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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脳卒中片麻痺者のリーチ動作における運動学習の考え方

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脳卒中片麻痺者のリーチ動作の運動学習を考える際には、適切な目標設定と、それを達成するための学習課題の設定が必要になります。今回、脳卒中片麻痺者のリーチ動作における運動学習の考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

脳卒中片麻痺者のリーチ動作における運動学習

参考文献

運動学習の目標設定

脳卒中片麻痺者の運動学習の目標を設定する上で、重要な視点が2つあります。
①運動モーメントを出力する支点の力量とタイミングの再構築
②目標とする運動スキルの習得によって二次的障害の発生を予防をできること

 

「運動モーメントを出力する支点の力量とタイミングの再構築」では、脳卒中片麻痺者の異常運動について、

運動に関与している外力(重力など)を内力(筋出力)によって処理しきれずに、そのひずみを代償することで生じる。

運動学習理論に基づくリハビリテーションの実践 P54

とあります。
リーチ動作においては、三角筋前部線維の筋出力低下により、抗重力活動が行えず、その代償として肩甲帯挙上や体幹前傾による代償運動が起こっていると考えることができます。
治療的な運動学習の達成には、運動学・神経生理学の知識を動員しながら適切な課題設定を行う必要があります。

代償運動に起因する異常運動の治療は、代償運動を適応せざるを得なくなった運動出力の不全を、再構築するための課題に基づいて行われるべきである。

運動学習理論に基づくリハビリテーションの実践 P54

機能障害に対する機能障害指向型訓練は、その程度に応じて調整された難易度の課題を組み合わせ、運動麻痺の改善を目指していくものです。
機能回復により、対象者自身が運動スキルの最適化を模索し、動作の安全性や効率性が高められていきます。

「目標とする運動スキルの習得によって二次的障害の発生を予防をできること」については、治療目標の設定により、それが達成することで関節変形や痛み、転倒リスクの軽減が図れるようにすることが大切です。

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リーチ動作における課題設定と運動学習

治療的な運動学習の達成には、課題再現のために必要な代償手段の適用も含めた運動学・神経生理学的側面からのリハビリテーションアプローチを検討していきます。
リーチ動作における課題設定において、管理されるべきエラーとしては肩屈曲・肘伸展の筋出力の不足、屈筋群の筋緊張亢進、体幹・肩甲帯による代償、手関節・手指伸展保持困難などがあります。
運動学的側面で「運動モーメントを出力する支点の力量とタイミングの再構築」を考えた場合、体幹による代償運動の制御を行うことで、肩・肘関節の屈曲・伸展筋出力、協調運動の改善を図る方法があります。
外的代償の側面からは、スプリングバランサーを使用することで上肢の免荷を図ることが可能で、手関節伸展保持装具(カックアップスプリント)を使用することで手関節屈曲位とならなずにリーチ動作を学習することができます。
機能回復を促す手法として、手関節伸筋に電気刺激を入力し、筋活動との同期を図ったり、具体的なリーチ目標を設定することも有効です。
神経生理学的側面では、観察学習を行うことでエラー情報の管理を行い、メトロノームを用いてリズムに合わせたリーチ動作を行うことで、関節運動の軌道を滑らかにするような自動化への手続きがあります。

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