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統合失調症の作業療法〜統合失調症の診断・鑑別・病型・予後・再発〜

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統合失調症作業療法を行なっていく上では、統合失調症そのものの理解を深めておく必要があります。今回、統合失調症の診断・鑑別・病型・予後・再発について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

統合失調症の診断・鑑別・病型・予後・再発

統合失調症の診断

統合失調症は、主に10代後半から20代に発症することが多く、慢性進行する事が多い疾患です。
統合失調症の診断には、特徴的な臨床症状の有無をもとに診断されます。診断基準には、WHOの「ICD-10」やアメリカ精神医学会の「DSM-Ⅳ-TR」などが多く用いられています。
統合失調症の症状には、陽性症状として主に幻聴や妄想、させられ体験などの自我障害があり、陰性症状としては主に感情鈍麻や思考過程(常同思考など)の障害、意欲低下、ひきこもりなどがあります。

統合失調症と他疾患の鑑別

躁うつ病気分障害
躁うつ病の躁病相では、興奮が激しい場合、統合失調症で見られる観念奔逸と滅裂思考との区別がつきにくく、幻覚や妄想、自我障害を伴っている場合もあります。
うつ病相では、被害妄想や幻聴を認める場合があり、昏迷が見られる場合の鑑別が難しくなります。

②器質性精神病・症状精神病
前頭葉腫瘍では自発性低下や脱抑制がみられることがあります。
脳炎認知症では精神運動興奮がみられることがあります。
内分泌疾患や膠原病、中毒精神病、アルコール依存症では統合失調症と類似する症状を示すことがあり、また幻覚を伴うことがあります。

人格障害
境界性人格障害統合失調症人格障害妄想性人格障害では、幻覚や妄想があると鑑別が難しくなります。

神経症
強迫症状や離人症がある場合、妄想との区別が難しくなります。パラノイア(偏執的になり妄想がみられる)や敏感関係妄想との鑑別が必要な場合があります。

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統合失調症の病型

ICD-10」によると、統合失調症を破瓜型、妄想型、緊張型などに分類しています。

①破瓜型
発症年齢は15〜25歳、妄想・幻覚症状は目立ちません。
特別な理由なく不登校や欠勤、成績低下などにより発見されることが多いです。
経過としては、陰性症状(感情鈍麻、意欲低下)が急速進行し、予後不良、再発、再燃を繰り返し、著しい欠陥状態となることもあります。

②緊張型
発症年齢は20歳前後、精神運動性障害がみられます。
動機のはっきりしない強い精神運動興奮、周囲への反応低下、昏迷の繰り返し、拒絶症や緊張病性姿勢保持などを認めます。
周期的な経過が多く、若年発症では残遺症状を残すこともありますが、一般的には再発と寛解を繰り返しても、予後良好と言えわれています。

③妄想型
発症年齢は30代〜40代が多いです。
幻聴や妄想が目立ち、また感情や意欲の低下会話障害がみられることがあります。
緊張病性の症状はあまり目立ちません。

統合失調症の予後

統合失調症の経過や予後は、現在では大きく4つに分類され、
①完全回復
②軽度の人格欠陥に至る
③思い人格欠陥に至る
④人格荒廃に至る
となっており、各1/4ずつになると言われています。
近年では抗精神病薬リハビリテーションにより重症例は減少してきています。
WHOによると、初発患者の約半数は完全、または長期的な回復がみられ、生活に支障をきたす者は残りの約1/5だと言われています。

統合失調症の再発

統合失調症の再発には、強いストレスが引き金となることがあります。
例えば、心身とも疲労があるとき、環境の変化(入学、転職、結婚など)、喪失体験(大切な人や物を失うなど)などが挙げられます。
また、家族に感情的な表現が多く見られる家族との同居の場合(high EE family)、再発の引き金となることがあります。また無視や無関心など、感情表出が極端に弱い家族との同居の場合も、再発しやすいと言われています。
このことから、再発予防には家族の感情表出に関しても介入していく必要があります。

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参考文献