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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

統合失調症者の抗精神病薬による副作用〜作業療法中に身体的不調を訴えた場合〜

統合失調症の作業療法

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統合失調症者の作業療法展開中に、患者が身体的不調を訴えることがあります。これは、例えば作業活動の誤りを指摘した後に起こることもありますし、あるいは抗精神病薬の副作用でもあることもあります。今回、統合失調症者の抗精神病薬の副作用について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

統合失調症者の抗精神病薬による副作用〜作業療法中に身体的不調を訴えた場合〜

作業療法中に身体的不調を訴えた場合考えられること

作業療法展開中に、患者に作業活動上の誤りや修正点などを指摘したときに、患者は「体調が悪い」「頭痛がする」「目が悪くてやりにくい」などと訴えることがあります。
このような場合に、患者に身体的な問題があるのか、または言い訳であるのかわかりにくいことがあります。
このとき、他部門情報のなかで「困難なことに直面すると身体的訴えが多い」という情報があると、防衛機制の仕組みに伴い生じた身体的訴えであることが予測できます。
防衛機制については以下の記事も参照してください。

依存症、アディクション(嗜癖)と心理ー否認を中心にー - 自分でできる体健やかブログ
身体的不調は医師にも状況を報告し、できる限り症状が軽減されるようにする必要があります。「目がチカチカする」「作業をすると頭痛がする」といった場合、視力障害や薬物による副作用が原因であることも考えられます。
統合失調症患者では自律神経症状がよく見られ、比較的突然に現れ、症状は一過性ですが、1つの症状が落ち着くと違う症状が出現するというのが一般的です。この場合も、医師や看護師と連携をとり症状軽減を図るようにしていきます。
自律神経症状としては、
頭痛、頭重感、心窩部不快感、動悸、頻脈、血圧上昇、肩こり、消化器症状(悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛)、急性感染症症状(風邪、扁桃腺炎)、円形脱毛症などがあります。

抗精神病薬の副作用

抗精神病薬(特に定型抗精神病薬)の副作用は患者にとって苦痛を感じるものです。また副作用による症状が連続することでどうなっていくのかという不安感を強く持つことがあります。
そのため、抗精神病薬の副作用と思われる症状が観察できた場合には、医師や看護師に報告することが大切です。
患者の中には、症状を訴えられない人もいるため、副作用、特に悪性症候群などの副作用出現には注意しておく必要があります。

抗精神病薬の副作用:口渇

唾液分泌減少により喉の渇きがみられます。1日に何ℓも水を飲むことがあり、体内のイオンが排出されると、けいれんを起こし場合によっては死に至ることがあります(水中毒)。
抗精神病薬と口渇の根本的な原因は明らかにはされていません。

抗精神病薬の副作用:便秘、排尿障害

イレウス尿閉を招く危険があります。患者の訴えが少ない場合には注意を要します。尿道カテーテルや下剤などで処置します。

抗精神病薬の副作用:眠気

薬の鎮静・催眠作用で眠気が生じます。ふらつきによる転倒に注意する必要があります。覚醒状態を注意深く観察することが大切です。

抗精神病薬の副作用:悪性症候群

重篤な副作用で、筋強剛によるミオグロブリン上昇で腎不全を起こし死に至る可能性があります。早期発見が大切です。
症状は高熱(38〜40℃)、筋強剛、意識障害、頻脈、発汗などです。
その他として白血球、CKP(クレアチンフォスフォキナーゼ)、ミオグロブリンの上昇があれば確定的です。
処置としては投薬中止と、筋強剛に対してダントロレン、ブロモクリプチン(筋弛緩薬)を投与します。

抗精神病薬の副作用:急性ジストニア

投薬初期に筋肉のひきつれが起き、頸部が横に向いたり、体が反転したり、下の突出などが見られ、激しく動揺します。
必ずなおることを説明し、抗パーキンソン病薬を投与します。

抗精神病薬の副作用:アカシジア

落ち着きなく動き回ります。足がムズムズするという訴えがある場合注意が必要です。精神症状との鑑別が必要です。

抗精神病薬の副作用:アキネジア

無動症や運動不能症ともいわれ、身体の動きが鈍くなります。

抗精神病薬の副作用:振戦

パーキンソン病様症状のひとつです。指のふるえによりお箸の使用が困難になったり、書字困難がみられます。
パーキンソニズムに関する記事は下記を参照してください。

薬剤の副作用によるリハビリテーション・ADLへの影響 - 自分でできる体健やかブログ

抗精神病薬の副作用:遅発性ジスキネジア

口や四肢体幹の不随意運動が数ヶ月から数年の薬の投与でみられることがあります。

抗精神病薬の副作用:性ホルモン異常

男性では勃起不能、女性では生理異常が生じる可能性があります。

抗精神病薬の副作用:循環器症状

血圧低下、頻脈、心電図異常がみられることがあります。
起立性低血圧による転倒リスクに注意が必要です。

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参考文献