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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

認知症者者の手工芸導入でのポイントと家族支援

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認知症者においては、作業活動として手工芸を導入することもあるかと思います。手工芸などの創作活動導入にはポイントがあり、また、完成した作品を通して家族は対象者の能力を新たに知るなど良い効果も得られることがあります。今回、認知症者者の手工芸導入でのポイントと家族支援について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

認知症者者の手工芸導入でのポイントと家族支援

手工芸(創作活動)導入のポイント

認知症者への手工芸導入のポイントを以下に挙げていきます。
リスク管理できる材料の選定
 認知症者では、ある程度の作業遂行は可能であっても、リスク管理までは自己にて行えないことが多くあります。そのため、手工芸では針先の丸いものにする、針の管理をしっかりと行うなどの配慮が必要です。

②やり直しができる
 認知症者に限らず、自信が喪失しているものや、自己肯定感が低下している者では、失敗はさらにそれらを低下させてしまうことが考えられます。そのため、やり直しがきく作業を選択することも重要な視点です。

③使えるもの
 完成した作品は、使えるものにしておくと、対象者自身だけでなく、他者が目にする機会が増えます。自身で作ったことを完全に覚えていなくても、他者が見て「上手くできているね」などと賞賛されると、嬉しいことで、快の刺激を受けることになります。
塗り絵はカレンダーにすると1ヶ月使用できますし、小物入れを作ったのであればそれを薬箱にして常に使えるようにするなど考えます。

④できる限り見栄えのよいものにする
 デイサービスなどで塗り絵に取り組んで、絵にあった色を使用せず、かなりはみ出したような作品になったとして、それを毎回家に持ち帰ったとします。家族はそれをみて「こんな簡単なこともできないのか」とショックの感情になることも考えられます。そのため、見栄えができる限り良い作品を導入することも大切な視点です。

⑤家族が作品を見ることを忘れない
 前途しましたが、見栄えが良い作品を作ると、それを見た家族とのコミュニケーションが活性化することがあります。また、「まだこんなこともできるんだ」と思い、「もう少し介護をしてみようかな」と肯定的な感情が生じることもあります。
セラピストは対象者の評価をし、「この人はこんなこともできる」と把握していますが、それを家族などの他者にいかに知ってもらうかについて、方法を考えていくことが重要です。

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オススメ手工芸

前途した、手工芸導入のポイント①〜⑤を満たす作業活動として、ネット手芸での「ティッシュケース作り」があります。
ネットにメタリックヤーンと呼ばれる紐を専用針を使って通していきます。基本的には単純な繰り返し作業なので、混乱は生じにくいと考えます。途中で間違えても、紐を抜いてしまえば再度行うことが可能です。
見栄えもよく、キラキラしていて、インテリアとしてもただティッシュケースの箱を置いておくよりもオシャレに映ります。

家族支援の重要性

認知症者のBPSD(神経精神症状)への介入として効果的なもののひとつに、介護者(+スタッフ)への心理教育的介入が重要であり、その効果は何ヶ月も持続したとの報告があり、エビデンスレベルも高くなっています。
このことから家族に対して、対象者のできることを提示することはリハビリテーションスタッフの重要な役割となります。
上記①〜⑤の視点を用いて様々な作業活動を導入し、対象者の能力を見極め、最大限に引き出すことが重要です。

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参考文献

平成29年度 第1回 認知症アップデート研修(和歌山) 講義資料