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SDSAの概要と評価方法、結果の解釈

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脳卒中者の自動車運転評価のひとつに、「脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(Stroke Drivers Screening Assessment : SDSA)」があります。今回、SDSAの概要と評価方法、結果の解釈について、まとめていきたいと思います。

 目次

SDSAの概要と評価方法、結果の解釈 

参考

脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(Stroke Drivers Screening Assessment : SDSA)マニュアル

SDSA検査動画 - YouTube

SDSA 脳卒中ドライバーのスクリーニング評価 日本版│新興医学出版社

SDSAの概要

脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(Stroke Drivers Screening Assessment : SDSA)」は、自動車運転評価方法のひとつです。
SDSAは1994年、イギリスのNoun&Lincoln博士によって開発された脳卒中患者の運転技能評価に特化した検査バッテ リーです。
4つのサブテストから注意や非言語性推論など運転に関する認知機能の総合的な評価を行えます。
原著版では実車評価の予測精度は81%との報告があります。
SDSAは安全運転に影響を及ぼす可能性のある認知機能の問題を明らかにするスクリーニングツールとなります。
半盲・ 視空間無視、視力低下、てんかん、その他の病態で運転に不適な患者には、SDSAによる評価を実施するのは適切ではないとされています。
病前に運転をし、路上での実車運転評価を実施した脳卒中患者のみ妥当性が検証されています。
自動車以外の乗り物を運転する能力、運転学習能力の予測に適応かどうかは明らかではありません。

 

SDSAの評価方法

運転再開を希望する脳卒中患者が路上での評価が可能と思われるまでに回復した時点で実施されます(通常脳卒中後1カ月から6カ月間)。
できるだけ1回で検査を終えるようにし、2回以上に分けた場合でも、それが疲労や集中力低下以外の理由だとすれば、 結果の妥当性は保たれていると考えます。
検査中休憩を挟むことは疲労や集中力低下の問題が反映されないので適切ではありません。
検査開始前の説明としては「脳卒中後では集中力、推論、自分の見ているものに対しての解釈に問題が生じることがあり、これらの問題が車の運転に影響を及ぼすことがあります。これから行う課題には簡単なものもあれば難しいものもあります。私達はあなたが脳卒中によって何か問題が生じ、車を運転する能力に影響が生じていないかをみていきます。」

①ドット抹消
 用紙上の点の集まり(3つ、4つ、5つ)のうち、4つの点からなるものを消す課題
 *注意(持続性、選択性、方向性をみている)

②方向スクエアマトリックス
 大きい矢印はトラック、小さい矢印は乗用車に対応し、矢印の向きは車の進行方向を示している。
 カードを適切な位置に置いて、乗用車、トラックの進行方向を合わせる課題。
 *注意、非言語的推論、空間能力をみている。

③コンパススクエアマトリッックス
 コンパスの針(車の進行方向)とカードの車の進行方向が一致するように合わせる課題。
 *注意、非言語的推論、空間能力をみている。

④道路標識
 道路状況に応じた道路標識を選択する課題。
 *注意、非言語的推論、空間能力をみている。

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結果の解釈

疲労や集中力低下の影響で患者が2回以上のセッションを必要とする場合. 運転もおそらくこれらの要因に影響を受けると考えられます。
各項目の採点を行い、「合格」の予測式と「不合格」の予測式に分けて算出します。

◯合格の予測式
(ドット抹消所要時間x 0.012) +(ドット抹消お手つき数x 0.216) +(コンパススクエアマトリックス 得点x 0.409)+(道路標識得点x 1.168)一13.79 =
◯不合格の予測式
(ドット抹消所要時間×0.017) +(ドット抹消お手つき数x 0.035) +(コンパススクエアマトリックス得点x 0.185)+(道路標識得点x 0.813)一10.042 =

合格の予測式の値が不合格の予測式の値より高い場合、対象者の認知能力においては運転可能だということを示しています。
あくまで認知能力の検査であるため、運転再開に向けては医師または交通センターによる身体・医学的側面のチェックを必要とします。
不合格予測式の値の方が高い場合、対象者には運転しないように勧めるべき(推奨の的中率は約80%)ですが、机上検査のみで納得してくださるとは限らない所が難しい側面になります。実車評価も行うことができ、総合的な評価が可能であれば対象者も納得することができると思われます。
クライアントの各検査得点が、不合格群の平均から1標準偏差以内であれば、その得点はその検査において障害があることを示唆しています(例:ドット抹消での誤り数が80以上(46.3 + 33.6 = 79.9 誤り数)。
運転可否の結論は個々の検査により行うべきではありません。
なお、ドット抹消の誤り数と方向スクエアマトリックスの得点は予測式に含まれていません(SDSAの他の検査による予測式の精度をあげるわけではないため)。
各検査の得点を比較することでなぜ評価で不合格となったかを解釈する助けになります。

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出典:脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(Stroke Drivers Screening Assessment : SDSA)マニュアル

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出典:脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(Stroke Drivers Screening Assessment : SDSA)マニュアル

再検査について

脳卒中患者がSDSAで不合格となり,患者の認知能力が変化していくと考えられた場合, SDSAで再度評価されることがある。SDSAの検査再検査の妥当性は6週間の間隔で検討され,良好な結果であった。しかし,ある程度の練習効果が認められた。したがって,検査後6週間以内の再検査は推奨されない。 実臨床では,通常の再検査までの期間は約3-4カ月となっている。練習効果に起因する可能性がある 改善について表3に示す。もしクライアントが表3に記載された士1標準偏差以上の数値の向上を示した場合,改善が生じた可能性がある。もしクライアントが表3に記載された土2標準偏差以上の数値の向上を示した場合,著明な改善が生じたと考えられる。例として,ドット抹消で214秒以上時間が短縮した場合,改善が生じたと考えられ,358秒以上短縮した場合,著明な改善が生じたと考えられる。また,合格予測式の数値が不合格予測式より高い場合,クライアントは運転適性があるとされる範囲の認知能力を有している可能性がある。

脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(Stroke Drivers Screening Assessment : SDSA)マニュアル

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