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脳卒中片麻痺者の筋力低下のエビデンス

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脳卒中後の筋力低下は2つの原因で起こると言われ、一つには損傷自体によるもので、2つには廃用によるものです。今回、脳卒中後の筋力低下のエビデンスについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

脳卒中後の筋力低下のエビデンス

参考文献

従来の筋力低下の考え方

 

脳卒中片麻痺者の主動筋の筋力低下は、従来であれば拮抗筋の痙性(反射亢進)によるものだという考え方がありました。
しかし、現在では下行性運動指令の低下による直接的な結果と、廃用と筋の適応的変化が組み合わさったものだとされています。

上位運動ニューロンの障害による筋力低下

1つ目の原因は上位運動ニューロンの損傷自体によるもので、最終的な運動ニューロンに収束する下行性入力が減少し、活動に参加可能な運動単位数が減少することによるものです。

 通常、筋出力はリクルートされた運動単位の数とタイプ、および発火した運動単位と筋自体の大きさと両者の特徴に依存する。筋力は活動運動単位の数と運動単位の発火率と頻度によって増加する。また、筋の構造的特徴(たとえば、断面積)も出力される潜在性の筋力に関係する。したがって、筋力は神経筋による現象であり、筋への運動指令を行っている神経の損傷により、筋力低下および麻痺がおこる。

脳卒中運動療法 エビデンスに基づく機能回復トレーニング P172

筋が目的動作を達成するために必要な力を出力するには、必要な数の筋繊維が同時に収縮し、その行動に関わる様々な筋群の力を調整する必要があります。
脳卒中では下降路が断ち切られ、活動する運動単位数の減少、運動単位の発火率の減少、運動単位の同期化の障害が生じます。これらのことが、運動出力の混乱を生じさせ、ある程度の力を発揮できたとしても、運動制御障害の原因となります。

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脳卒中後の筋力低下にパターンはあるのか

脳卒中後の筋力低下には特定の典型的パターンはなく、従来より言われてきた近位より遠位、伸展よりも屈曲に筋力低下がある、上下肢で弱化の重症度が異なるというエビデンスはありません。
体幹筋に関しては、両側性の支配であり、いくつかの研究では体幹筋の筋力低下はわずかだとの報告もあります。

上位運動ニューロン障害と筋収縮の持続、筋活動の開始と終了

上位運動ニューロン損傷では、力の発生や力の出力維持の低下がみられ、筋力低下には力の発生スピードの低下も含まれています。また筋活動の開始や終了の障害もあるとされています。
運動開始時の運動や筋緊張の増加が緩慢だと、ゆっくりとした運動よりも速い運動においてパフォーマンスに影響を与えると言われています。
臨床上、関節の位置や課題にしたがって筋力低下の程度が異なることが指摘されており、これは筋がある長さのときには力を発揮することが可能だが、別の長さにあるときには力を発揮しにくいと考えることができます。

正常筋では、筋力は収縮時の筋の長さによって影響されることが示されている。筋の長さはアクチンとミオシンの重なりに影響を与え、モーメントアームの長さに影響を与える。

筋力とトルクの関係は、通常、中間の長さのときに最大トルクを発生し、最も短い長さで最小となる。

脳卒中運動療法 エビデンスに基づく機能回復トレーニング P175

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