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痙縮・筋緊張亢進の機序と評価法、生活上の問題点とリハビリテーションの考え方

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痙縮・筋緊張亢進は伸張反射の増強により生じるとされ、痙縮・筋緊張亢進が強くあると異常肢位や疼痛、関節可動域制限、ADL低下などを引き起こすこともあります。今回、痙縮・筋緊張亢進の機序と評価法、生活上の問題点とリハビリテーションの考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 痙縮・筋緊張亢進の機序と評価法、生活上の問題点とリハビリテーションの考え方

痙縮・筋緊張亢進の機序

痙縮・筋緊張亢進は上位運動ニューロン障害のひとつです。
上位運動ニューロン障害は他にも、深部腱反射の亢進、クローヌス、バビンスキー兆候、スパズム、共同運動、連合反応、運動麻痺、筋力低下、疲労などがあります。
痙縮・筋緊張亢進の機序は上位運動ニューロン障害による伸張反射の亢進が原因となります。

 健常時には、伸張反射、固有感覚反射、皮膚反射、侵害受容器反射等の興奮性を上位中枢が制御しているが、上位運動ニューロンの障害により、この調節機構が破綻し、伸張反射が亢進する。
中馬 孝容「痙縮とリハビリテーション上の問題点」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7

痙縮・筋緊張亢進は網毛体脊髄路の過剰興奮により生じるとされています。

筋紡錘レベルにおいては、筋紡錘の錐内繊維の感受性を調整しているγ運動ニューロンの活動性の亢進、筋紡錘感受性の上昇、Ⅰa群繊維の変性や発芽現象等を認めている。

 中馬 孝容「痙縮とリハビリテーション上の問題点」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7

痙縮・筋緊張亢進の評価

痙縮・筋緊張亢進の評価として、MAS(modified Ashworth Scale)があります。
徒手にて関節の他動運動の抵抗を6段階にて評価します。

グレード

 

0

筋緊張の増加なし

1

罹患部位を伸展や屈曲した時、可動域の終わりに引っかかるような感じや、わずかの抵抗感を呈する軽度の筋緊張の増加

1+

可動域の1/2以下の範囲で引っかかるような感じの後にわずかの抵抗感を呈する軽度の筋緊張増加

2

緊張はより増加し可動域ほとんどを通して認められるが、罹患部位は容易に動かすことはできる

3

緊張の著しい増加で他動的に動かすことが困難

4

罹患部位は屈曲や伸展を行っても固く動きがない状態

臨床的には深部腱反射、クローヌス、病的反射、ROMなどがあります。
患者・家族の自覚的評価として、Goal Attainment Scalingがあります。

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痙縮と生活障害

痙縮・筋緊張亢進が増強することで、生活上の問題が生じることが多くあります。
上肢では肩関節内旋、肘関節屈曲位を呈することが多く、更衣動作の介助量が増えるなどが考えられます。
重度になると、呼吸時の胸郭運動にも影響を与える可能性が高くなります。
手指では屈曲位を長期間とることにより衛生面での影響が考えられます。
手指の拘縮については、「ミラクルグリップ」というものがあり、拘縮改善の可能性が示唆されています。

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股関節内転位では歩行時のはさみ足、下位更衣での影響が考えられます。
内反足では、第5中足骨足底部への荷重が高くなり鶏目ができ、歩行時の疼痛の訴えや歩容が乱れます。
痙縮・筋緊張亢進を利用して生活を行っている場合があり、例えば痙縮・筋緊張亢進を利用した立位、歩行、手関節屈筋群を利用した把持などです。その場合、痙縮・筋緊張亢進改善により逆に動作が行いにくくなってしまうこともあるため注意が必要です。
痙縮・筋緊張亢進は運動・動作面だけでなく精神状態への影響も考えられます。

痙縮とリハビリテーションの考え方

英国内科医師会の痙縮治療ガイドラインによると、痙縮・筋緊張亢進の増強要因があれば、まずその対策を行うことが必要とされています。具体的には、疼痛、不快感、便秘、尿路感染症、呼吸器感染症などです。また衣服が適切か、バルーンカテーテル留置や不良姿勢の確認、そのための装具の使用などを検討し、リハビリテーションによる軟部組織の拘縮予防や動作レベルでのコントロールを図ります。
痙縮・筋緊張亢進に対するリハビリテーション脳卒中ガイドライン2015)で推奨される治療(リハビリテーションに関すること)は以下のようになります。
・痙縮に対し、高頻度の経皮的電気刺激(TENS)を施行することが勧められる(グレードB)
・慢性期片麻痺患者の痙縮に対するストレッチ、関節可動域訓練が勧められる(グレードB)
・麻痺側上肢の痙縮に対し、痙縮筋を伸張位に保持する装具の装着または機能的電気刺激(FES)付装具を考慮してもよい(グレードC1)
・痙縮筋に対する冷却または温熱の使用を考慮してもよい(グレードC1)

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引用・参考文献

中馬 孝容「痙縮とリハビリテーション上の問題点」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7