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WAIS-R、WAIS-Ⅲの概要と下位検査項目の質的分析

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WAIS-R、WAIS-Ⅲは成人の知能を評価する検査方法の一つです。評価では数値(定量的データ)が得られますが、下位検査項目の質的分析をすることで、さらに有益なデータ(定性的データ)が得られることになります。今回、WAIS-R、WAIS-Ⅲの概要と下位検査項目の質的分析について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

WAIS-R、WAIS-Ⅲの概要と下位検査項目の質的分析

WAIS-R、WAIS-Ⅲの概要

WAIS-R、WAIS-Ⅲとも、知能評価のための検査方法のひとつとなります。
WAIS-Ⅲは、成人用ウェクスラー知能検査WAISの改訂第3版となります。
WAIS-Ⅲでは、「群指数」(言語理解、知覚統合、作動記憶、処理速度)という側面からの解釈が可能になります。
言語理解では言葉の理解や扱いなどが関係し、コミュニケーションに影響が出ます。
知覚統合では視覚的な情報の理解や情報整理などが関係します。
作動記憶ではワーキングメモリとも呼ばれ、例えば聞いた話を忘れやすくなるなどの影響があります。
処理速度では素早く情報を処理する能力に関与し、仕事におけるペースなどに影響します。
WAIS-Ⅲでは3つの検査項目(行列整理、記号探し、語音整列)が加わり、全14項目からなっています。

WAIS-Ⅲの下位検査項目

動作性検査
絵画完成:絵の中から欠けている部分を見つける課題。視覚を用いて細かい部分を素早く察知する能力が必要。
符号:簡単な記号を書き写す課題。処理スピードや視覚性短期記憶が必要。
積木模様:見本を見ながら積み木で同じ模様を作る課題。構成能力、全体から部分への分解などの能力が必要です。
行列推理:一部空欄の図を見て当てはまるものを選択する課題。類似性の探索と推理などの能力が必要です。
絵画配列:絵カードをストーリーになるように並べる課題。結果の予測や時間順序の理解の能力が必要。
記号探し:提示された記号と同じ記号を探す課題です。視覚的な情報探索と処理スピードが必要です。
組み合わせ:パーツを組み合わせてものを作る課題です。柔軟的な思考や関係性の予測の能力が必要です。

「絵画完成」「積木模様」「絵画配列」「組み合わせ」では知覚統合に関係しています。
「符号」「記号探し」では処理速度に関係しています。

言語性検査
単語:単語の意味を答える課題です。語彙理解の能力が必要です。
類似:2つの言葉の共通点を答える課題です。論理・抽象的思考能力が必要です。
算数:暗算で制限時間内に答えます。
数唱:聴覚的に数字を示し、聞いた順、逆順に答えます。聴覚的な短期記憶能力が必要です。
知識:一般知識について答える課題です。一般的な知識の量が問われます。
理解:日常的な事柄や、社会的ルールについての課題です。実践的知識や経験が問われます。
語音整列:数字・かなの組み合わせを聞き、小さい・五十音順に答えます。

「知識」「理解」「類似」「単語」では言語理解に関係しています。
「算数」「数唱」では注意力、記憶力に関与しています。

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検査全体を通しての反応様式に関する視点

拒否・放棄反応
拒否・放棄反応に対する反応性の改善
反応の遅延、躊躇、制限時間を超えての正当が可能か
プロセス反応(衝動性、終了後の確認)
誤りの特徴、誤りへの気づき、指摘後の反応と修正可能かどうか
無関心、無気力
衝動性(説明中に始める、強迫的に反応)
状況にそぐわない混乱反応

下位項目の質的分析の視点(WAIS-Rの場合)

言語性
①一般知識:
反応の遅延、制限時間を超えた場合の正答率
②理解:
意味上の混乱と誤り
③計算:
衝動反応、解法段階の単純化、筆算を許可した場合の成績改善、制限時間を超えた場合の正答率
④類似:
誤りの特徴
⑤数唱:
衝動反応(読み終わらないうちに早いスピードで回答する)、順唱と逆唱の乖離(遂行中に覚醒度が上がるなど)、失敗した数列を繰り返してみて学習できるか、健常成人順唱7桁±2 逆唱6桁±2 65歳以上各5桁、4桁、失語症の場合、視覚スパン(WMS)を利用(数唱より各1桁少ない成績)
⑥単語:
意味上の混乱による誤り

動作性:符号以外の課題において、制限時間をこえての完成が可能かどうか
⑦符号:
他の下位検査の成績との乖離(脳損傷者では符号検査の成績が悪い)、誤りの特徴(回転、置き換え、文字化)、符号の微小化、巨大化
⑧絵画完成:
誤りの特徴(固執、視覚失認など)
⑨積木:
組み立て位置(手をつけた箇所、完成した箇所)、組み立て手順、平面上の回転により適切に合わせられるか、空間の枠組み、完成パターンの回転、保続、時間制限を超えての反応
⑩絵画配列:
視野欠損・無視の影響、衝動的反応(反応前に物語を語る)、全体の統合ができない、完成後に物語を語らせ、整合性を確認、
⑪組み合わせ:
通常反応の内容、誤りの内容

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参考文献

江藤 文夫ら 高次脳機能障害リハビリテーションVer.2  医歯薬出版 2004