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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

メモリーノートの使用による記憶障害に対するリハビリテーション

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記憶障害がある方に、外的補助具であるメモリーノートを使用することが有効になる場合があります。メモリーノートにより記憶の代償ができれば、やらなければいけないこと、約束事、予定などの管理ができるようになる場合もあります。今回、記憶障害に対するリハビリテーションとして、メモリーノートの使用について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

モリーノートの使用による記憶障害のリハビリテーション

モリーノート使用の意義

モリーノートを使用することで、仕事や生活に関することについて、自分で管理ができるようになったり、自分自身の行動を振り返ることにつながったり、作業手順の整理に役立てれば確実にミスなく作業ができるようになったりします。
ノートに記載して確認するという記憶を代償する事で、日常生活上様々なメリットがあります。
記憶障害だけでなく、遂行機能障害であれば情報整理により計画的な行動を促す事に役立つ事が考えられ、精神障害であれば近い将来の行動予定が把握できることで不安の軽減に役立つ事が考えられます。zこのようなことから、メモリーノートは記憶の代償だけではなく、適切な行動を促すツールとしても用いることができます。
モリーノートには、情報の共有の機能もあると考えられ、これは、予定や重要事項などを患者だけでなく他者とも共有できるということです。メモリーノートにうまく書けない場合支援者が記入することで本人との情報共有が図られ、患者がメモリーノートを通じて記録を他者に伝えることで、その経験を他者と共有することにつながります。

モリーノートの項目

モリーノートの項目は、患者の将来的な必要性により決定していきます。
例えば、基礎情報、行動メモ、カレンダー(スケジュール)、しなくてはならないこと、交通機関、感想メモ、人名、重要な事などがあります。
カレンダー(スケジュール)では、翌日以降の予定について月日、時間、内容、場所を記載することができます。
しなくてはならないことでは、指示された月日と完了期限、その内容、また実施したかどうかのチェック欄を記載します。
行動メモには、その日行った事やその時に知った情報などを記載することで、行動を振り返るのに役立ちます。
感想メモでは、日記的にその日の感情の変化など、自由に記載することができます。

モリーノートのサイズ

様々なものを用意することができます。
ルーズリーフ式、大学ノート、大きい小さいなど、患者によって異なります。表紙が興味を惹くような綺麗なものであったり、名前入りのものであったり、患者に選択させることでメモリーノートの使用が促されることもあるかもしれません。
大事なことはメモリーノートの必要性を患者が理解し、日々使用するということにいかに繋げていくかということです。

モリーノート使用獲得に向けたリハビリテーションの考え方

参照

モリーノート使用獲得に向けては、その意義や使用の意欲を高めていく必要があります。
そのために、まずはすでにノートに記載されている内容を参照する事から初めていきます。この段階でメモリーノートを使用できるということは、自分で覚えなくても、ノートを適切に使用することで記憶の代償(引き出し)が可能であるということを意味しています。
参照訓練を行うことで、メモの使用に抵抗があった人にノート使用の意義や必要性の理解を促したり、使用意欲を高めるのに役立つことが考えられます。

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構成

構成では、メモリーノートを書き分けるための要素を訓練していきます。
シール(インデックス)などを用いて、ノートの適切な場所に、各課題が書かれたシールを貼り付ける作業を行います。
貼り付ける作業は記入することよりも単順で、情報を書くための適切な場所を見つけることを目的としており、シールは間違えても剥がすことが可能なので、失敗をしても再度チャレンジできることもあり、学習機会が増えるというメリットがあります。

記入

記入では、ノートに口頭指示による内容を適切な場所に記入していきます。ここでは障害特性に応じた記入方法の工夫を行い、適切な内容で適切な場所に記入することを獲得します。
構成訓練で書く場所についての学習は図られているため、記入訓練ではその部分への注意の負担は軽減されることが考えられます。

キーワードによる記入の学習

ノートを使用を促すために、キーワードを決めておくことも有用です。これにより、ノートを使用する機会を患者が自ら気付くきっかけになることがあります。
例えば、カレンダー(スケジュール)では、「予定」がキーワードで、しなければならないことでは、「今日のうちに」「〜までに」がキーワードで、重要事項は「重要なこと」がキーワードになります。
これは患者本人だけでなく、支援者や家族も意識的にキーワードを使用することで、ノートの使用獲得が促されやすくなると考えられます。

般化に向けて

般化に向けては、アラームなどの補完手段と組み合わせることが考えられます。
携帯のアラームでメッセージをつけれる機能があれば、定期的にノートの使用を促す機会になるかもしれません。
特定の場面ではノートを使用できるが、環境が異なるとノートの使用ができなくなることもあるため、般化には、患者をとりまく周囲の環境設定が重要になってきます。前途のキーワードを含んだ指示の仕方などを周囲が行うことで般化につながることが考えられます。
「場面」「課題」「支援者」で区別することで、般化に至らない要因を発見することに役立ちます。
「場面」では、同じ指示内容を同じ支援者が違う場面で言う場合です。他の環境(例えば周囲が騒がしい)にて同じ指示を書き分けることができない場合、支援者は口頭指示に加えて視覚的な提示や個別に指示を与えるなど場面設定を行う必要があります。
「課題」では、同じ支援者が一定場面で違う指示内容を言う場合です。指示内容の変化により書き分けることができない場合、口頭指示に加えて視覚的な提示を行ったり、キワーワードを強調する、あらかじめ異なる課題を指示することを説明するなどの設定が必要になります。
「支援者」では、同じ指示内容を一定場面で異なる支援者が言う場合です。この場合は、人による違いのため、段階としてはいきなり新たな支援者からの指示とせず、今までの支援者と新たな支援者両方いる場面で新たな支援者が指示を出すなどのステップが日必要です。

般化を阻害する他の要因

日常場面では、場面・課題・支援者が様々な組み合わせにより生じてきます。対象者にとっては、ノートを使って良いのか、内容的にノートに記入すべきなのか、ノートへの記入を求められているのかなどの不安要素が生じている場合があります。
上記のことも含め、これら般化を阻害する要因を分析し、使用獲得に向けたアプローチを行うことが大切です。

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参考文献