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膝外側の痛みの部位同定法:腸脛靭帯

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膝外側の痛みの原因として、膝外側に加わる圧縮ストレスが挙げられます。圧縮ストレスにより痛みが生じている場合、腸脛靭帯が痛みを引き起こしている部位である可能性が高くなります。今回、膝外側の痛み部位の同定法として、腸脛靭帯について文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

 膝外側の痛みの部位同定法:腸脛靭帯

膝外側の痛みと圧縮ストレス

膝外側には伸長ストレス、摩擦ストレス、圧縮ストレスが加わります。
膝外側に圧縮ストレスが生じる場合、膝関節内反を強制されることによって起こります。
圧縮ストレスによって痛みが生じる場合、腸脛靭帯に問題があると考えられます。

腸脛靭帯と痛みが発生するメカニズム

腸脛靭帯は近位では上前腸骨棘、腸骨陵、大臀筋前上部、大腿筋膜腸筋、遠位では脛骨上端の前外側面、下腿筋膜に付着しています。
機能として、股関節内転、膝関節内反、下腿内旋制動があります。
腸脛靭帯は膝関節屈曲・伸展運動に伴い、外側に押し上げられ、そこで大腿骨外側上付近で、腸脛靭帯やその深くに位置する滑液包に炎症が起こることが考えられます。

近年、腸脛靭帯と大腿骨外側上の間には滑液包は存在せず、代わりに脂肪組織があり、そこには神経終末や血管が多く存在すると報告されている。同部は膝関節屈曲位で大腿四頭筋を収縮させる際に、最もスペースが狭くなる。それにより脂肪体に圧縮ストレスが加わり、脂肪体炎が出現すると報告されている。そのため、同部の疼痛は摩擦ストレスによる滑液包炎ではなく、脂肪体への圧縮ストレスによる脂肪体炎が主症状である可能性が考えられる。

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 P254

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腸脛靭帯の触診方法

腸脛靭帯は、股関節内転により緊張が高まります。側臥位で大腿外側の上方を触知していると、股関節内転に伴い腸脛靭帯の緊張が高まり触知できます。

腸脛靭帯の整形外科テスト:Ober test

①側臥位にて膝関節90°屈曲位とし(下側)、体幹延長線まで股関節伸展・外転位に保持します(上側)。
②上側の下肢の腸骨陵と大腿遠位部を把持し、把持していた手を放します。
解釈:内転制限(+)で陽性
*大腿筋膜腸筋、腸脛靭帯が伸張位となる股関節肢位から下肢を落下させることで、伸張性の低下を評価しています。
*腸脛靭帯の近位部には大腿筋膜張筋、大殿筋、中臀筋も合流しており、テストが陽性になれば、これらの筋肉の伸張性の低下が疑われます。

腸脛靭帯が過緊張となる要因

前途したように、中臀筋、大腿筋膜張筋、大臀筋などの筋の短縮により、腸脛靭帯は過緊張となります。過緊張では大腿骨外側上付近の脂肪体への圧縮ストレスを増大させます。
また腸脛靭帯の過緊張は下腿外旋を招くこともあります。
腸脛靭帯は膝関節内反制動機能がありますが、膝関節の内反不安定性があると、腸脛靭帯の緊張は亢進し、膝関節外側での圧縮ストレスが大きくなります。
外側広筋は大腿筋膜に覆われており、外側広筋の短縮があると、大腿筋膜と腸脛靭帯の緊張が高まります。
腸脛靭帯と大腿骨外側上の間にある脂肪組織は、外側広筋の短縮によりスペースが狭くなり、脂肪体への圧縮ストレスが増大します。

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引用・参考文献