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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

栄養指標を目安とした栄養不良時のリハビリテーションの考え方

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栄養状態を把握することで、リハビリテーションの目標を機能改善または機能維持のどちらかに決定することは重要です。今回、栄養指標を目安とした栄養不良時のリハビリテーションの考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

栄養指標を目安とした栄養不良時のリハビリテーションの考え方

リハビリテーションの計画立案に向けて

リハビリテーションの内容は、機能改善を目標とするか、もしくは機能維持を目標とするかで訓練内容が変わります。
栄養状態良好の場合でも機能維持や機能改善のどちらかを目標にするかは、疾患の違いと疾患特性(回復がみられる期間)などによっても異なります。
リハビリテーション計画を立案する時には、疾患、機能レベル、生活の目標を基に考えていきますが、このとき栄養状態も含めて考えると、より内容の濃いリハ計画の立案が行えます。

重度栄養障害の目標設定

栄養障害が重度の場合、機能改善を目標にすることは困難といえます。

筋肉の蛋白質は異化で減少している。肝臓や筋肉のグリコーゲンの貯蔵は少なく貧血も合併し、持久力に乏しく易疲労性が目立つ。そのため、機能維持もしくは機能悪化の軽減を目標とし、栄養改善を優先する。栄養改善が難しければ、機能改善も難しい。

PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 P19

栄養状態に改善が見られている途中の場合、機能改善を目標とすることもできます。この際のトレーニングは体重や筋力の変化を把握しながら行う必要があります。
筋持久力の向上を目的とする訓練は、エネルギー量を消費させ、栄養状態の改善を阻む可能性があるため原則行わない方がよいといえます。
関節拘縮がある場合、栄養状態が芳しくなくても(機能維持が目標の栄養状態)でも、筋・関節包の短縮などが原因であるため、関節可動域の改善は可能です。
呼吸機能では重度の栄養障害では呼吸筋の改善は難しいですが、排痰を促すことにより呼吸機能の一部を改善することができます。

軽度から中等度栄養障害の目標設定

栄養障害が軽度から中等度の場合、栄養改善を行いながら、機能改善を目標とすることができます。
臨床栄養管理と積極的なリハビリテーションが行える状態です。
軽度栄養障害であれば、栄養状態の上下なく横ばいでも機能改善を期待することができます。
このとき注意する点として、エネルギー摂取量が基礎エネルギー消費量以下の場合、筋力・筋持久力の改善は難しいといえるため、機能維持が目標となります。

進行性疾患と目標設定

ALS(筋萎縮生側索硬化症)などの進行性疾患の場合、軽度から中等度の栄養障害に加えて、飢餓による筋萎縮を合併しているようなことがあります。
このような場合、適切な栄養管理とリハビリテーションを実施することで、進行性疾患でも一時的に機能が改善する可能性があります。
このときには筋萎縮の原因を評価することが必要です。

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良好な栄養状態での機能改善における注意点

栄養状態が良好な時に、リハビリテーションの目標を機能改善に設定する場合の注意点があります。
それは基礎エネルギー消費量以上の摂取をしていることです。
例えば、経口摂取のみで食事量が半分以下の場合には、エネルギー摂取量が基礎エネルギー消費量よりも少ないことが考えられます。
このことから、機能改善を目標としてリハビリテーションを行う場合、栄養状態が良くても食事量を把握することも重要になります。

引用・参考文献