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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)を用いたニーズの評価

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認知症高齢者では様々な要因により作業ニーズの把握が困難なことがあります。作業に焦点を当てることで、その人らしい生活を再度取り戻す事が可能になったり、行動・心理症状(BPSD)の軽減につながることもあります。今回、認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)を用いたニーズの評価について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)を用いたニーズの評価

認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)とは

 APCDは、OTの概念的実践モデルの1つである人間作業モデルに基づく作業適応障害の改善のために、個人の価値、役割、能力の自己認識などを取り入れ、適応的な作業を促進し、パターン化するといった概念を理論的基盤としている。

事例でわかる人間作業モデル P191

APCDは日本で開発された評価法で、作業療法士が対象者と共に70枚の絵カードを3カテゴリー(「とても重要である」「あまり重要でない」「まったく重要でない」)に分けるものです。
絵カードの種類は高齢者が実際に行っている日常生活上の作業をもとにして作成されています。

使用方法と使用の意義

APCDは絵カードを用いていることから作業に対するイメージが浮かびやすくなり、抽象的な作業を思い浮かべる事が苦手な方でも、生活における重要で意味のある作業を明らかにされやすくなることが期待されます。
使用方法は、絵カードを1枚ずつ読み上げていき、対象者は70枚の絵カードを「とても重要である」「あまり重要でない」「まったく重要でない」に分けてもらいます。
各作業に対する質問や対象者が理解できていない様子を感じた場合には、作業療法士はそれを説明して、作業に対する理解を深めてもらいます。
絵カードを通して対象者が語ったことから、対象者が体験してきた、または体験している作業をもとにした生活を把握することが可能になります。
このことから、絵カードの分類で終わるだけではなく、対象者の言葉の中から、潜在ニーズを含めて把握していくことが大切になります。

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BPSDと作業適応障害

人間作業モデルでは、BPSDを作業適応障害として捉えています。
認知症の方は、記憶障害や思考・判断力低下、失語などの中核症状により、意味ある作業に基づく生活ができていなかったり、他者に作業ニーズを伝えることができないことがあります。
作業ニーズが満たされないことで、不安や焦燥が生じ、BPSDが生じてしまうことにつながります。これは、マズロー欲求段階からも、捉えることが可能と思われます。

認知症高齢者のBPSDはクライアントの作業適応障害の状態であるととらえることができる。そのため、OTRが認知症高齢者のBPSDを理解して作業適応を促進するためには、クライアントの作業と作業的生活を理解することが必要である。

事例でわかる人間作業モデル P206

APCDを用いて作業に対する価値観や思いを語ってもらうことで、BPSD改善の方策を見つけることが可能になることが考えられます。
作業ニーズの把握により、BPSDの原因と関係性を分析し、作業ニーズを満たす作業遂行を援助することでBPSDの改善につががることが考えられます。

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引用・参考文献