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痙縮・筋緊張亢進と下肢装具ー痙性緩和、ストレッチ、歩行動作のためにー

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痙性麻痺による拘縮には、筋の防御性収縮をできる限り抑えて弱い負荷で長時間持続伸張するようなアプローチが必要です。装具を用いることは、弱負荷、長時間伸張のために有効となります。今回、痙縮・筋緊張亢進と下肢装具について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 痙縮・筋緊張亢進と下肢装具ー痙性緩和、ストレッチ、歩行動作のためにー

痙縮・筋緊張亢進と関節可動域制限(拘縮)

痙縮・筋緊張亢進では、関節可動域制限(拘縮)が生じることがあります。これは、痙性麻痺による筋・腱の短縮や、疼痛からの反射性拘縮が原因としてあげることができます。
反射性拘縮では痛みを軽減することがまずすべきことですが、痙性麻痺による拘縮では筋の防御性収縮をできる限り抑えて弱い負荷で長時間持続伸張するようなアプローチが必要です。
装具はこのようなアプローチを行う上で有用となります。
装具療法の注意点としては、着用時の不快感、過度の矯正による疼痛、皮膚を傷つける、装具の破損などがあります。

痙縮と下肢装具の適応

装具療法の適応は中枢神経障害からの痙性麻痺に適応で、その目的は痙縮の予防、改善、良肢位保持や歩容の改善です。
成人片麻痺の場合、発症3ヶ月以降の歩行が安定し、活動量が大きくなってくる時期に痙縮・筋緊張亢進が増大することがあるため、その時期に装具療法を行うことが有用とされています。
また、痙縮治療ではボツリヌス治療を併用することで、より効果があげることにつながるとされています。

痙縮と下肢装具の種類

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下肢装具は、ストレッチ、痙性緩和が主であり、内反尖足などの良肢位保持にも使用されます。

ストレッチ用では、ボツリヌス療法を行う際にタウメル式継手式関節装具が用いられることがあります。
ギア構造で無段階調節が可能で、ボツリヌス療法直後の20分程度、装具装着によるストレッチを行います。

痙性緩和用では、短下肢装具の足部内面にパッドなどを取り付け、下肢の筋緊張緩和を目的に使用されます。
立ち上がり、歩行時の足指の屈曲に対しては、インヒビターバーやクレストと呼ばれるパッドを取り付けます。
筋緊張緩和のメカニズムは明らかではありませんが、足指の過度の屈曲を抑制し、前足部の安定性、支持性を改善することにより痛みの緩和も図れると考えられています。

歩行の際の足関節の良肢位保持として用いられることもあります。
下肢痙縮・筋緊張亢進の程度により短下肢装具の種類は変わり、使用場所(屋内、屋外)の考慮も必要です。
室内用ではプラスチック製を使用することが多く、痙縮・筋緊張亢進が強い場合には足関節の固定、足部がつま先まで長いものが必要です。痙縮・筋緊張亢進が弱い場合、薄いプラスチック製で足関節に動きがあり、足部もつま先までないものが使用され、立脚後期に足部の踏み返しがおこなえるようにします。
屋外用では、室内用のプラスチック装具をそのまま使用することもありますが、痙縮・筋緊張亢進が強い場合、両側支柱付靴型短下肢装具が用いられます。
短下肢装具では膝伸展位で腓腹筋の短縮の有無と程度を確認する必要があり、立位や歩行で痙縮・筋緊張亢進がどのように変化するかを把握するようにします。
足関節背屈位での固定では膝屈曲し、足関節底屈位での固定では膝伸展します。
片麻痺者では尖足による膝伸展力の働きで反張膝につながることもあるため、足関節の角度調節が大切になります。

インヒビターバー

片麻痺患者にみられる過度の緊張性足指屈曲反射では、足指の屈曲だけでなく足部の内反、凹足化を引き起こすこともあり、立位・歩行時に増強します。
強い痛みを感じることもあり、そのことによって歩行が困難になることもあります。
インヒビターバーは、靴の内底の足指とMP関節部に貼り付けるもので、緊張性足指屈曲反射による痛みを軽減することがわかっています。
緊張性足指屈曲反射を伴わない痛みの場合、まずは変形や装具による圧迫などを評価することが大切です。
緊張性足指屈曲反射があっても、疼痛が中枢性の場合、効果がでないこともあります。
インヒビターバーを利用することで痛みの軽減が図られ、さらに歩容の改善も期待できます。

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参考文献

近藤 和泉ら「Inhibitor barの実際」リハビリテーション医学 voL39 No .11 2002年11月

南里 悠介ら「痙縮に対する装具療法」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7