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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脳卒中片麻痺者の歩行とノルディックポール

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脳卒中片麻痺者の歩行においてノルディックポールを使用する場合があります。ノルディックウォークは北欧でのクロスカントリースキーをする者が、夏場のトレーニングをするための杖として開発されたものです。今回、脳卒中片麻痺者の歩行とノルディックポールについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 脳卒中片麻痺者の歩行とノルディックポール

参考文献

高橋 秀寿ら「片麻痺による歩行障害」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7

脳卒中片麻痺者の歩行に必要な筋力トレーニング

脳卒中片麻痺者の歩行に必要な筋力として、まずは股関節周囲筋の筋力が挙げられます。
麻痺側下肢の振り出した後、体重を前方移動するためには、麻痺側股関節伸展筋(特に大臀筋)の筋活動が必要になります。麻痺側下肢での立脚がしっかりしていないと、非麻痺側下肢の振り出しが不十分になります。
また、麻痺側下肢の足底設置直後の体重支持では大腿四頭筋や中臀筋の筋活動が必要になります。
これらは、椅子からの立ち上がり訓練により鍛えることが可能です。必要に応じて手すりを使用し、ゆっくり立ち上がりゆっくり着座することを意識しながら行います。
1セット10回で、1日10セットを目安に行います。

 

脳卒中片麻痺者に必要な1日の歩数

中等度以上の運動麻痺がある者では、歩行では装具や杖を使用して行うことが多いですが、このような対象者が維持期において体力や運動能力を維持していくためには、1日1時間、5000歩程度の歩数が必要とされています。これは、この程度が最も適した有酸素運動になるとされているためです。
ある調査では、慢性期の脳卒中片麻痺者で、T字杖と下肢装具を使用して屋外歩行しているBrs-stageⅢ、Ⅳの者の日常生活での歩数が平均3600歩だとしており、5000歩というのは十分に達成できる歩数と考えられます。

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T字杖とノルディックポール

T字杖では、杖を把持した場合の手関節の不安定性があり、歩行も不安定になってしまうという例もあります。
長期のT字杖使用では、手根管に持続的な荷重や圧迫がおこり、手根管症候群による成虫神経麻痺が起こる可能性も否定できません。
ノルディックポールはグリップ部分がスキーのストックと同じ形をしていて、手のひら全体で把持でき、手根管の圧迫や体重負荷が少なく、親指でトップを押さえることにより杖の動きのコントロールがしやすくなります。
歩行時の杖の不安定性を解消でき、手根管への負担も小さいこと、歩幅や歩行速度の向上、姿勢改善、有酸素運動効率の改善など、メリットが大きくなります。
腕を大きく振ることで、体幹筋の活動も促され、全身運動となり、有酸素運動が効率よく行えます。
ノルディックポールでの歩行について、高齢健常男性では、

通常の歩行と比較して、酸素摂取量 が23%増え、心拍数も4%有意に増えたこと、また、ノルディックポールを使用したときの心理的負担は通常歩行と同程度であったこと、等が報告されている。

 

とあります。
また、慢性期脳卒中片麻痺者においては、

片手ノルディックポール使用による健側の腕振りによって、健側の上肢、肩甲帯、体幹筋を活発に使用するので、歩幅の増加や、姿勢の安定が得られる利点がある。さらに、酸素摂取量の改善が予測される。実際、慢性期の脳卒中患者に6週間、週5回、1日30分のトレーニングで、同様にトレッドミル歩行訓練をやった場合と比較して、ノルディックポール使用群では、the timed up and go test、6分間歩行テスト、改訂バーセルインデックスが有意に改善したと報告されている。

 

とあります。

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