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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

認知症の行動・心理症状(BPSD)の具体例とその対応例

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行動・心理症状(BPSD)は認知症に伴い出現する行動や心理的な症状です。行動・心理症状(BPSD)があると対象者の生活機能の低下をもたらし、また介護者の身体的・心理的負担を大きくしてしまうことがあります。今回、認知症の行動・心理症状(BPSD)の具体例とその対応例について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

認知症の行動・心理症状(BPSD)の具体例とその対応例

行動・心理症状(BPSD)

行動・心理症状(BPSD)は認知症に伴い出現する行動や心理的な症状をさします。
心理的なものとして、不安、多幸、妄想、幻覚、抑うつなどがあります。また行動面では興奮、夜間行動、易怒性、異常行動、脱抑制などがあります。
行動・心理症状(BPSD)があると、対象者本人のQOLの低下や、介護者の負担を大きくしてしまうことにつながります。

中核症状と行動・心理症状(BPSD)のつながり

認知症の中核障害があると、時間や場所(見当識)がわからくなったり、簡単な計算ができなくなるなど認知機能の低下がみられます。そのような機能低下が影響して、日常生活上が不自由になったり、不安感が大きくなってくると、行動・心理症状(BPSD)が出現することがあります。
また本人の置かれている環境や介護者の対応など、様々な要因が絡み合い行動・心理症状(BPSD)を生じさせる可能性があります。
認知症初期では、「自分は何か病気があるかもしれない」という意識から、不安感の増大や抑うつ症状が現れることがあります。また誤りや失敗を訂正されると怒り出すこともあります。

認知症の重症度と行動・心理症状(BPSD)

軽度認知症での行動・心理症状(BPSD)でよく観察されることとしては、
活動性・意欲低下
興味関心の低下
抑うつ(気分の落ち込み)
不安感
異常に怒る
抵抗や攻めるような態度
などがあります。

中等度認知症での行動・心理症状(BPSD)でよく観察されることとしては、
質問を繰り返えす、後追い、突然の叫び声など
徘徊、睡眠障害、幻覚(幻聴、幻視)
脱抑制や攻撃などの不適切行動
などがあります。

重度認知症での行動・心理症状(BPSD)でよく観察されることとしては、
蹴る、たたくなど介護者への攻撃行動
叫ぶ、うめくなどの非言語的な行動
自宅内を一人で歩けない
などがあります。

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妄想と対応例

妄想では、「物盗られ妄想」がよくみられます。物盗られ妄想があると、身近な介護者を疑うことが多くなります。
妄想があるときには、本人は確信しているため、修正しようとしても聞き入れてくれないことがほとんどになります。
まずは、「物が盗られている」話題から話をそらすようにします。「後で探すから、ちょっとお茶休憩にしましょう」などと一旦休憩をとることも必要かもしれません。
妄想が向く相手とは距離をとる必要もあるかもしれません。

幻覚と対応例

アルツハイマー認知症では、見えたものがはっきりと他者に言えない(伝えられない)という特徴があり、頻度は低いです。また、レビー小体型認知症では鮮明な幻視があります。幻視がある場合、せん妄の可能性もあるため、専門家による診断が必要になります。
具体的な対応例はありませんが、病気の症状だと理解し、訴えがあっても批判的にならないようにする必要があります。

興奮と対応例

興奮状態にあると、無理に相手を制止しようとしたり、行動を修正しようとしても、興奮がさらに強くなることがあります。
自他に危害が加わることがない状況であれば、介護者は一旦その場を離れて戻って来るなどすると、興奮が落ち着いていることがあります。

抑うつと対応例

抑うつ状態になると、食事摂取量が減り、体重減少が起こることがあります。
高齢者では脱水や低栄養状態がると日常生活機能を低下させることもあるので、食事や水分摂取量を確認していくことが大切です。

不安と対応例

本人が同じことを何度も確認して不安がる様子などがみられる場合、対応は本人の訴えに対して受容的に接するようにします。疎ましく感じさせる態度をとることは避けるようにします。
先の予定を知らせることでかえって不安になるような場合、前もって伝えておく必要性が高くなければ言わないようにすることもあります。

多幸と対応例

多幸状態では、他者とのコミュニケーションにおいて、急に笑ってしまったりすることがあります。このようなことは相手を不愉快にさせてしまうことも考えられます。
このような場合、可能であればあらかじめ周囲の人に認知症の症状としての態度だと説明しておくことが必要になります。

無関心と対応例

無関心では、本人に刺激が入らないとさらに反応が無くなり無関心が強くなります。
様々な話題を提供しながら、本人が興味をもてるようにし、刺激が入力されるようにします。

脱抑制と対応例

脱抑制でマナーや礼儀正しさが失われている場合、怒るのではなく本人に寄り添い、優しくボディタッチするなどして行動を止める声かけをします。

易怒性

易怒性があると本人はすぐ腹を立てるようになります。
このような時に介護者も反論するような態度をとると、さらに怒りが増すことが考えられるため、本人をしばらく一人にしたりすることで怒りが和らぐことがあります。

異常行動

異常行動があると、同じところを行き来したり、意味のない行動を繰り返すことがあります。
このような場合、他者に迷惑のかかる行動でない限り、何度か行わせることで行動がおさまることもあります。
おさまらないのであれば、別の行動(お茶休憩)などを提案して誘導します。

参考文献

認知症の症状のポイントとケア パンフレット