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自動車運転再開に必要と考えられる身体機能

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脳卒中などを発症後、自動車運転を再開するにあたり、自動車を運転するために必要な身体機能を検討することは重要です。今回、自動車運転再開に必要と考えられる身体機能について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 自動車運転再開に必要と考えられる身体機能

引用・参考文献

武原 格「運転に求められる身体機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

一種免許取得に必要な身体機能

運転免許の更新・取得には、視力、色彩識別能力、聴力、運動能力が求められます。
視力は両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上となっており、一眼の視力が0.3未満または一眼が見えない場合、他眼の視野150°以上で視力0.7以上であることが必要です。
色彩識別能力では赤、青、黄色の識別が必要です。
聴力では両耳の聴力(補聴器使用含む)が10mの距離で90dBの警音器の音が聞こえる必要があります。
補聴器使用しても基準未満の者、補聴器使用により基準に達した人が補聴器なしで運転したい場合、臨時適性検査で適正確認後、安全教育を受けた上で、普通車運転の場合ワイドミラー装着と聴覚障害者マークが必要になります。
運動能力については、運転に支障を及ぼすおそれのある四肢体幹の障害がないことが必要です。

 

体幹機能の障害などがあって腰をかけていることができない場合、四肢の全部を失った場合または四肢の用を全廃した場合、その他自動車の安全な運転に必要な認知または捜査のいずれかの能力を欠くことによる身体の障害があるものは6ヶ月以内の免許効力の停止または免許の取り消しとなる。

武原 格「運転に求められる身体機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

また、状態に応じた補助手段を使用すれば運転に支障をおよぼすおそれがないと認められることが必要です。

自動車運転再開と運動機能・ADL

運動機能については、脳卒中後短下肢装具着用しても独歩可能なことが必要との報告や、上肢が補助手・廃用手でも歩行が屋外歩行自立していたとの報告があります。運動麻痺や感覚障害が重度でも独歩可能で認知症がなく、著明な高次脳機能障害がなければ運転再開の可能性が高いとの報告があります。
このことから、上肢運動麻痺はBrs-stageⅠ〜Ⅱでも問題なくといえますが、運転再開には旋回装置の装着が必要です。
下肢はBrs-stageⅢ以上必要です。
武原らの報告では、運転再開可能と判断した者のなかで、1年以上経過して実際に運転再開しているかの調査では、運転を再開している者では麻痺の障害が軽度であり、機能障害が重度であることが運転再開を躊躇させる要因の一つの可能性だとしています。
右麻痺の者では左足でアクセル、ブレーキ操作できるよう改造し、ウインカーも左手で操作できるようにするなどの改造が必要となります。
ADLに関しては、武原らはFIMにて歩行、認知項目5項目すべてが6以上あれば運転再開を考慮できるとしています。

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自動車運転再開と失語症

失語症者でも、道路標識や交通規則の理解は当然必要で、交通事故などのアクシデントが発生した際に、状況説明できる能力が必要です。代償手段として、健常者が同乗したり、ドライブレコーダーの使用が検討されます。
武原らは、MMSEが25点以上あれば運転再開を考慮できるとしています。

自動車運転再開と視野障害

一眼が見えない場合のみ法律上問題となる。しかし、脳損傷患者では、視放線にかかる病巣や、後頭葉の病巣などで視野欠損が出現するが、一眼がまったく見えなくなったわけではないため、法律的基準からは外れる。

武原 格「運転に求められる身体機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

このようにありますが、視野障害の存在は交通事故との関連性は高く、事故率が高くなるとの報告があります。
有効視野が交通事故率と最も関係性が高いですが、どの程度の有効視野で事故率がどの程度という報告はありません。
両眼複視の場合、片目であれば複視を生じないことになりますが、これは法律と照らし合わせると一眼が見えないことに相当すると思われ、前途したように他眼の視野が左右150°以上、視力0.7以上で運転再開の可能性があります。しかしながら、安全性を考慮すると再開が正しいかどうかは言い切れません。

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