読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

統合失調症の作業療法〜精神症状の理解とチェック〜

統合失調症の作業療法

【スポンサーリンク】

統合失調症では、様々な症状がみられます。統合失調症作業療法では患者の精神症状を理解し、それに合わせた作業療法を展開していく必要があります。また作業療法中に出現する精神症状を医療職に報告することも大切です。今回、統合失調症の精神症状の理解とチェックについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

統合失調症作業療法〜精神症状の理解とチェック〜

幻覚

実際には存在しない対象を知覚することにより、幻視、幻聴、幻味、幻臭、幻触、体感異常が出現します。
統合失調症では幻聴、体感異常が多く確認されます。
幻視:実在しないものや人が見える
幻聴:聞こえるはずがないことが聞こえる
   自分の悪口や批判、噂などで、雑音や物音の場合もあります。特定・不特定の人   や神様の声の場合、電波やテレパシーとして出現します。
幻臭:実際にはない臭いを感じる。被害妄想関連での出現が多く見られます。
幻味:実際にない味を感じる。被害妄想関連で幻臭とともに出現することがあります。
体感異常:主な疾患がなくても体の内部(内臓感覚)に異常を感じる

思考過程

思考途絶:考えが突然なくなる。会話中に急に黙る、黙って少しすると話すがまた黙る     などで、訴えとしては「頭が空になる」「考えがなくなる」などと言いま      す。
思考滅裂:まとまりのない、わけのわからない話をする。色々話しますが、具体的に何を言おうとしているか判断できません。

思考内容

妄想(思考の意味づけが間違っているが、患者はその内容を確信し、他者が誤りを訂正しても訂正不可能なもの)が見られます。
妄想により自己防衛や不安の軽減を図ろうとします。妄想の対象には、患者との心理的距離の近い人や物の場合が多くなります。
被害妄想:外部から外を与えられ苦しめられるという妄想
誇大妄想:自分の過大評価する妄想
微小妄想:自分を過小評価する妄想

感情

感情鈍麻:感情反応の減少や消失が見られ、大きな感情の変化がなく、周囲に無関心と     なります。清潔に無頓着になることや、羞恥心なく平気で嘘をつくなどが見     られます。
両価性(アンビバレンツ):相対する感情(愛着と憎しみ)が同時に体験されてまとま             らない状態
情動易変(易刺激性):些細なことで感情が変わりやすくなるのが情動易変。それに基づき衝動行為を起こすのが易刺激性。

自我意識

能動意識の異常:知覚、思考、行為などの心的過程が自分のものだという意識、自分が        しているという意識の障害により、現実感がなくなり、作為体験を経        験することもあります。自他の区別がわからなくなり、不安や恐怖を        感じ、他者との関係をとらず引きこもるようになります。生きている        実感もわきずらくなります。
離人症:自分が何をしようとしていたのかわからない、自分の体は他人のもの、手足を    動かしている感じがしない、喜怒哀楽を感じない、自分が動き、考えていると    思えないなどと感じます。
作為体験:他者により操られていると感じます。「思考吹入」は自分以外の考えが吹き     込まれると感じます。「思考奪取」では自分の考えが他者に奪われると感じ     ます。「思考伝播」では相手の事を考えるとそれが相手に伝わると感じま      す。「考想察知」では自分の考えが常に見破られると感じます。

単一性意識障害:「二重意識体験」では、自分の姿の一部または全部を幻影像として見        ます。また見えなくても気配を感じます。訴えとしては幻影像が現れ        た、それが自分の姿とわかり、自分の動きに追従して動いたり話しか        けたりするなどが聞かれます。

意欲

意欲亢進:絶えず動くが統一性や一貫性を欠き、意味のない動きとなります。
精神運動興奮:急に現れるコントロールできない激しい過剰な運動
緊張病性興奮:目的のない興奮。昏迷による無動と興奮が交互に見られ、衝動行為に結       びつくこともあります。幻覚や被害妄想と関連して興奮が高まることも       あります。
自発性欠如:感情鈍麻と関連します。日常に無関心で周囲への働きかけがなくなりま       す。
被影響性の亢進:行動する時の能動性が低下している状態です。「カタレプシー」では        受動的に与えられた窮屈な姿勢を長時間保持し、自ら戻そうとしませ        ん。
被影響性の減退:「拒絶症」では、他者からの命令や指示に理由なく拒絶します。
意志の統制不能:「アカシジア」では、じっとしていられず、歩き回ったり足踏みした        り、足がむずむずするとの訴えも聞かれます。抗精神病薬の副作用と        して見られることがあります。「強迫行為」では不合理で無意味と理        性で判断しても、実行せずにはいられなくなり、それをやめると強い        不安が生じます。「強迫観念」では本人の意志に反して繰り返し浮か        ぶ考え、イメージにより不安や恐怖を感じます。なかなか取り除くこ        とができない思考です。「常同症」では、意志でのコントロールがで        きず、その場の状況に即さない行動や運動、言葉などが繰り返しみら        れます。それぞれ常同姿勢、徘徊、語唱、常同運動と区別されます。

昏迷

亜昏迷:意識は保たれていて、外からの刺激を受け止めているものの全く反応がない状    態が昏迷ですが、それに近い状態を指します。
緊張病性昏迷:統合失調症緊張型でみられます。活発な幻聴や妄想により身動きがとれなくなっている状態です。外部の状況は認識していますが、自発的な行動はなくなります。

関連記事

統合失調症者の抗精神病薬による副作用〜作業療法中に身体的不調を訴えた場合〜 - 自分でできる体健やかブログ

統合失調症の作業療法における薬物療法の理解 - 自分でできる体健やかブログ

参考文献