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自動車運転再開と認知機能

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脳卒中発症者は認知機能低下や高次脳機能障害を呈する場合があり、自動車運転再開に向けて壁となることがあります。自動車運転には認知機能の様々な下位機能関与します。今回、自動車運転再開と認知機能について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 自動車運転再開と認知機能

運転行動の時間的階層モデル

谷田らは、運転行動の時間的階層モデルを使用し、運転行動を説明しています。
運転行動を上位から順に戦略レベル(運転目的と行程の計画、到着の予測)、戦術レベル(時刻、場所などの行程のモニタリング)、行動レベル(車線・車間の維持、追い越しの実施など)、操作レベル(ハンドル、ブレーキなどの操作)、運動感覚・知覚レベル(速度の判断、前者との距離間などの情報の統合)に分けられ、運転者はそれぞれのレベルに必要な注意を配分することにより、適切な運転につながります。一方、注意の配分が不十分であればリスクが高まります。

有効視野と認知機能低下

有効視野は認知機能の側面が強いとされており、機能低下が自覚されづらいと言われています。

有効視野とは、ある視覚課題の遂行中に注視点の周りで情報が瞬間的に蓄えられ、読み出される部分であると定義されている。
有効視野には個人差があり、加齢によって縮小するが、処理すべき情報の複雑さなどの課題要件によってその大きさや反応時間は変化する。

 藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

有効視野の指標は事故の予測力が高いとされています。

聴覚、言語機能

聴覚、言語機能(失語)については、以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

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記憶、見当識

記憶機能では、軽度のエピソード記憶低下や見当識低下であれば運転自体は可能であることが多くあります。
前途した戦略レベルにおいては影響が大きく、目的地への到着(目的地を忘れるなど)、非常時の適切な対応が取れないなどの問題は生じる可能性があります。

遂行機能

遂行機能障害の中で、計画立案や目標に向かって効率よく、適切な行動をとること(ゴール指向的)が困難であれば、戦略レベルにおいて正しく効率的な道順で走行できない、状況に応じた臨機応変な対応が困難などが生じる可能性があります。
一方で、慣れた道のりのみの利用や、予想外の出来事の発生が低い交通環境(信号や交差点が少ないなど)では問題は生じにくいと思われます。

行動、情動

易怒性や自己抑制が行えない場合、また自己洞察(現状の認識など)が行えない場合であれば、事故につながる可能性が高くなると思われます。

自動車の運転は社会的行動であり、車を通したコミュニケーション活動でもある。警察や教習所で用いられている警察庁方式K型運転適性検査でも、事故惹起者は「衝動抑止性」が高い者が多いとされている。

 藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

このことからも、運転場面だけでなく、日常生活上で易怒性や自己抑制が行えていない場面はないかを把握する必要があります。
また、運転の話題において自己洞察に欠けることはないか、それは日常生活上ではどうかという視点も必要です。

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引用・参考文献

藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号