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注意障害の評価法:MARSの概要と評価方法、結果の解釈

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脳外傷後の注意障害患者の行動スケールのひとつにMARS(Moss Attention Rating Scale)があります。今回、MARSの概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 MARSの概要と評価方法、結果の解釈

MARS(Moss Attention Rating Scale)は脳外傷後の注意障害患者の行動スケールで、対象者の行動を観察して評価します。日本語版があります。
22 項目で構成され、各項目は5 段階で評価絵を行います。
「明らかに当てはまらない」=1
「大部分で当てはまらない」=2
「時には当てはまるが、時には当てはまらない」=3
「大部分で当てはまる」=4
「明らかに当てはまる」= 5
で採点されます。
項目には落ち着きのなさ / 注意散漫 (Restless/Distraction) 、開始 (Initiation) 、持続性 / 一貫性 (Sustained/Consistent) の3つのカテゴリーが存在し、各カテゴリーの得点として算出が可能です。 

評価方法と注意点

少なくとも 2 日間以上の観察から評価を行います。 
全ての項目に対して採点します。 答えに確信がない場合、当てはまると思うものを選択します。

評価項目
1.何もしていない時には落ち着きがなく、そわそわしている   
2.関連のない、または話題から外れたコメントを差し挟むことなく、会話を継続する
3.中断したり、集中力を失うことなく、数分間課題や会話を継続する
4.他にしなければならないこと、考えなければならないことがある時には、課題の遂行を中断する
5.課題に必要な物が、例え目に見え、手の届く範囲内にある場合でもそれを見落としてしまう
6.その日の早い時間、または休息後の作業能力が最もよい
7.他人とのコミュニケーションを開始する
8.促さないと、中断後、課題に戻らない
9.近づいてくる人の方を見る
10.中止するように言われた後も活動や反応を継続する
11.次のことを始めるために、スムーズに課題や段階を中断できる
12.現在の課題や会話ではなく、近くの会話に注意が向く
13.能力の範囲内にある課題に着手しない傾向にある
14.課題において数分後にスピードや正確性が低下するが、休憩後に改善する
15.類似した活動における作業能力が、日によって一貫しない
16.現在の活動を妨げる状況に気づかない(例:車椅子がテーブルに衝突する)
17.以前の話題や行動を保続する
18.自身の作業の結果における誤りに気づく
19.適切か否かにかかわらず)指示がなくても活動に着手する
20.自身に向けられた対象物に反応する
21.ゆっくりと指示が与えられた時、課題の遂行が改善する
22. 課題と関係のない近くにある物に触ったり、使い始めたりする

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*項目No1,4,5,6,8,10,12,13,14,15,16,17,21,22は逆の表現(逆転項目)になっており、「6−評定点」をMARSスコアとして用います。

因子

項目

因子合計

因子得点

落ち着きのなさ・注意緩慢

1,10,12,17,22

  /25

  /5

開始

7,13,19

  /15

  /5

持続性・一貫性

6,14,15

  /15

  /5

因子得点は因子合計÷項目数です。

結果の解釈

全項目の合計点は得点は 22~110点の範囲をとなります。
得点が高いほど注意機能が良好なであることを示しています。

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引用・参考

http://mrri.org/wp-content/uploads/2016/01/Mars-Japanese-Translation.pdf

http://www.hs.hokudai.ac.jp/nr/wp-content/uploads/2015/09/manual.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/32/3/32_533/_pdf