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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脳卒中片麻痺者の包丁操作に必要な機能

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脳卒中片麻痺者では、麻痺側で包丁操作を行う場合、難易度はかなり高いといえます。包丁操作に必要な機能は何かを考えた場合、麻痺側上肢の分離運動、筋力など、様々な要素が挙げられます。今回、脳卒中片麻痺者の包丁操作に必要な機能について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

脳卒中片麻痺者の包丁操作に必要な機能

引用・参考文献

高見 美貴ら「片麻痺患者の包丁操作能力ーMFS、握力、上肢能力テスト(上田式)、箸操作実用性での検討」

文献による検討

高見らは、脳卒中片麻痺者の麻痺側手による包丁操作の実用群と非実用群をMFT(Manual Function Test)、握力、上肢能力テスト(上田式)、箸操作能力で比較検討しています。
その結果、包丁操作が実用的になるには、MFS(MFTのスコア)81%、握力約10kg、上肢能力テストが実用手AまたはB、また食事動作での箸操作自立が必要条件としています。
患者のデータ(分析症例の条件)は、①右片麻痺者、右利き②包丁操作の評価が可能③握力測定可能④検査に支障をきたすような認知障害がない⑤感覚障害はない、もしくは軽度⑥最終的に包丁操作が可能の6項目で、女性、ADLは自立レベルとなっています。

 

上肢能力テストの概要と包丁操作の関係

文献によると、上肢能力テスト(上田式)のサブテストは①封筒を切るときの封筒の固定②財布からコインを出すときの財布の空間での保持③傘をさす④爪をきる⑤袖口のボタンを留めるとなっており、各項目の可能、不可能で点数化し、
廃用手:可能項目なし
補助手C:可能項目1つ
補助手B:可能項目2つ
補助手C:可能項目3つ
実用手B:可能項目4つ
実用手A:可能項目5つ
としています。
報告によると、包丁操作可能群は上肢能力テストでほとんどが実用手Aであったとあります。
ここからは私見ですが、各項目の共通要素を考えると、肩関節屈曲、肘屈曲位にて上肢を空間保持し、手関節の固定により対象物をしっかりと把持するような機能が必要と考えています。

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包丁操作と箸操作の関係

報告によると、

箸操作能力では、包丁実用群の箸実用が20例、箸非実用はいなかった。包丁非実用群では箸実用が2例、箸非実用が4例で包丁操作と箸操作の可否はほぼ一致しており、包丁操作と箸操作の難易度は同程度であることが推測された。

とあります。
箸操作に必要な要素は手内在筋の機能と、手関節背屈位での手指の操作が必要で、具体的な指標としては、傾斜をつけたペグボードで、1〜3指を用いてペグを回転させてからボードに挿すような操作が十分にできると包丁操作の獲得が期待できるとしています。

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