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前頭葉性行動質問紙(FBI)の概要と評価方法、結果の解釈

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前頭葉性行動質問紙(FBI:Frontal Behavioral Inventory)は、認知症者だけでなく、前頭葉損傷による行動障害の検出に有用とされている質問紙による評価ツールです。今回、前頭葉性行動質問紙(FBI)の概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 前頭葉性行動質問紙(FBI)の概要と評価方法、結果の解釈

前頭葉性行動質問紙(FBI)の概要

FBIは、Karteszらにより作成された前頭側頭型認知症の簡易評価の日本語版になります。
FBIは主に前頭側頭型認知症の示す認知行動障害を臨床的に検出するための簡便な介護者(家族等)による自記式の質問紙としてもともとは開発されました。
FBIは日常生活上の障害に関する 24項目の質問に
「ない」0点
「ときどきある」1点
「しばしばある」2点
「いつもある」3点
の4 段階の選択肢から回答する質問紙になります。

評価方法

評価項目
1.友人づきあいや日常生活に無関心になっていますか?(無気力)
2.促されないと,自分で何かを始められないことがありますか?(自発性の欠如)
3.嬉しいことや悲しいことに以前よりも感情を表さなくなりましたか? (無関心)
4.最近,頑固になったり,合理的に自分の考えを変えられないことがありますか?(柔軟性のなさ )
5.言われたことのごく一部の具体的な内容だけにとらわれて,意味を適切に理解できないことがありますか? (具体的思考)
6.清潔さや身だしなみに以前より気をつかわなくなったと思うことがありますか?(無頓着)
7.複雑な行動を計画したり,組織立てて行うことができなくなりましたか? 
   根気がなく,すぐに気が散って,やりかけたことを最後までできないことがあります 
か? (解体)
8.進行中のことに集中できず,脱線したり,ついていけなくなったりすることがありますか? (不注意)
9.自分の問題点や変化に気がつかなかったり,指摘されてもそれを否定したりすることがありますか?(洞察のなさ)
10.話す量が以前よりも減ったと思うことがありますか?(発話量の減少)
11.発音が不明瞭になったり,音の間違いや,言いよどみに気づくことがありますか? (発語失行)
12.同じ行動や発言を繰り返すことがありますか?(保続)
13.日頃のストレスや欲求不満に対して,苛立ったり,かっとなったりすることがありますか? (いらいら)
14.行き過ぎた冗談,人を不愉快にさせる冗談,その場に不適切な冗談を言うことがありますか?(いき過ぎた冗談)
15.物事を決めたり,車を運転したりするとき,無責任な,あるいはなげやりな行動をとったり, 不適切な判断をすることがありますか? (判断の悪さ)
16.社会のルールを守らず,常識から逸脱したことをしたり,言ったりすることがありますか? 乱暴になったり,子供っぽい態度をとったりすることがありますか? (不適切さ)
17.一時の思いつきで,結果を考えない行動や発言をすることがありますか? (衝動性)
18.落ち着きがなく,じっとしていないことがありますか? (落ち着きのなさ)
19.攻撃的になったり,他人を怒鳴りつけたり,人に怪我をさせたりすることがありますか? (攻撃性)
20.普段よりも多くの水分をとったり,やたらと食べ過ぎたり,食べられないものでさえ口に 入れたりすることがありますか? (口唇傾向)
21.性的な行動が普通でなかったり,または過剰になることがありますか? (性的亢進)
22.手の届くものや目に入るものを触ったり,いじったり,手にとって調べたりせずにいられ ないことがありますか?(使用行動)
23.尿や便をもらしてしまうことがありますか?(膀胱炎や動けないなど,病気による場合を除く)か? (失禁)
24.関節炎,怪我,麻痺などがないのに,一方の手がもう一方の手を邪魔してうまく使えない ことがありますか? (他人の手兆候)

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結果の解釈

24項目の合計得点(0〜72点)を算出します。

前頭葉機能検査を含めた基礎的神経心理検査成績とFBI 得点との間には明らかな関連を認めなかった。したがって,このような日常生活での問題点の評価は神経心理学的検査の成績に示される認知障害とは異なる側面の問題であると考えられた。特に, WCSTとFBIとの関連がなかったことは特 記すべきことであり,前頭葉機能の多面性を示唆しているといえる。

松井 三枝ら「日本版前頭葉性行動質問紙 Frontal Behavioral Inventor y (FBI)の作成」高次脳機能研究 28 ( 4 ): 373 ~ 382 , 2008

FBIは前頭葉障害に限局した臨床的特徴を簡潔に評価できるように質問紙にしたものです。各項目がそれぞれ個別の特徴的な行動に注目するものであり、各項目の評定の比較検討も必要と考えられます。
FBIは前頭葉障害でみられる臨床的な特徴がほとんど把握できるため、リハ介入後の治療効果を判定に用いることも可能となります。

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参考文献

松井 三枝ら「日本版前頭葉性行動質問紙 Frontal Behavioral Inventor y (FBI)の作成」高次脳機能研究 28 ( 4 ): 373 ~ 382 , 2008