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運動前皮質、補足運動皮質と高次運動機能について

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前頭葉において、運動前皮質の損傷では左半側空間無視や運動維持困難がみられ、補足運動野の損傷では左右半球間で症状に差がみられます。今回、運動前皮質、補足運動皮質と高次運動機能について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 運動前皮質、補足運動皮質と高次運動機能について

参考文献

西尾 慶之「前頭葉の機能とその障害」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26

happyhealth.hatenablog.com

渡邊 修「オーバービュー」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.3

運動前皮質(背側)の損傷と生じる症状

運動前皮質腹側(下前頭回弁蓋部)では言語表出において、左右半球間での差がみれます。

前頭葉の機能解剖(下前頭回/前頭弁蓋部)と言語表出 - 自分でできる体健やかブログ

それに比べて、運動皮質野(背側)には明確にこれといった機能的な左右差がみられません。
前運動野含む比較的大きめの右前頭葉の損傷では、左半側空間無視が出現することがあるようです。

 

これらの症例では病変が前頭前皮質背側に加えて前頭葉皮質下白質に広がっているこ とから前運動皮質そのものよりも運動前野一頭頂葉ネットワークの破綻が左半側空間無視の出現に重要であると考えられる

西尾 慶之「前頭葉の機能とその障害」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26

右前運動皮質(ブロードマンエリア6) 、前頭眼皮質(ブロードマンエリア8)、それらの直下の白質を含む病巣では運動維持困難が出現します。
運動維持困難は閉眼や舌を出すなどの顔や体軸の運動においてに症状が出現する傾向があり、特に閉眼と呈舌を同時に行うような運動が検出法として鋭敏だとされています。
運動維持困難と右頭頂葉損傷による左半側空間無視の責任病巣は解剖学的に類似していることが特徴となります。

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補足運動皮質の損傷と生じる症状

補足運動皮質病変では、左右半球により質の異なる高次運動障害がみられます。
右の補足運動皮質では、左に比べて運動抑制、リズムパターン形成、記憶による眼球運動の障害が生じます。
左補足運動皮質や前部状皮質、脳梁膝部を含む損傷では、道具の強迫的使用がみられます。これは、道具を視覚的あるいは触覚的に提示すると、右手で道具を強迫的に使用してしまう症状です。また前方型他人の手徴候もみられます。
このような症状において、対象者は不随意に動いてしまう右手に対して、左手で止めよとする現象がしばしば観察されます。
同じような現象は脳梁体部後部の損傷(左右頭頂葉連合線維含む)に伴い出現する拮抗失行(意志通りに動く右手を左手が不随意に邪魔をするという症状)においても観察されます。

道具の強迫的使用においては左手が主体の意思を反映する一方で,措抗失行では主体の意思を反映するのは右手である.道具の強迫的使用と措抗失行の現象学的相違は,運動意図と脳の左右差の関係を考えるうえで重要な示唆を与えてくれる.

西尾 慶之「前頭葉の機能とその障害」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26

左補足運動皮質の損傷では超皮質性運動失語 がみられます。
ブローカ失語では言語表出全般に障害が出現しますが、超皮質性運動失語では自発話にのみ障害が著明なことが特徴となります。

典型例では復唱の場面では停滞のないスムーズな発話が可能である. 会話場面等の自発的な言語表出の際に開始困難や小声が認められるが,構音の歪みは認められない.反響言語(会話相手の発話をオウム返しする反応)を伴うことが多い.

西尾 慶之「前頭葉の機能とその障害」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26

ブローカ失語と比較すると予後は良好で、左補足運動皮質に限局した損傷であれば数週間から数力月で完全に改善がみられます。
左補足運動皮質病変での超皮質性運動失語の対象者では、ほとんどの者に書字障害が認められます。左補足運動皮質は構音運動ではなく、言語表出での内的衝動や、音韻パターン、リズムの形成に関与していることが考えられます。

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