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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

BEHAVE-ADの概要と評価方法、結果の解釈

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認知症者のBPSDの評価方法のひとつに、BEHAVE-ADがあります。今回、BEHAVE-ADの概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

BEHAVE-ADの概要と評価方法、結果の解釈

参考文献

加藤 佑佳ら「高齢者ケアにおけるアセスメント:精神的側面」高齢者のケアと行動科学 特別号 2011 第16 巻 PP. 16–30

BEHAVE-ADの概要

 

BEHAVE-ADは認知症者のBPSDの評価尺度のひとつです。
評価項目は25項目あり、妄想と幻覚に関する項目が充実しています。
BPSDには様々な症状が存在し、BEHAVE-ADの様な項目数が多い評価法を用いることで、BPSDを見逃さずに評価することが可能です。
またBEHAVE-ADで評価を実施することによって、家族に対して現在認められない症状だとしても、今後出現する可能性があることを家族は知り、心理教育的アプローチの一助となる可能性もあります。
家族は、質問されることにより始めて精神症状と知ることがあり、それまでのことを性格と捉え、症状と捉えていないこともあるようです。
また,作業療法アプローチの効果判定においても、点数化して重症度を評価できるため利用できます(作業療法の成果を示すために重要です)。

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BEHAVE-ADの評価方法

家族、または介護者に質問をしていくことで評価します。
質問では最近2週間におけるBPSDについて尋ねていきます。
評価項目

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A:妄想観念

1.誰かが物を盗んでいるという妄想
 「誰かが自分の物をぬすんでいると信じておられるようなところがありますか?」

0=なし 1=だれかが物を隠しているという妄想 2=誰かが家に侵入して、物を隠したり盗んでいるという妄想
3=家に侵入した誰かと話したり、その声に聴き耳を立てる。

 

2..ここは自分の家ではないという妄想。
「自分の家にいるのに、ここは自分の家でないと信じておられることはありますか?」
0=なし1=そう確信している。「家に帰ると。」いって荷物をまとめる。「家に連れて帰って。」と訴える。
2=「家に帰る。」と言って出て行こうとする。3 =外出を止められると暴力をふるう。

 

3.配偶者は(介護者)はにせものという妄想
0=なし1=にせものだと確信している。 2 =にせものだと言って怒る。 3 =にせものだと言って暴力をふるう

 

4.見捨てられ妄想
 「家族から自分が見捨てられると信じておられるところがありますか?」

0=なし 1=介護者が電話などしていると、自分を見捨てたり、施設ん入れようとしていると疑う。2=介護者が自分を見捨てたり施設に入れようとしていると言ってなじる。3 =介護者がいますぐにでも自分を見捨てたり、施設に入れようとしていると言って攻撃する。

 

5.不義妄想
 「配偶者をはじめとする家族が、自分を裏切っている信じておられるところがありますか?」

0=なし。1 =配偶者や子どもなど介護者が不実を働いていると確信している。2=配偶者や子どもなど介護者が不実を働いていると怒る。3=配偶者や子どもなど介護者が不実を働いていると暴力をふるう。

 

6. 猜疑心・妄想
 「何かに対して、どうしても疑いや不信感を抱いていると感じられるようなところがありますか?」

0=なし1=猜疑的(自分で物を隠しておいて、どこに置いたかわから ないときなど)2 =妄想的(訂正困難な猜疑心や、猜疑心に基づいて怒りがみられる状態)3=猜疑心に基づいて暴力をふるう。

 

7.妄想(上記以外)
 「以上のほかに、ありもしない物やことがあると信じておられる様子が見られますか?」

0=なし。1 =ありそう2=発言や感情状態から、妄想の存在が明らか 3 =妄想に基づく行動や暴力が認められる

B幻覚

8. 幻視
 「実際にはないものがみえるようにおしゃったり、そのような素振りをされることがありますか」

 

0=なし。 1 =対象は不明瞭(あいまい)だが、ありそう。 2 =見える対象は明らかである。 3 =見える対象に向かって、言動や感情の表出がみられる。

9.幻聴
 「実際には聞こえていないのに聞こえるとおっしゃったり、そのような素振りをされることがありますか?」

0=なし。1=対象は不明瞭(あいまい)だが、ありそう。2 =聞こえてくる音や声が明らかである。3 =聞こえる音や声に向かって、言動や感情の表質がみられる

 

10幻嗅
 「火のにおいがする。何かが燃えるにおいがするとおしゃったことはありますか?」

0=なし。1=対象は不明瞭(あいまい)だが、ありそう。2=何のにおいかはっきりしている。3=におってくるものに向かって、言動や感情の表出がみられる。

 

 11幻触
 「体の上をなにかがはいいているとおっしゃったり、それをもぎとるような動作をされることがありますか?」

0=なし。 1=対象は不明瞭(あいまい)だが、ありそう。2 =何が触っているかはっきりしている。 3 =聞こえる音や声に向かって、言動や感情の表質がみられる。

 

12その他の幻覚

0=なし。 1=対象は不明瞭(あいまい)だが、ありそう。2 =対象がはっきりしている。3 =対象に向かって、言動や感情の表出がみられる。

C行動障害

13徘徊
 「用もないのに、やたらと歩き回られますか?」

0=なし。1=その傾向はあるが、やめさせるほどではない。2 =やめさせる必要がある。3 =やめさせようとすると、それに逆らう言動や感情の表出がみられる。

 

 14無目的な行動

「本人には意味があるかあるかもしれないが、はためには無意味でしかない動作や行為がみられますか?」
 (例:財布の開閉、衣類を整理したり取り出したり、服を着たり脱いだり、タンスの開閉、質問や要求の繰り返しなど)

0=なし。1=無目的な行動を繰り返す。2=行ったり来たりするような無目的な行動があり、やめさせる必要がある。
3=無目的な行動の結果、擦過傷などのけがをする。

 

15不適切な行動
0=なし。 1=あり。 2 =あり(やめさせる必要がある)。3 =あり(やめさせる必要があるが、そうすることで怒りや暴力が認められる)。

 D攻撃性

16暴言
 「口汚い言葉を使ったり、他人をののしられるようなことはありますか?」

0=なし。1=あり(いつもは使わないような口汚い言葉づかい、ののしり)。2 =あり(怒りを伴う)。3 =あり(怒りが明らかに他人に向けられる)。

17威嚇や暴力
 「人を脅したり、暴力をふるわれることはありますか?」

0=なし。1=威嚇する身振りがある。2=暴力がある。3=激しく暴力をふるう。

 

18不穏
 「怒ったような表情や態度、あるいは抵抗などがみられますか?」

0=なし。1=あり。2=あり(感情的になっている)。3=あり(感情と動作の両面に現れている)。

 E日内リズム障害

19睡眠・覚醒の障害
 「夜間は熟睡されておられるようですか?」

0=なし。1=夜間何度も覚醒する。2 =夜間睡眠が本来の50-75%に短縮。 3=夜間睡眠が本来の50%未満に短縮(日内リズムの完全な障害)。

F感情障害

 20悲哀
 「悲しそうな様子が見受けられますか?」

0=なし。1=あり。2=あり(明らかな感情的表出がみられる。3=あり(感情、身振りの両面に現れている。手を握りしめる動作など)。

 

21抑うつ
 「憂うつそうで、生きていても仕方ないとおっしゃることはありますか?」

0=なし。 1=あり(病的な深みはないが、ときに「死にたい」などという)。2=対象がはっきりしている。
3=対象に向かって、言動や感情の表出がみられる。

G不安および恐怖

22間近な約束や予定に関する不安
 「間近になった約束や予定について、何度もたずねられますか?」

0=なし。1=あり。2 =あり(介護者を困らせる)。3 =あり(介護者は耐えがたい)。

 

  23その他の不安
 「その他に、不安を抱いておられる様子がありますか?」

 0=なし。 1=あり。2 =あり(介護者を困らせる)。3 =あり(介護者は耐え難い)。

 

 24独りぼっちにされる恐怖

 0=なし。 1=あり(その恐怖を訴える)。2=あり(介護の対応が必要)。3=あり(介護者は常に付き添う必要がある)。

 

  25その他の恐怖
 「その他に、何か特定のものを以上に怖がられますか?」

 0=なし。1=あり(その恐怖を訴える)。2=あり(介護の対応が必要)。3=あり(恐怖のあまり生じる行為をやめさせる必要がある)。

全体評価=以上の症状は下記のどれに該当しますか?

0=介護者に全く負担はなく、患者自身にも危険性はない。1=介護者への負担と患者自身への危険性は、軽度である。
2 =介護者への負担と患者自身への危険性は、中等度である。3 =看護者への負担は耐え難く、患者自身も非常に危険性が高い。

 参考:

Behabioral Pathology in Alzheimer's Disease Rating Scale (Behave-AD)

 結果の解釈

各項目を4段階で評価します、その項目の症状に対する重症度を算出します。
作業療法などのリハビリテーションアプローチにより、各項目の得点がどのように変化したかを成果として表す際にも有効です。

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