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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

WOLF MOTOR FUNCTION TESTの概要と実施上の注意点、結果の解釈

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WOLF MOTOR FUNCTION TEST(WMFT:ウルフモーターファンクションテスト)は、脳卒中片麻痺者の上肢運動機能検査評価法のひとつです。検査項目に対して、所要時間、動作の質的評価から、上肢機能のレベルを測定することが可能です。今回WOLF MOTOR FUNCTION TESTの概要と実施上の注意点、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

WOLF MOTOR FUNCTION TESTの概要と実施上の注意点、結果の解釈

参考文献

WOLF MOTOR FUNCTION TESTの概要

WOLF MOTOR FUNCTION TESTは主にCI療法の効果判定として世界中で使用されている脳卒中片麻痺者における上肢運動機能評価法のひとつです。
特定のキットは不要で日常物品で評価が行えます。
6つの運動項目と9つの物品操作を行い、それぞれ所要時間(秒)、動作の質(6段階)で評価します。合計秒数、合計点を最終得点として算出します。
STEF(簡易上肢機能検査)は日本のみの検査ですが、WMFTは国際的に使用されているため、共通評価として指標になります。

 

使用物品

1机(高さ74㎝、幅137㎝、奥行き76㎝)
2椅子(高さ45.7㎝、背もたれあり、アームレストなし)
ベビーパウダー(摩擦緩和のため机上にふる)
4ストップウォッチ
5箱(高さ25㎝、20㎝、15㎝を用意、被験者の肩の高さに合わせて使用)
6バンド重錘(450g、1kgのもの、固定用のベルクロ)
7缶(開封していない350mlのもの)
8鉛筆(六面体、長さ18㎝程度)
9ペーパークリップ
10ブロック3個:コース立方体のブロック
11トランプ3枚
12鍵
13タオル(65㎝×40㎝程度の大きさのフェイスタオル
14輪投げの輪(1個)

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評価方法と実施上の注意点

◯最終所要時間スコアは、すべての動作項目の所要時間の中央値を用います。
◯動作が困難なものに対しては中断しても構いません。
◯机に対して横向き座位:椅子を机に対し横向きに、机の端から10㎝離します。
◯机に対して前向き座位:椅子を机に対し前向きに、椅子の後ろ脚を机の端から60㎝離します。
◯長袖は邪魔になるため袖をまくります。
◯すべての動作をできる限り速く行うように伝えます。
◯説明では2度動作のデモを行います(1回目はゆっくり、2回目は速く)。
◯被験者は動作の練習を行いません。
◯被験者のモチベーションを保つために、「その調子」などと声かけしても構いません。
◯物品が落下した場合、セラピストが拾いすぐ戻し、この際の時間も継続します(備品を用意しておくとよい。)。物品を戻すのに5秒以上かかった場合は最初から計測します。
◯誤った動作で行う場合(理解できていない)、言語指示、デモを各動作につき1度繰り返します。2度目も同じ間違いをする場合は120秒とします。
◯椅子の位置や備品などの大きさがマニュアルと異なる場合、記録しておき、次回評価の際も同じ設定で行うようにします。

機能評価6段階の評価基準

0ー全く動かせない
1ー機能的に動かすことが困難だが、随意的動きは見られる。片手で行う課題でも健側の支持が相当量必要である
2ー課題への参加は可能であるが、動きの調整や肢位の変更には健側による介助が必要である。課題は完結できるが、動作スピードが遅く、120秒以上を要する。両手で行う課題では、健側の動きを補助する程度の動きなら可能である
3ー課題を遂行することは可能だが、痙性の影響が大きい、動作スピードが遅い、あるいは努力性である。
4ーほぼ健常に近い動作が可能だが、動作スピードがやや遅く、巧緻性の低下、動作の拙劣さなどが残存している
5ー健常に近い動きが可能

具体的な観察の視点としては、頭部と体幹のアライメント、体幹での代償、主動作筋以外での代償、把持方法は適切かなどです。

評価項目

横向き座位
1前腕を机へ:肩の外転を用いて前腕を机の上に乗せる
2前腕を箱の上へ:肩外転を用いて前腕を箱の上に乗せる
3肘伸展:肘を伸展させ机の反対側へ手を伸ばす
4肘の伸展・負荷あり:肘の伸展により重錘(450g)を机の反対側に移動させる
前向き座位
5手を机へ:机の上に麻痺手を乗せる
6手を箱の上へ:箱の上に麻痺手を乗せる
7前方の引き寄せ:肘や手首の屈曲を用いて机の反対側から重錘(450kg)を引き寄せる
8缶の把持・挙上:開封していない缶(350ml)を把持(円筒握り)し口元まで挙上する
9鉛筆の把持・挙上:鉛筆を3指つまみでつまみ上げる
10クリップの把持・挙上:クリップを2指つまみでつまみ上げる
11ブロックの積み重ね:ブロックを3つ積み上げる
12:トランプの反転:3枚のトランプを1枚ずつ、つまみ(指せんつまみ)裏返す
13:鍵の操作:鍵穴にさしてある鍵をつまんで、左右に回す
14:タオルの折りたたみ:タオルを四分の一に折りたたむ
机に対して前向き肢位、患側に高さ110㎝の台を設置
15重錘の持ち上げ:机に置かれた重錘(1kg)の輪をつかんで持ち上げ、側方にある台の上に置く

マニュアルでは各項目に対し、詳細な動作方法が記載されてあります。参考文献参考。

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