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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

構成障害に対するリハビリテーションアプローチ

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構成障害に対するリハビリテーションでは、構成障害がどの要素から生じているかを分析し、その要素に対して具体的にアプローチすることが重要になります。今回、構成障害に対するリハビリテーションアプローチについて、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

構成障害に対するリハビリテーションアプローチ

参考文献

構成障害を生じさせている要素の分析

リハビリテーションアプローチを根拠あるものにするためには、構成障害を生じさせてる要素を分析する必要があります。
まず、構成障害と知能障害の関係性についてみていきます。
構成能力は大脳半球の頭頂葉の領域を中心としますが、構成能力は大脳皮質の統合機能を反映することから、他の皮質領域の損傷でも構成能力は低下することがあります。
認知症(特にアルツハイマー型)では、比較的早期より頭頂葉領域の萎縮がみられ、描画課題において図形や図案の単純化、歪曲、見本への密着、重複などがよく観察されます。構成課題は動作性(非言語性)知能と流動性知能(推論、思考力など)の要素が強く、加齢による低下を受けやすくなっています。
このことから、知的能力の低下による構成障害と、知的能力は維持されているが構成能力が特異的に低下しているものとを鑑別することが必要になります。
そのため、知的能力の評価や、構成活動に関連した各能力の評価が重要になります。
左大脳半球では、構成活動の実行手順の段取りや計画の困難さ(行為的側面)における障害の要素があるかどうかを把握していきます。
右大脳半球では、視知覚的・視空間的分析(図案や積木模様の構成要素の相互関係の知覚)の要素があるかどうかを把握していきます。
書き写す対象への視覚的な注意や記憶の保持ができないことが原因となっている場合もあります。

 

リハビリテーションアプローチの視点

リハビリテーションアプローチの基本的な視点としては、
①障害された機能や能力の反復練習(直接的介入)
②障害された機能に他の機能や構成要素を介在させ、障害された機能や能力を達成する(代償的治療介入)
③外的補助手段を利用して障害された機能や能力を補う(補填的治療介入)
④日常生活上の適応行動の増加や問題行動の予防・減少を目的とする(行動的治療介入)
⑤患者の機能や能力に適合するように生活環境を整える(環境設定的治療介入)
があります。
構成障害を生じさせている要因の分析からそれを同定し、個別介入するボトムアップ式とアプローチと、構成能力全体にアプローチするトップダウン式のアプローチがあります。
トップダウン式では、構成課題解決への見通しや洞察が必要とされるために、対象者の知的能力が保たれている必要があります。知的能力が良くない場合にはボトムアップ方式が選択されることが多くなります。
構成障害のアプローチには、直接的治療介入、代償的治療介入、補填的治療介入を実施することが多いですが、効率的に学習できるよう様々な工夫を加えながらアプローチを行っていきます。

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直接的治療介入

構成課題を反復練習するなかで構成能力を刺激し賦活することで回復・改善を図ります。対象者に合ったレベルから開始し、徐々に難易度を上げていきます。

代償的治療介入

構成課題に解決に必要な視空間分析能力の低下に対し、触覚や運動覚により代償させます。模写では見本を指でなぞらせ、触覚や運動覚を活用します。三次元課題では、対象物を手で探索して、構成部分の位置関係を視覚・触運動覚を通して把握します。

補填的治療介入

構成課題の実行手順を理解するために、外的補助(構成部分への数字の添付、あらかじめ図案や模様の一部を記しておくなど)をすることで解決に導きます。また、患者の手を誘導しながら、実行手順を時間的順序に従って導いていく方法もあります。

学習を促すための方法

①手がかり漸増法
必要な手がかりを最大限から、徐々に減らしていく方法。課題達成状況に合わせて、適切に手がかりを調整する必要があります。

②無誤謬学習法
課題実行時に誤り反応が出現しないように課題レベルを調整(段階付け)します。課題の途中に発生する誤りは、正しい反応の獲得を妨げるという考えからです。

③逆向的連鎖化
通常の実行手順とは逆に、最終段階の一歩手前から練習していきます。最終段階の一歩手前からが可能になれば、もう一歩手前から、さらに一歩手前からというように、完成に達するまでの課題を練習します(逆順で行う)。最終的には、最初の段階から完成できるように学習させていきます。

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