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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

機能不全家族とアダルトチルドレンの生きづらさ〜その克服に向けて〜

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アダルトチルドレン(AC)は、家族システムが機能不全状態の中で子どもが成長し、その後に様々な生きづらさを抱えている状態をいいます。これはこれまでの自分の生きづらさを認めて、主体的な人生を送るために自分を見つめ直していくためのキーワードになります。今回、機能不全家族アダルトチルドレンの生きづらさについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

目次

機能不全家族アダルトチルドレンの生きづらさ〜その克服に向けて〜

アダルトチルドレンの生きづらさ

アダルトチルドレンの生きづらさについて、

問題の深刻さ、子どもをどれくらい具体的に巻き込んだか、暴力の有無、期間、年齢、信頼できる大人のサポートを受けていたかなど、家族の状況によってまるで違います。全く自覚しないで長いこと過ごす人もいるし、家族から離れればある程度クリアされてしまう人もいます。家族にアディクション問題があった事実=子どもはアダルトチルドレンの生きづらさを抱えていると、短絡的にとらえないことが大事です。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P138

とあります。
回復のためには、自分の人生の中で、アダルトチルドレンの生きづらさや痛み、不全感を感じた時に、本人がそれを認めて主体的に取り組んでいくことが大切になります。
どんな状態の時にどんな風に生きてきたのか、それが今の自分にどんな影響を及ぼしているのかといった事を自分の言葉で語り、自分の現在の価値を見つめなおし、不必要な習慣を放棄していく作業が必要になります。

アダルトチルドレンの特徴:暗黙のルール

アディクション嗜癖)問題のある家族には暗黙のルールがあります。
本人、家族とも初めは否認する心理・社会のなかで孤立していく傾向や、機能不全状態の家族システムを一定に保ちつづけようとする傾向があります。
このなかで子どもが家族のなかにいるためには暗黙のルールが必要になります。
それが、「しゃべらない」「信じない」「感じない」の3つです。
家族の問題を家の内外で口にしないことが「しゃべらない」です。
繰り返される約束に対する嘘や期待が裏切られたことでルール化されたのが「信じない」です。これは家族内だけでなく、自分を信用しないというところまでいくこともあります。
状況に対して自然発生する感情を遮断するのが「感じない」です。感情鈍麻とは異なり、感じるがそれを奥に追いやるような状態です。これにより、感情的になるとやってはいられないという、戦術的に自分を守るルールとなっています。
また「見ない」「あきらめる」「考えない」という3つを自分に課すこともあります。

大人は社会的な場面で感情を抑えることに慣れており、また現実的な先の見通しが立てられるので、これらを戦略的に用いることが可能です。でも、子どもは元来正直ですから、感情を押さえたり、先の見通しがないなかで今の現実をこのようなルールで凌いだりするのにはかなり負荷がかかります。大人ならその集団から出ていけばよいですが、子どもは家族から離れて生きていけませんから、このルールを自ら課していくことになります。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P140

アダルトチルドレンの特徴:サバイバルスキル

サバイバル、慢性的な家族システムの危機状態の中で、なんとかしたいという慢性化したがんばりや過負荷の役割、危機が訪れても対応できる態勢を暗黙のルールをもちながら継続していくことをサバイバルといい、その中で自分にぴったりな役割や自分の身を守るために身につけたルールをサバイバルスキルといいます。

アダルトチルドレンの特徴:反映と反応のパターン化

家族の中での子どもの自分にぴったりな役割は、個性ではなく親の要求や状況に合わせた役割や行動パターンになります。求められていることが話の聞き役なのか、親のケアなのかなど相手の思いを読み取り、その役割をとることで生きる場所を獲得するように感じていきます。
子どもは本来、自分の欲求を満たすことによって成長しますが、アダルトチルドレンでは親の要求があたかも自分の要求であるかのように取り込んだり、自分の要求ではなく、親の要求に添うようにして生きようとします。
これが定着すると、家族だけではなく、一般的な対人関係においても、相手の感覚や感情、考えが自分のものであるかのように感じられるような、他者との境界線があいまいな傾向になります。これを反映のパターンといいます。
また自分の主体的感覚でなく、相手の感情や態度、言動により自分の行動が決まることを反応のパターンといいます。
これらのパターンで生きていくことは、こどもの主体性の獲得を妨げます。集団優位の児童期での学校生活では高い評価が得られますが、自分らしさを獲得していく中高生の時期では、自分の個性がわからず、主体性の不明瞭さが目立つようになります。
自分の好き嫌いや快不快さえわからず、自己不全感や疎外感に悩むことがあります。

アダルトチルドレンの特徴:発達過程の問題

 人生の初期に親の依存症、アディクション問題があると、心の発達課題と関連しながら家族システムの機能不全状態に対応するため、その時期の発達課題をクリアできなかったり、クリアしていたものが破壊されることがあります。
発達課題がクリアされていないと、大人社会での関係づくり全てに影響がおきます。

アダルトチルドレンの役割:ファミリーヒーロー

家族のなかでのヒーローで、親からすると頼りになる存在であろうと頑張るタイプになります。
家の中での問題解決に走り回り、弟妹の世話をします。また親に心配はかけないでおこうと、親が外で誇れるように、目に見える評価を得る傾向があります。

外でも優等生であることが多く、強い上昇志向をもっていますが、行き過ぎると過剰に責任を感じるようになり、自分にも他人にも厳しい評価をするなど苦しくなります。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P143

内面では不適応感を感じていることが多く、なかには本人への評価が高いために、家族が自分たちの問題に巻き込まず、勉強に専念させるような形で家族から切り離されることもあります(遠方の寮付きの学校など)。
こどもが回復すると、自分や他人の失敗を受け入れるようになり、自分の分だけの責任を持てるようになると、ヒーロー役が個性となり、様々な場面で活躍するようになります。

アダルトチルドレンの役割:ケアバギー

家族に配慮し、家族維持のためにメンテナンスをし、ケアしようとする役割です、
アディクションを持つ親だけでなく、家族全体に配慮しようとします。
内面には自己不全感があり、その感覚が過ぎると強迫的にケアの役割をつとめないといられなくなります。すると共依存的な関係が習慣になるか、あるいは燃え尽きが起こります。
回復すると自他の境界線を守り人付き合いができ、人への配慮は個性となります。

アダルトチルドレンの役割:スケープゴート

家族のなかに渦巻く不満や怒りなどを、直接原因となるアディクションを持つ本人から、あたかも自分に転嫁することで解消や収拾を図ろうとしているかのように見えるがんばりをする子どもです。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P144

 振り回されるだけではなくて問題の本質はわかっており、夜遊び非行などにはしいたりしますが、それは家族の外に表現されたサインとして、こどもの問題を通して家族の課題を発見しやすくなります。
回復すると物事の本質を見抜け、行動する勇気のある責任感をもった人になります。

アダルトチルドレンの役割:ロストチャイルド

家族のどんな状況にもじっとしていようとがんばる子どもです。何かが起こっても動じず黙って状況に従おうとします。自己主張は少なく、怒りや不安の感情を持っていても表現しません。
自分は重要でないとう感覚になり人生に興味を持たなくなります。
回復すると、希望や欲求にエネルギーを注ぎ、自己実現を目指すようになり、どんな状況でも希望を持ち、心豊かな人生を歩むようになります。

アダルトチルドレンの役割:マスコット

ストレスの高い親がいつまでも可愛がれるような、もしくは家族を笑わせるような慰め役になろうと役割を全うする子どもです。
内面的には家族の状況に恐れがあり、不安が強くあります。強迫的に役割をこなしていると、ストレスへの調整がきかなくなります。また、世話好き嗜癖を持つ人との関係性に居心地が良いと感じるようになります。
回復すると、自分を大切にした上でユーモアをコミュニケーションに活かせるようになります。

アダルトチルドレンの役割:その他

アディクションを持つ人やスケープゴート役の味方をして家族のバランスをとる「バランサー」や、どんな事が起こっても「親はそういうもの」というように一般化する子ども、肯定的な意味付けにより問題の避妊を強めて家族維持を図る「コメンテーター」など様々な役割があります。

アダルトチルドレンの回復を妨げる援助

アダルトチルドレンを、大人になりきれない子どもとして、大人の分別をもつように援助する事は、家の中で期待されていた方向の延長となるため回復を妨げることになります。
大人の分別的なスキルは持ち合わせていると考えるべきで、そういうことよりも、自分の主体的な感覚や感情に目をむけることや、自分の欲求に焦点を当てることを思い出し、自分が価値のある存在だということに働きかけることが回復への近道となります。
アダルトチルドレンは生きづらさや回復の責任を親に帰すものではないことを理解することが大切です。アダルトチルドレンであることを認めるだけでは、親を責めるだけになってしまい、回復を妨げてしまいます。アダルトチルドレンを育ててきているのは自分自身で、回復も自分が主体的に取り組むことで達成されていきます。

 ずっと押し殺してきた親への怒りがあふれ出ることはあります。それはいったんは解放してあげてよいのですが、そこに居続けるのではやはり不健康です。その親にも事情があり、限界があることを受け入れ、自分自身でもう一度、自分を育むプロセスを進みます。こうした作業を安全にするために、カウンセリングや自助グループが有効なのです。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P146

引用・参考文献