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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

エネルギー消費量・摂取量の視点からリハ訓練内容を考える

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リハビリテーション栄養においてはエネルギー摂取量が消費量より少ない場合、訓練によりさらにエネルギーが不足することになります。このような状態であれば、機能改善を目的としたリハビリを行うことはできません。そのためにもエネルギー消費量・摂取量を把握できていることは重要です。今回、エネルギー消費量・摂取量の視点でのリハ訓練内容の考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

エネルギー消費量・摂取量の視点からリハ訓練内容を考える

訓練や生活動作によるエネルギー消費量の考え方:METs(メッツ)

エネルギー消費量の目安は、METsを基にして考えます。

安静時の酸素消費量を、安静座位の酸素消費量で割った数値で、運動の強さの指標となる。
〜中略〜
ベッドサイドリハは1〜1.5メッツ程度、機能訓練室でのリハは1.5〜6メッツ程度のことが多いと思われる。

PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 P40

身体活動によるエネルギー消費量は、メッツを用いて以下の式で計算可能です。
エネルギー消費量(kcal)=1.05×体重(kg)×メッツ×運動時間(h)
具体的な計算としては、例えば体重50kgの患者が更衣など2メッツ程度のADL訓練を1時間行う場合、
1.05×50×2×1=105kcalとなります。
機能訓練室で1時間以上訓練を行う場合、エネルギー摂取量を増やすことを検討することが必要になるかもしれません。
エネルギー摂取量がエネルギー消費量よりも少ない場合、機能維持を目的としてエネルギー消費量の少ないトレーニング内容の選択が必要となります。

happyhealth.hatenablog.com

全エネルギー消費量の考え方

全エネルギー消費量は、基礎エネルギー消費量から以下の式で計算されます。
全エネルギー消費量=基礎エネルギー消費量×活動係数×ストレス係数
基礎エネルギー消費量は以下の式で推計されることが多いです。
男性:66.47+13.75W(体重(kg))+5.0H(身長(cm))−6.76A(年齢(年))
女性:655.1+9.56W(体重(kg))+1.85H(身長(cm))−4.68A(年齢(年))
この式は、適用範囲が21〜70歳ですが、実際には70歳以上にも用います。
活動係数では、ベッドサイドリハの場合、訓練でのエネルギー消費量が少ないためベッドッ上安静同じとします。
2〜3メッツ程度の訓練を訓練室で20分行っている場合1.3とし、1時間行っている場合は1.3〜1.4、2時間以上行っている場合は1.4〜1.5とします。このとき、筋緊張亢進や不随意運動がある場合、活動係数は高くなります。
基礎エネルギー消費量、活動係数、ストレス係数は推計のため、全エネルギー量の推計には±400kcal程度の誤差を認めることがあります。あくまで目安として捉えます。

エネルギー摂取量

エネルギー摂取量は、経口摂取・経腸栄養・経静脈栄養の合計で計算可能です。
経腸栄養・経静脈栄養は確実に計算可能で、各栄養剤などのエネルギー量を参照します。
経口摂取では現在の食事のエネルギー量×摂取割合(%)÷100で推計します。管理栄養士と連携をとる必要もあります。
エネルギー摂取量−エネルギー消費量の値が負であれば体重減少、正であれば体重増加となることが多く、特に基礎エネルギー消費量以下のエネルギー摂取量であれば機能向上を目的とした筋力トレーニングなどは困難です。
エネルギー消費量は推計であるため、エネルギー摂取量との差も大きくなる場合があります。そのため、栄養状態の適切なモニタリングによる検証作業が必要になります。

引用・参考文献