自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

Motor Activity Log(MAL)の概要と評価方法

【スポンサーリンク】

脳卒中片麻痺者の上肢機能評価としてMotor Activity Log(MAL)があります。MALは片麻痺上肢の使用状態(質的・量的)を評価でき、動作別にどの程度上肢機能が用いられているかを患者・セラピストが共に把握し、訓練効果の確認や意欲向上のためにも用いられます。今回Motor Activity Log(MAL)の概要と評価方法について紹介していきます。

 目次

Motor Activity Log(MAL)の概要と評価方法

参考文献

第3回リハビリテーションプロフェッショナルセミナー 脳卒中機能評価セミナー・予後予測セミナー〜一歩進んだリハビリテーションを実践するために〜 配布資料

Motor Activity Log(MAL)の概要

Motor Activity Log(MAL)は、脳卒中片麻痺者の上肢が、ADLの中でどの程度(質・量)用いられているかを評価することができます。
対象者の主観的な機能レベルを数値化することが可能です。
14の動作項目があり、一定期間の間にどの程度使用したか(Amount of Use:AOU)、どの程度上手に使用したか(Quality of Movement:QOM)を6段階で評価します。

 

Motor Activity Log(MAL)使用の意義

評価自体が患側へのフィードバックとなり、患側への意識の向上や日常生活上の患側使用につながる可能性があります。
効果判定に用いることで、実用的な麻痺側上肢使用へのリハビリテーションにつながります。

動作項目

1本、新聞、雑誌を持って読む
2タオルを使って顔や体を拭く
3グラスを持ち上げる
4歯ブラシを持って歯を磨く
5髭剃り、化粧をする
6鍵を使ってドアを開ける
7手紙を書く、タイプを打つ
8安定した立位を保持する
9服の袖に手を通す
10物を手で動かす
11フォークやスプーンを把持して食事をとる
12髪をブラシや櫛でとかす
13取っ手を把持してカップを持つ
14服の前ボタンをとめる

これらの項目に対し、「開始時」「3週間後」「終了時、中止時」の3つの期間で評価を行います。

使用頻度の主観的評価

使用頻度は順序尺度であるAOU(Amount of Use)を用いて評価します。
0 患側は全く使用していない(不使用:発症前の0%使用)
1 場合により患側を使用するが、極めてまれである(発症前の5%使用)
2 時折患側を使用するが、ほとんどの場合は健側のみを使用(発症前の25%使用)
3 脳卒中発症前の使用頻度の半分程度、患側を使用(発症前の50%使用)
4 脳卒中発症前とほぼ同様の頻度で、患側を使用(発症前の75%使用)
5 脳卒中発症前と同様の頻度で、患側を使用(発症前と同様)

【スポンサーリンク】
 

使用程度の主観的評価

使用頻度は順序尺度であるQOM(Quality of Movement)を用いて評価します。
0 動作をするために、患側を全く使用していない(不使用)
1 動作の過程で患側を動かすが、動作の助けにはなっていない(極めて不十分)
2 動作に患側を多少使用しているが、健側による介助が必要、または動作が緩慢か困難(不十分)
3 動作に患側を使用しているが、動きがやや緩慢かつ不十分(やや十分)
4 動作に患側を使用しており、動きもほぼ正常だが、スピードと正確さに劣る(ほぼ正常)
5 脳卒中発症前と同様に、動作に患側を使用(正常)

評価方法

①説明
実際に行っているADLについての質問であることを説明します(予測ではありません)。

②各項目に対する発症前の麻痺側上肢使用についての確認
各動作に対して、発症前の麻痺側上肢の使用について確認し、使用していなかった動作については評価項目から除外します(平均点算出の際も)。その理由についても記載します。

AOU・QOMの評価
AOUの評価
各動作について、6段階評価で確認していきます。理解しにくい場合、言い回しを変えることも可能です。記入前に最終確認を行います。

QOMの評価
各動作について、6段階評価で確認していきます。理解しにくい場合、言い回しを変えることも可能です。記入前に最終確認を行います。
*初回評価では、必要に応じて最初の6つの項目は実際の動作確認をしても構いません。
*失語や高次脳機能障害があり設問の理解が困難であれば、セラピストが視覚的に提示することも可能です。また0〜5の範囲でどのあたりかを問うようにしても構いません。

④答えの再確認と答えの掘り下げ
両評価ともに、答え(数値)を用いて文章で復唱し、確認します。
「本を持って読むために麻痺している手を3(スケール上の数値)使ったんですね」などと質問します。
被験者の答えた数値が、明らかに観察されたレベルと異なる場合、双方間で答えを一致させるための確認作業が必要になります。
再評価では、前回のスコアと比較して変化を確認しますが、前回の評価結果は見えないようにします。
前回のスコアと異なった場合には、答えを掘り下げて質問していきます。
「前回は◯点で、今回は◯点ですが、実際に変化はありましたか」
「もう一度考えた上で何点だと思いますか」
「◯点でよろしいですね」
と質問していき、了解が得られれば、次の動作項目に移っていきます。

介護者への聞き取り

評価の信頼性を高めるために、介護者や家族からスコアをとることも有用です。
対象者は同席せずに聞き取りをする必要があります。

得点の算出

質問終了後、該当項目のスコアを合計し、該当項目数で割り、平均点を算出します(AOU・QOMのそれぞれ)。
除外項目が1つある場合、14ではなく13で割ります。除外項目となる理由でなく麻痺族上肢の不使用の場合は平均点計算の項目数に含めます。
入院中で鍵を使ってドアを開けることがないような場合、除外項目としますが、退院後に動作を行える状況になった場合には該当項目に加えます。
被験者が全く麻痺側上肢を使用しないと答えたときに、最初の10項目は評価を行い、それら全てが0であったら0が妥当だと判断します。10項目全て0の場合、以下の項目は打ち切ります。

【スポンサーリンク】