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DEX質問票による遂行機能の質的評価

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遂行機能の質的評価として、BADS遂行機能障害の質問票(DEX)があります。DEXの質問をもとに、実際に起こっていることを詳しく尋ねることで、日常生活上の問題点を把握するのに役立つことがあります。今回、DEX質問票による遂行機能の質的評価について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

DEX質問票による遂行機能の質的評価

遂行機能障害の質問票(DEX)とは

遂行機能障害の質問票(DEX)は「BADS遂行機能障害症候群の行動評価」に付録として含まれています。
本人用、家族・介護者用の2種類があります。
どちらも回答者は20の質問に対し、「まったくない(0)」「たまにある(1)」「ときどきある(2)」「よくある(3)」「ほとんどいつもある(4)」のうちのどれかを答えていきます。

DEX使用の意義

DEXの得点は、BADSの得点に含まれないため、正式にはBADSの一部ではありません。
DEXを使用することで、BADSで得られた成績に、遂行機能の質的な特徴を補うことができると考えられます。
DEXを家族や介護者に用いることで、遂行機能に関する問題点をさらに分析することが可能です。
セラピスト、患者、家族・介護者間での得点を比較することで、問題があると考えている領域の一致、不一致を明らかにし、どの領域をさらに評価・検討していくかを考えていくことに利用できます。
患者と他者評価を比較することで、病識(認識、アウェアネス)を定量化することも可能となります。

DEXの質問項目(家族・介護者用)

()内は質問がどんな機能を評価しているかです。

1単純にはっきり言われないと、他人の言いたいことの意味が理解できない(抽象的思考の低下)
2考えずに行動し、頭に浮かんだ最初のことをやる(衝動性)
3実際には怒っていないできごとやその内容を、本当にあったかのように信じ、話をする(作話)
4先のことを考えたり、将来の計画を立てたりすることができない(計画性不良)
5ものごとに夢中になりすぎて、度を越してしまう(多幸症)
6過去のできごとがごちゃまぜになり、実際にはどういう順番で起きたかわからなくなる(時間的順序付けの不良)
7自分の問題点がどの程度なのかよくわからず、将来についても現実的でない(自己洞察及び他者視点の欠如)
8ものごとに対して無気力だったり、熱意がなかったりする(感情鈍麻と無気力)
9人前で他人が困ることを言ったりやったりする(無抑制)
10いったん何かをしたいと本当に思っても、すぐに興味が薄れてしまう(移り気)
11感情をうまくあらわすことができない(情緒反応の希薄)
12ごくささいなことに腹をたてる(攻撃的言動)
13状況に応じてどう振る舞うべきかを気にかけない(無関心)
14何かをやり始めたり、話し始めると、何度も繰り返して止められない(保続)
15落ち着きがなく、少しの間でもじっとしていられない(多動)
16たとえすべきでないとわかっていることでも、ついやってしまう(反応抑制の不能)
17言うこととやることが違っている(知識と行為の解離)
18何かに集中することができず、すぐに気が散ってしまう(集中不良)
19ものごとを決断できなかったり、何をしたいのか決められなかったりする(決断力低下)
20自分の行動を他人がどう思っているのか気付かなかったり、関心がなかったりする(社会的ルールの無視)

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質問の際の注意点

質問票は患者用、家族・介護者用があるため、正しく配られているかを確認する必要があります。
質問は、現在患者のことをよく知っている人にすることが大切です。さらに、客観的に評価を行える人であるべきです。
患者や家族・介護者が質問文を読み上げることが困難な場合、セラピストは文章を読み上げても構いません。言語理解の能力は十分に保たれている必要があります。
患者の実例をもとにヒントを与えることは避け、質問を言い換えて理解できるよう促したり、架空の例を用います。
質問はすべて答えてもらうようにします。

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参考文献