿骨に対して膝蓋骨を圧迫する方向へ作用する.後方重心になると膝関節伸展モーメントが大きくなり大腿四頭筋の張力も大きくなる.その結果合成ベクトルも増大し膝蓋大腿関節に対して大きな圧縮ストレスが生じる.

前額面では膝関節は生理的外反を有しているため大腿四頭筋の収縮によって膝蓋骨は外方へ引かれやすい.そのため動作時に膝関節の外反が強くなると膝蓋骨を外側へ牽引する力が強くなる.その結果大腿骨に対して膝蓋骨の外側関節面への大きな圧縮ストレスが生じる.

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略

しゃがみ込みや階段の下り動作で痛みが生じる場合、膝蓋大腿関節由来の機能障害を考えます。

膝蓋大腿関節に痛みが発生する解剖学的要因

膝蓋大腿関節は、膝需骨と大腿骨顆部からなる関節です。
膝蓋骨は大腿骨上に乗っており、不安定な状態にあるといえます。 そのため、膝蓋骨 の安定には大腿四頭筋の作用が大切です。
内側広筋と外側広筋の作用がバランスよく引き合うことで適切な運動が生じます。 内側広筋の機能不全や外側広筋の過緊張により、膝蓋骨が外上方へ引かれると、膝蓋骨外側面に対する圧迫ストレスが大きくなり疼痛の原因となります。 また、膝蓋大腿関節の痛みには、膝蓋骨のアライメントのみが関与するだけでなく、大腿脛骨関節のアライメント異常も関与しています。

Q-angleが増大すると,大腿四頭筋の収縮ベクトルが膝蓋骨をより外方へ引く力が強くなるため,膝蓋骨外側関節面への圧迫力が強くなる

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略


膝蓋大腿関節の触診法

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背臥位にて膝関節完全伸展位とします。
膝蓋骨を内側へ動かすことで、膝蓋骨の内側が浮き上がり、膝蓋骨内側関節面の触知ができます。
膝蓋骨を外側へ動かすことで、膝蓋骨の外側が浮き上がり、膝蓋骨外側関節面の触知ができます。

膝蓋大腿関節の疼痛誘発テスト

①背臥位にて膝蓋骨を把持します。
②膝蓋骨を圧迫し、内・外側へ誘導します。
解釈:誘導した方向において痛みが生じると陽性とします。
*圧迫に加え、内・外側に動かすことでさらに圧迫ストレスをかけ、内・外どちらに痛みが生じているかを確認することが可能です。

膝蓋大腿関節に痛みが生じる運動学的要因

膝蓋大腿関節での圧迫ストレスを考える場合、矢状面と前額面の問題を分けて考えていきます。
矢状面の問題として、「大腿四頭筋の伸張性低下」では、膝関節屈曲の際に膝蓋骨の下方への動きを阻害します。このことが膝蓋骨関節面と大腿骨関節面の接触面が変化を招き、圧の集中が起こることで痛みが生じると考えられます。
大腿四頭筋の筋力低下 」では、内側広筋の筋力低下があり、内側・外側広筋の収縮のバランスが崩れると、筋収縮の際の膝蓋骨関節面と大腿骨関節面の接触面の変化を招き。圧の集中が起こります。

膝蓋大腿関節症では,外側広筋に比べて内側広筋の活動の遅延が生じ,それによって膝蓋骨の運動に影響を与える

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略

とあります。
外側広筋の収縮で膝蓋骨が外上方へ変位しやすくなり、疼痛を引き起こす可能性があります。
「足関節の背屈制限」では、踏み込み動作や着地動作で、下腿前傾が不足が起こり、後方重心となり、膝蓋大腿関節に対する圧縮ストレスが大きくなります。 また、足関節背屈の代償で、距骨下関節回内、外転運動が生じ、前額面上での外側に対する圧縮ストレスも大きくなります。
「骨盤の後傾」では、後方重心となり、膝蓋大腿関節の圧縮ストレスが大きくなります。骨盤後傾には、股関節の動的安定性低下による屈曲可動域制限や腸腰筋の筋力低下が多く見られます。
「股関節外転筋の筋力低下」では、荷重時に大腿骨が骨盤に対して内転・ 内旋が起こり、膝関節外反が見られます。膝蓋大腿関節症では、中殿筋筋力低下や活動の遅延で、前額面上の骨盤や大腿骨の制御が不十分であるとされており、中殿筋の筋力低下は膝前面の疼痛に関与していることが考えられます。
「足関節・足部の過回内」では、足関節に対し、下腿内旋・内方傾斜します。すると膝関節は外反してしまうことになります。足部のアライメント異常が膝関節に影響を及与える可能性があります。

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引用・参考文献