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せん妄の重症度評価:MDASの概要と実施方法、結果の解釈

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せん妄は急性期でよく見られる症候のひとつですが、急性期だけでなく施設や在宅でもみられます。せん妄は転倒のリスク因子ともなるため、早期発見、早期治療が望まれます。今回せん妄の重症度評価として、MDAS(Memorial Delirium Assessment Scale)の概要と実施方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

せん妄の重症度評価:MDASの概要と実施方法、結果の解釈

せん妄について

せん妄は急性期だけでなく回復期、維持期と様々な病期でみられ、また在宅や施設でもみられます。
せん妄があると転倒のリスクが高まったり、点滴の抜管があったりと、安全面での問題が生じやすくなるため、早期発見、早期治療を行っていくことが求められます。
せん妄の症状と観察の視点について、

せん妄は,意識の清明度が変化し,不安や幻視などの精神症状を伴う状態である。意識の微妙な変化を捉えるには,継続的な観察が必要で,勤務帯毎の違いが重要な情報になる。また,ぼんやりしていたり,眠そうにしていたりするといった変化以外に,普段と違ってイライラした様子がみられるなどの感情の変化や,急に排泄を失敗するよ うになるなど日常生活機能の低下としても観察される。せん妄は入所時など環境が変化した時に生じやすいことから,入所時に普段の様子について十分情報収集しておく必要がある。錯視や幻視などの知覚の異常は感覚刺激が少なくなり,意識レベルも低下する夜間に多くみられる。知覚の異常に伴って妄想がみられることもあるが,断片的で被害的な色彩を伴うものが多い。

高齢者ケアにおけるアセスメント:精神的側面

とあります。
せん妄の治療には薬物療法が行われますが、その効果判定は夜間の行動を元に判断するため、夜間帯の様子を詳細にチェックしておくことが必要です。
薬剤の投与時間と、その後の行動の変化を把握していきます。

MDASの概要

MDASは10項目(意識障害見当識障害、短期記憶障害、順唱と逆唱の障害、注意の集中および転換の障害、思考障害、知覚障害、妄想、精神運動抑制・精神運動興奮、睡眠覚醒リズムの障害)からなり、せん妄の重症度評価を目的として開発されました。
各項目を0:なし,1:軽度,2:中等度,3:重度で評価していきます。
日本語版も作成されており、信頼性と妥当性があり、せん妄と非せん妄を判別する上で有用だとされています。
またMDASは経時的変化を捉えることにも利用できます。

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評価方法

対象者への面接または観察により、10項目について評価していきます。
各項目には設問内容、評価尺度の詳細が書かれてあるため、それをもとに採点していきます。

結果の解釈

各項目の得点を合計し、30点満点中10 点がカットオフ値となっており、せん妄と非せん妄を分けることが可能です。

引用・参考文献

Yutaka Matsuoka, Yuko Miyake, Hiroshi Arakaki, Kuniaki Tanaka, Toshinari Saeki, Shigeto Yamawaki: Clinical utility and validation of the Japanese version of Memorial Delirium Assessment Scale in a psychogeriatric inpatient setting. Gen Hosp Psychiatry 23:36-40, 2001

加藤 佑佳ら「高齢者ケアにおけるアセスメント:精神的側面」高齢者のケアと行動科学特別号 2011 第16 巻 PP. 16–30