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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

語流暢性課題(語想起)の概要と遂行機能評価、結果の解釈に向けて

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遂行機能を評価する方法のひとつに、流暢性課題(語想起という場合もあり)があります。今回、語流暢性課題(語想起)の概要と遂行機能評価、結果の解釈について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

語流暢性課題(語想起)の概要と遂行機能評価、結果の解釈に向けて

流暢性課題と必要な機能

流暢性とは、ある機銃に合う対象を自らの方略、戦略により探し出し、できるだけ多くを表出することをさします。
流暢性課題では、探索しながら自らの方略、戦略を見出し、可能な限り多くの語を表出することが求められています。

 一定の正解に達するために回答を絞っていく「収束的思考」だけでなく、「発散的思考」の能力が問題となる。また、思考の柔軟さや同じ語の繰り返しを避けるためにワーキングメモリと自己監視の能力も反映すると考えられる。

高次脳機能障害学 第2版 P227

思考の柔軟性では、例えば「動物の名前をできるだけ多くあげる」課題が出された場合に、思考過程で「哺乳類」「鳥類」などの中から選んでいこうとしたり、動物園を思い浮かべてそこから回答を導き出そうとするような思考をさします。

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語の流暢性

語の流暢性では、頭文字を指定する「文字流暢性」と意味的カテゴリーを指定する「意味流暢性」に分けられます。
これらの検査では、明らかな失語症がないことが適応条件となっています。
日常物品における呼称が困難な場合、どちらの成績は低下します。
発語失行、構音障害、音韻性錯誤により表出困難や表出遅延がある場合も制限時間のために適応しにくくなります。

文字流暢性課題

日本では頭文字の指定はありませんが、名詞(人の名前や地名、(固有名詞)、数は除く)で行います。日本語では頭文字での産出数は少ないこともあり、事前説明の際に注意を必要とします。具体例を以下に挙げます。

これから1分間に、ある文字で始まる名詞をできるだけたくさん言っていただきます。ただし、地名、人名のような固有名詞は避けてください。例えば、「そ」で始まることばなら、「そば」、「そり」のような物の名前だけでなく、「速度」、「尊敬」のような名詞でも結構です。それでは、「◯」で始まることばを言ってください」

高次脳機能障害学 第2版 P228

石合らのデータでは、「か」で平均12個、「せ」で平均10.1個、「あ」で平均9.7個となっています。産出数のばらつきも大きく、文字流暢性検査を実施して0〜2個なら明らかに異常と言えるような程度になります。
この検査では病前との比較が困難であり、個人差も大きいことから、リハビリテーション経過を評価していくためには有用と考えられます。

意味流暢性課題

意味流暢性課題では、1分間にできるだけ多くの動物名を言ってもらう方法が多くとられています。必ず4本足でなくてもよいことを説明する場合もあります。
通常、動物園にいる動物、鳥、魚などと動物の下位のカテゴリーを探索しながら表出していきますが、干支を順番に言うこともあり、これは自動的な語呂と考えられるため、普段呼ぶ動物の名称で表出するようにさせます。
健常者では、41〜50歳で平均14.8個、51〜60歳で平均14.3個、61〜70歳で平均14.4個となっています。10個は表出できるのが正常ではないかと考えられています。

病巣との関係

文字流暢性は前頭葉病巣で低下すると言われており、また左頭頂葉損傷でも低下がみられることがあります。
語流暢性の結果の解釈には、病巣部位との関連や、失語症との関連を考えた上で捉えていく必要があります。
語流暢性は、早期の前頭側頭型認知症アルツハイマー認知症、進行したパーキンソン病でも低下します。
HDS-Rでは、語流暢性(野菜)の項目がありますが、次の語想起までの間隔が10秒以上あることを中止基準としています。

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引用・参考文献