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ベントン視覚記名検査の概要と使用方法、結果の解釈

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ベントン視覚記名検査は、視覚性図形記憶の検査です。今回、ベントン視覚記名検査の概要と使用方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

ベントン視覚記名検査の概要と使用方法、結果の解釈

参考文献

滝浦 孝之 日本におけるベントン視覚記名検査の標準値:文献的検討

http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170514201609.pdf?id=ART0008387548

ベントン視覚記名検査の概要

ベントン視覚記名検査は、視覚認知、視覚記名、視覚構成能力を評価する検査です。
心因性障害と器質性脳障害の鑑別、認知症早期のスクリーニングにも有効とされています。

 

ベントン視覚記名検査の使用方法と何を評価しているか

刺激図版は10枚あり、形式Ⅰ、形式Ⅱ、形式Ⅲの3つのセットがあり、学習効果や習熟の可能性を避けて検査が可能です。しかし、高齢者では形式Ⅱの難易度がやや高いとの見方もあるようです。
検査には4通りの実施方法があります。
施行A:図版を10秒提示し、直後に再生描画させる。
施行B:図版を5秒提示し、直後に再生描画させる。
施行C:図版を模写させる
施行D:図版を10秒提示し、15秒後に再生描画させる。
各形式において、これらの施行を行い、制限時間は設けません。
質的分析を行うために、図版ごとの所要時間や、対象者の反応などを記録しておくとよいと思われます。
施行A、Bでは提示時間に差はありますが、即時記憶課題となります。
施行Cでは模写を行いますが、視空間構成能力、視空間把握能力の評価が可能です。
施行A、B、Dにも多少視空間構成機能が影響すると言われており、本検査を記憶検査というよりも視空間性能力(半側空間無視や構成障害)の検査とみる意見もあります。
施行Dでは遅延再生ではあるものの、干渉刺激がないため、即時記憶課題として捉えます。
実施時間は5分程度です。

採点方法

採点は正確数と誤謬数の面から行われます。
正確数は全く誤りなく正確に再生描画されたもので、部分点はなく0か1点として採点されます。正確数は0ー10の間の整数値となります。
誤謬数は、描画図形にあるすべての誤謬数の合計になります。
誤謬は6つのカテゴリ(省略・追加、歪み、保続、回転、置き違い、大きさの誤り)に分けられます。
記録用紙には63種類の誤謬の記号が記されており、該当欄に丸をつけます。

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結果の解釈

正確数と誤謬数の結果により、全般的知能水準の推定を行います。
誤謬のパターンにより、記憶・視空間構成能力障害の質的分析を行います。
しっかりとしたデータはありませんが、以下の文献に年齢別の平均値データが掲載されています。

http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170514201609.pdf?id=ART0008387548

認知症の視点からとらえたカットオフ値は以下のようになります。

認知症でない1,425名のBVRTの成績とアルツハイマー認知症の関連について前向きに調査した研究によると,誤謬数が6以上であった場合,5以下の場合に比較して1-3年以内の発症では5.7倍,3-5年以内では2.1倍,5-10年では1.8倍,10-15年でも1.8倍発症リスクが高かったと報告されており,発症の10年以上前から予測が可能な精度の高い指標であると考えられている(Kawas et al., 2003) .

運動による脳の制御 P111

検査スコアの中で、正確数は全般的成績水準の評価に用いられ、誤謬数は質的分析のために用いられます。
施行A・Bでは刺激図版の提示時間に違いがありますが、どちらも即時記憶課題といえます。
施行D に関しては干渉手続きがなく、間隔も15秒で即時記憶課題といえます。
施行Cは模写課題で、即時記憶を評価はできません。 しかしこの課題では被検者の視空間構成機能や視空間的把握能力の評価は行えます。
この検査では難聴や失語、手指巧緻障害があっても実施が可能で、テストへのモチベーションが低い者でも遂行可能で拒否が少なく、非言語性テストのため教育歴や社会的背景の異なる者に用いることが可能です。

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