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MoCAによる軽度認知機能低下のスクリーニング検査と結果の解釈

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認知症のスクリーニング検査にはMMSEやHDS-Rが有名ですが、軽度認知機能低下のスクリーニング検査として、MoCA(Montreal Cognitive Assessment)があります。今回、MoCAの概要と結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

MoCAによる軽度認知機能低下のスクリーニング検査と結果の解釈

参考文献

軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害認知症ではありませんが、軽度認知機能低下を認める状態であり、認知症に移行する可能性がある状態です。
軽度認知障害の概要とその予防方法については以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

 

MoCAの概要

MoCAは約10分で実施することができる軽度認知機能低下のスクリーニング検査です。様々な認知機能(注意・集中、実行機能、記憶、言語、視空間認知、概念的思考、計算、見当識)を評価していきます。

MoCAの検査項目と実施上の注意点

①Trail Making
数字からひらがなへ順番に線を結ぶ課題です。Trail Making TestBの形式をとっています。
この項目では認知の変換、課題の切り替え、注意の切り替えを評価することが可能です。
検査では速度は見ませんが、2つの反応パターンの交互切り替えと、2つの系列の順番がどこまで進んでいるかを保持しておくことが、課題の処理速度には必要になります。
Trail Making Testについては以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

②視空間認知(立方体)
3次元の立方体を正確に書き写していきます。模写のポイントは、3次元になっているか、すべての線があるか、余計な線がないか、線の並行関係が保たれて、長さが類似しているかです。
構成が崩れる要素については以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

③視空間認知
時計を描き、指定された時間を指すように針を描きます。
輪郭(丸い時計)、数字(正しい順番、正しい位置)、針(長針と短針)が採点ポイントになります。
視空間認知の障害については、以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

④命名
動物の名前を答えます。

⑤記憶
単語の即時記憶を評価します。
単語の記憶については、以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

happyhealth.hatenablog.com

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⑥注意(数字の順唱と逆唱)
5つの数字の順唱と3つの数字の逆唱、ビジランス(覚醒度)、計算(シリアル7)を評価します。
注意機能に関しては、以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

⑦復唱
2つの文章をそれぞれ正確に復唱します。採点には関係しませんが、復唱可能な長さ、音韻性錯誤、構音の誤りを見ることも言語的な視点では大切になります。
復唱に関しては以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

⑧語想起
1分間で指定されたひらがなで始まる言葉を答えてもらいます。
11個以上答えられた場合を正常としています。
語想起に関しては以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

⑨抽象的思考
単語のペアに共通するものを表す言葉を答えてもらいます。
FAB(前頭葉機能検査)においても問われる内容です。

happyhealth.hatenablog.com

⑩遅延再生
⑤で覚えた単語を再生してもらいます。
覚える段階(符号化)で失敗している場合には、手がかりを与えても再生できません。この場合、記憶の前段階の注意に問題がある可能性があります。日常生活上の影響では、周囲の音が気になり覚えることを覚えられなかったり、テレビを見ながら鍵を置いたらどこに置いたかわからなくなるなどが見られるようになります。
手がかりで再生できる場合、覚えていることを頭の中で検索できないことが考えられます。

見当識
日付、場所を正確に答えてもらいます。

結果の解釈

各項目の得点の合計を算出します(最高30点)。
教育年数が12年以下の場合、1点を加えます。合計得点が26点以上であれば正常範囲(25点以下で認知機能低下あり)となります。
MoCAはMMSEと比較して糖尿病患者の認知機能障害を見つけることに有用と言われています。
この検査を元に、さらなる詳細な検査を行っていくことも必要になります。

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