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痙縮・筋緊張亢進に対するリハビリテーションの適応とその実践

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痙縮・筋緊張亢進の改善には他動的に筋組織や結合組織が伸張されることによりなされます。リハビリテーションでは他動運動だけでなく自動運動による訓練も行われ、痙縮・筋緊張亢進改善に向け様々な治療法が選択されます。今回、痙縮・筋緊張亢進に対するリハビリテーションの適応とその実践について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 痙縮・筋緊張亢進に対するリハビリテーションの適応とその実践

痙縮・筋緊張亢進に対するリハビリテーションの効果とそのメカニズム

痙縮・筋緊張亢進は筋の伸張速度に比例する速度依存的な収縮です。
痙性麻痺により筋紡錘の錘内繊維の伸張がおこると、γ運動神経の亢進により痙縮が出現しやすくなります。
このような反射性要素以外にも筋・腱などの非反射性の要素も大きく関わるとされ、筋紡錘内の感受性が亢進するとされています。
リハビリテーションで痙縮・筋緊張亢進筋のストレッチやROM訓練を行うと、筋組織や結合組織が伸張され、非反射性要素が引き起こされにくくなります。
そのメカニズムとしては、

 Ⅰb繊維やⅡ繊維への刺激によるγ運動神経の抑制、筋粘弾性の低下やⅠa繊維からの神経伝達物質の減少等が考えられている。

内山 侑紀ら「痙縮に対する運動療法」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7

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とあります。
痙性麻痺では、自動運動に参加する運動単位の減少により起こる麻痺、筋短縮、関節拘縮による麻痺側の不動、不使用による運動関連領域の可塑的な再組織化の要素を含みます。
慢性期では麻痺による不動が麻痺肢の大脳皮質領域が縮小を招き、学習性不使用につながります。これがさらに麻痺側の不使用を助長し、筋短縮や関節拘縮の原因となり、筋の過活動を招きます。
筋力増強などのリハビリテーションにより、痙縮・筋緊張亢進筋の随意運動の回復や、痙縮・筋緊張亢進の改善が期待できるとされています。
これらのことから、痙縮・筋緊張亢進の改善には筋・結合組織の伸張だけではなく、不動や学習性不使用の要素も考えていく必要があります。
その他のメカニズムとしては、主動筋と拮抗筋での相反神経支配の改善も考えられます。

能動的運動による筋力増強訓練は痙縮を増加させることなく、相反性抑制の改善により拮抗筋の痙縮を低下させることで、さらに目的筋の活動を改善することができると考えられる。

内山 侑紀ら「痙縮に対する運動療法」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7

痙縮・筋緊張亢進に対する治療法の適応

痙縮・筋緊張亢進治療では、中枢性麻痺の要素を考慮する必要があります。
痙縮・筋緊張亢進を利用して立位・歩行を行っている場合、痙縮・筋緊張亢進の低下は動作レベルを低下させることにつながり、まずはリハビリテーション運動療法)が中心となります。
麻痺が軽度で随意性が十分にある場合は、機能改善のために痙縮・筋緊張亢進の改善に加えてリハビリテーションを行うことが重要です。
このように、対象者の様々な状況に応じて、痙縮・筋緊張亢進治療の適応を考えていく必要があります。
痙縮・筋緊張亢進に対するリハビリテーションでは、「他動訓練」としてストレッチ(持続伸張)、ROM訓練があります。
「自動訓練」としては筋力増強訓練や筋電フィードバック訓練、トレッドミル歩行訓練などがあります。
痙縮・筋緊張亢進が重度の場合、装具や薬物療法、手術などの他の選択肢も考慮しながら、検討していきます。

リハビリテーションの実践

下肢痙縮・筋緊張亢進筋に対しては、チルトテーブルやストレッチングボードを用いた持続伸張を行います。
手指ではアクチュエータ付きグローブが痙縮・筋緊張亢進改善に有効との報告もあります。
装具の使用により、長時間の持続的伸張を得られますが、痛みや不快感には注意を払います。
ROM訓練では、上下肢の痙縮・筋緊張亢進に屈曲伸展運動を繰り返すことで痙縮の改善がみられます。
非麻痺側上肢での上肢eエルゴメーターを最大負荷の50%で10分間行うことにより麻痺側上肢の痙縮・筋緊張亢進軽減の即時効果が得られるとの報告があります。
筋力増強訓練は痙縮・筋緊張亢進を変化させない、または低下させることが多く、痙縮・筋緊張亢進筋の等運動性の筋力増強訓練では痙縮・筋緊張亢進は変化せず、痙縮・筋緊張亢進筋、拮抗筋の筋力増強と歩行速度の増加が得られるとの報告があります。
痙縮・筋緊張亢進筋を求心性収縮させながらの筋力訓練では拮抗筋を伸張しながら痙縮・筋緊張亢進の反射性要素が大きくなりますが、遠心性収縮を用いた訓練では拮抗筋の伸張反射を抑制しながら随意性をたかめることができると考えられています。
等尺性運動では拮抗筋の収縮(同時収縮)が伴いやすいとの報告があります。
バイオフィードバック訓練の効果も示されています。

筋電バイオフィードバック訓練では、筋電図を用いて痙縮筋の筋活動を抑制するように自己学習させる。さらに、拮抗筋の筋収縮が可能であれば、痙縮筋の筋電には警戒音を、拮抗筋の筋電には快適音を用いてフィードバックすると筋活動の識別が容易となる。

内山 侑紀ら「痙縮に対する運動療法」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7

トレッドミル歩行訓練では、膝関節屈筋の筋力を高め、抵抗トルクを低下させます。免荷での歩行は、麻痺側下腿三頭筋の伸張反射軽減、歩行の対称性の獲得により歩行速度の増加が得られます。
他にもロボットを用いた訓練もあります。

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引用・参考文献

内山 侑紀ら「痙縮に対する運動療法」Journal of CLINICAL RRHABILITATION Vol.26 No.7