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SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の概要と実施方法、結果の解釈

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SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は脳卒中片麻痺者の機能評価テストのひとつで、非麻痺側を含んだ総合的な評価ツールです。今回、SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の概要と実施方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の概要と実施方法、結果の解釈

SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の概要

SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は脳卒中機能障害の評価項目として、必要最小限の評価項目を含む評価ツールです。
評価は意識清明になってから、座位のまま行えるため、セラピストが一人で簡単に、短時間で実施できるという特徴があります。
各項目が単一テストにより評価可能で、非麻痺側を含んだ総合的な評価が行えます。
具体的には、非麻痺側、体幹、ROM等を含み、麻痺側上下肢を近位と遠位に分けて課題が行われます。
各項目は全て順序尺度です。
SIASはあくまで最小限のツールであり、必要条件であありますが、十分条件ではありません。

評価方法と評価項目

KNEE-MOUTH TEST
座位、麻痺側手部を対側膝より挙上し、手部を口まで運ぶ。肩90度外転させ、膝上に戻す(3回繰り返す)。肩や肘の拘縮があれば、可動域範囲内の運動にて判断する。
0:全く動かない。1:肩のわずかな動きがあるが手部が乳頭に届かない。2:肩肘の共同運動があるが手部が口に届かない。3:課題可能。中等度あるいは著明なぎこちなさあり。4:課題可能。軽度のぎこちなさあり。5:健側と変わらず。正常。

2FINGER-FUNCTION TEST
手指の分離運動を、母指〜小指の順に屈曲、小指〜母指の順に伸展することにより行う。
0:全く動かない。1:1Aわずかな動きがあるまたは集団屈曲可能 1B集団伸展が可能 1C分離運動が一部可能。2:全指の分離運動が可能なるも屈曲伸展が不十分である。3:課題可能(全指の分離運動が十分な屈曲伸展を伴って可能)。中等度あるいは著明なぎこちなさあり。4:課題可能。軽度のぎこちなさあり。5:健側と変わらず。正常。

3HIP-FLEXION TEST
座位、股関節90度より最大屈曲させる(3回行う)。必要なら座位保持の介助可能。
0:全く動かない。1:大腿にわずかな動きがある(MMT1)が足部は床から離れない。2:股関節屈曲の運動あり、足部は床より離れるが十分ではない。3:課題可能。中等度あるいは著明なぎこちなさあり。4:課題可能。軽度のぎこちなさあり。5:健側と変わらず。正常。

KNEE-EXTENSION TEST
座位、膝関節90度屈曲から十分伸展(−10°程度まで)させる(3回行う)。必要なら座位保持の介助可能。
0:全く動かない。1:下腿にわずかな動きがある(MMT1)が足部は床から離れない。2:膝関節伸展の運動あり、足部は床より離れるが十分ではない。3:課題可能。中等度あるいは著明なぎこちなさあり。4:課題可能。軽度のぎこちなさあり。5:健側と変わらず。正常。

5FOOT-PAT TEST
座位または臥位。支持は介助しても可。踵を床につけたまま、足部の背屈運動を強調しながら背屈底屈を3回行い、その後なるべく速く背屈底屈を繰り返す。
0:全く背屈しない。1:わずかな背屈運動がある(MMT1)が前足部は床から離れない。2:背屈運動あり、足部は床から離れるが十分ではない。3:課題可能。中等度あるいは著明なぎこちなさあり。4:課題可能。軽度のぎこちなさあり。5:健側と変わらず。正常。

6U/E DTR(腱反射:上腕二頭筋上腕三頭筋
0:上腕二頭筋あるいは上腕三頭筋反射が著明に亢進している。あるいは日常の動作の中容易にクローヌス(肘、手関節)が誘発される。1:1A上腕二頭筋あるいは上腕三頭筋反射が中等度(はっきりと)亢進している。 1B上腕二頭筋あるいは上腕三頭筋反射がほぼ消失している。2:上腕二頭筋あるいは上腕三頭筋反射が軽度(わずかに)亢進。3:上腕二頭筋あるいは上腕三頭筋反射とも正常。健側と対称的。

7L/E DTR(腱反射:膝蓋腱、アキレス腱)
0:膝蓋腱あるいはアキレス腱反射が著明に亢進している。あるいは日常の動作の中容易にクローヌスが誘発される。1:1A膝蓋腱あるいはアキレス腱反射が中等度(はっきりと)亢進している。非持続的クローヌスを認める。1B膝蓋腱あるいはアキレス腱反射がほぼ消失している。2:膝蓋腱あるいはアキレス腱反射が軽度(わずかに)亢進。3:膝蓋腱あるいはアキレス腱反射とも正常。健側と対称的。

8U/E muscle tone
0:上肢の筋緊張が著明に亢進している。1:1A上肢の筋緊張が中等度(はっきり)亢進している。1B他動的筋緊張の低下。2:上肢の筋緊張が軽度(わずかに)亢進している。3:正常。健側と対称的。

9L/E muscle tone
0:下肢の筋緊張が著明に亢進している。1:1A下肢の筋緊張が中等度(はっきり)亢進している。1B他動的筋緊張の低下。2:下肢の筋緊張が軽度(わずかに)亢進している。3:正常。健側と対称的。

 10U/E light touch(手掌)
0:強い皮膚刺激も分からない。1:重度あるいは中等度低下。2:軽度低下あるいは主観的低下。または異常感覚あり。3:正常。

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11L/E light touch(足底)
0:強い皮膚刺激も分からない。1:重度あるいは中等度低下。2:軽度低下あるいは主観的低下。または異常感覚あり。3:正常

12U/E position(母指or示指)
指を他動的に運動させる。
0:他動運動の動きも分からない。1:全可動域の運動なら方向がわかる。2:ROMの1割以上の動きなら方向がわかる。3:romの1割未満の動きでも方向がわかる。

13L/E position(母趾)
母趾を他動的に運動させる。
0:他動運動の動きも分からない。1:全可動域の運動なら方向がわかる。2:ROMの5割以上の動きなら方向がわかる。3:ROMの5割未満の動きでも方向がわかる。

14U/E ROM
他動的肩外転角度を具体的に記載すること。
参考として、0:60°以下。1:90°以下。2:150°以下。3:150°以上

15L/E ROM
膝伸展位にて他動的足関節背屈を行う。背屈角度を具体的に記載すること。
参考として、0:−10°以下。1:0°以下。2:10°以下。3:10°以上

16Pain
原疾患に由来する疼痛の評価を行う。既往としての整形外科的(腰痛など)、内科的(胆石など)疼痛は含めない。また、過度でない拘縮伸展時の痛みも含めない。
0:睡眠を妨げるほどの著しい疼痛。1:中等度の疼痛。2:加療を要しない程度の軽度の疼痛。3:疼痛の問題がない。

17Verticality test
0:材がとれない。1:静的座位にて側方性の姿勢異常があり、指摘・指示にても修正されず、介助を要する。2:静的座位にて側方性の姿勢異常があるが、指示にてほぼ垂直位に修正・維持可能である。3:静的座位は正常。

18Abdominal MMT
背臥位にて上肢を用いないで起き上がり動作を行う。
0:腹直筋MMTで2以下。1:腹直筋MMTで3。2:腹直筋MMTで4。3:腹直筋MMTで5(正常)。

19Visuo-spatial defecit
50㎝の紐を眼前約50㎝に提示し、中央を健側指で示させる。2回行い、中央よりのずれの大きい値を採用する。患者の左端から、示された点までの具体的距離を記載すること。
参考として、0:10㎝以下または40㎝以上。1:20㎝以下または30㎝以上。2:22㎝以下または28㎝以上。3:問題なし。

20Speech
失語症に関して評価する。構音障害はこの項目には含めない。
0:失語症。まったくコミュニケーションがとれない。1:1A重度感覚性失語症(重度混合性失語症含む)。1B重度運動性失語症。2:軽度失語症。3:失語症なし。

21Sound side;Quadriceps MMT
座位における健側(対側)膝伸展し筋力を評価する。
0:重力に抗しない。1:中等度の筋力低下。2:わずかな筋力低下。3:正常。

22:Sound side;grip strength
健側の具体的数を記載すること。
参考として、0:握力0kg。1:握力10kg以下。2:握力10-25kg。3:握力25kg以上。

結果の解釈

SIASの運動項目において、上肢近位0、遠位0、下肢近位0、膝0遠位0でも装具・杖歩行見守りで可能な例もあると言われています。
高次脳機能障害の評価では、半側空間無視失語症以外の評価項目はなく、その点については別の検査での詳細な評価が必要です。
合計点の吟味も十分にはなされていないようですが、経時的な変化を追う際には有用なものにはなりえます。
Brunnstrom stageにと併用すると、運動麻痺の質的な面も評価できると考えられます。
SIASのみでは不足している項目もあるため、あくまで最小限のツールとして理解し、不足部分を工夫するようにしていく事が大切になります。

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参考文献