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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニング

トレーニング 腰痛解消法 ストレッチ

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傍脊柱起立筋とは、脊柱周辺にある小さい筋、長い筋、深層にある筋などを総称したものをいいます。脊柱周辺にある筋肉では、痛みの質や部位によって原因筋の特定や治療方法が行いやすいという特徴があります。ヘルニア、神経圧迫などと思われていたものが実は筋肉が原因だったということもしばしばみられます。これは筋、筋膜の硬化や筋力低下が原因となります。このとき、傍脊柱筋の知識を知っておくことはリハビリを行う上でも役に立ちます。

 目次

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニング

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)の部位と機能

脊柱起立筋は、浅層にあり脊柱と並行して走る長い筋群で、頭最長筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋などが含まれます。これらは、最終的に大きな腱の塊に融合し、仙骨に停止します。
脊柱起立筋のうち、脊柱に最も近く位置するのが最長筋で、そこから外側に少し離れた位置にあるのが腸肋筋です。
脊柱起立筋の各筋は、脊柱起立筋群より長さは短く、その多くが肋骨に付着しています。そのためこの筋群にトリガーポイントが形成され、片方の筋が短縮すると脊柱がその側に引っ張られて、脊柱の位置とアライメントに影響することになります。

深層筋には半棘筋、多裂筋、回旋筋は椎骨から椎骨、椎骨から肋骨、椎骨から腰部、椎骨から仙骨、椎骨から骨盤へと走行しており、脊柱に対して対角線上に位置しており、各椎骨の位置とアライメントに影響します。

傍脊柱筋の協働作用により、脊柱の伸展が行われます。また、左右の筋肉が個別に働くことで、脊柱や体幹の回旋や側屈の補助が行われます。
傍脊柱筋は直立姿勢維持に働き、細かな姿勢のコントロールを行います。咳をした際の呼吸補助の役割もあります。
重力や腹筋群の短縮に対する働きもあり、猫背を防ぐ役割もあります。

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出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 腰痛

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)のトリガーポイントと関連痛

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)にトリガーポイントが形成されると、強い痛みを引き起こすことがあります。それにより立ち上がれなくなるような場合もあります。
トリガーポイントは脊柱に沿ったどの位置でもできる可能性があります。
胸最長筋では、臀部の上下方へ痛みを送る2つのトリガーポイントがあります。また、中央部のトリガーポイントでは臀部上方、腹部、肩に関連痛がみられます。
腰腸肋筋のトリガーポイントでは、腰や臀部中央、下方に関連痛がみられます。
多裂筋と回旋筋では、頭部から尾骨や臀部までの付着している脊柱周囲の局所的な痛みを送ります。
多裂筋のトリガーポイントは、尾骨や腹部、臀部、大腿上部にも関連痛がみられます。このトリガーポイントが悪化すると、起き上がれないほどの痛みや、わずかな体幹回旋運動でも痛みを生じさせます。

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出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 腰痛

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)を痛める原因

・重い荷物の持ち上げ、押す、引っ張るなどの動作
・転倒しそうになって急に姿勢を立て直す動作
・長時間の腰をかがめる動作
・自動車事故などの急な衝撃
・筋疲労があるときのかがむ、ねじる、のばすなどの動作
・不良な座位姿勢
・前傾姿勢
・猫背による傍脊柱筋の負荷
・広背筋、下後鋸筋、腹直筋、腰方形筋、腸腰筋のトリガーポイント

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)のトリガーポイントが疑われる症状

・背部、臀部の痛み
・脊柱の動かしにくさや痛み
・椅子からの立ち上がり困難や痛み
・靴を履くときの動作で関節可動域制限がある(痛みある場合もない場合もある)
・背部筋力低下
・直立姿勢、階段の上り動作が困難
・脊柱の両or片側の深部痛
・車の乗降がしにくい
・動けないほどの背部痛
・椎骨の局所的な痛み

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)の評価

立位での床タッチテスト
裸足で立ち、腹筋はリラックスさせます。膝を曲げずに前屈して指先を床につけていき、痛みがあればそこでストップさせます。この時の床と指先の距離を計測します。
40歳以下で、ハムストリングスに問題がない場合、床に指をつけることができれば合格範囲となります。
40歳以上の人では、年齢が10歳増加する毎に2.5㎝のハンデをつけていきます。ハンデよりも指先と床との距離が開く場合や、背部・臀部・大腿後面・下腿後面に痛みがある場合、傍脊柱筋、大臀筋ハムストリングス、ヒラメ筋にトリガーポイントがある可能性があります。
このテストでは傍脊柱筋の問題のみをみるテストではないため、テストで陽性の場合、別のテストを行いながら判別していく必要があります。

立位での体幹回旋テスト

深層筋を評価するテストです。
壁を背にして30㎝程度離れ、足は真っ直ぐ前に向けます。そこから左右どちらかに体幹を回旋させます。
このとき、手がつかない場合や脊柱深部に痛みを感じる場合、深層筋にトリガーポイントがある可能性が高いといえます。

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)への治療の考え方

傍脊柱筋の治療前に、腰方形筋や腸腰筋、腹筋の機能低下により姿勢の崩れがないかという視点が必要です。そこに問題がある場合、まずはそこを治療し、姿勢のバランスを整えてから、傍脊柱筋の治療を行っていきます。
痛みなく筋を良好な状態にするには、体幹前後面の筋に柔軟性と筋力が必要になります。

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)への治療法:圧迫

圧迫を行う場合、不快感がない程度に行うのが重要であり、痛みが強い場合は患部を温める(ホットパック)ことから始めると良いです。
圧迫を加える部位は筋の端から端まで詳しくチェックしていきます。

立位で壁を背にしての圧迫
ストッキッングにテニスボールを入れ、それを肩越しに落とし壁につけ、ゆっくり呼吸をしながらボールに寄りかかり圧をかけていきます。肩甲骨のすぐ下から下方へボールを移動させていきます。下まで行くと2.5㎝程度外側にずらし、同様に下方に降りていきます。

床でローラーを使用しての圧迫
臀部にローラーが当たるようにし、体をゆっくりとローラーの上に動かします。この時脚をつかって体がローラーに当たる部位をコントロールします。
臀部から上方にずらしていきます。この時、片脚を逆脚にかけ(脚を組み)、かけられた側に両脚を倒すことで、脊柱の筋がストレッチされた状態で圧迫することが可能となります。
私は筋膜リリースに適しているランブルローラーを使用しています。

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傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)への治療法:ストレッチ

椅子座位で床タッチ
椅子座位で床に向かって前屈し、床に手をつけます。この時腹筋はリラックスさせておいて、そこから起き上がって深呼吸し、脊柱起立筋を収縮させます。その後もう一度深く前屈します。

片脚の胸への引き寄せ
仰向けで片脚を同じ側の脇に引き寄せ、膝を胸に押し付けます。この時腹筋はリラックスしたままで、手は大腿後面に置き脚を抱えるようにします。

両脚の胸への引き寄せ
仰向けで両大腿後面を抱えて、両脚を胸に引き寄せます。臀部と尾骨は床から離れるのが理想です。この時腹筋はリラックスさせておきます。

チャイルドポーズ
正座で体幹を大腿に、額を床につき、腕を前に伸ばします。

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他法
ASTRというトリガーポイントに対する施術方法を参考にしています。

happyhealth.hatenablog.com

happyhealth.hatenablog.com

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傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)への治療法:コントラクト・リラックス

コントラクト・リラックスは、抵抗を利用した筋収縮と弛緩を交互に繰り返すことで、可動性を高めていくストレッチです。

回旋筋群、多裂筋群
座位で痛みのない範囲でできる限り大きく体幹回旋させ、2呼吸の間静止し、弛緩させ向きを変えて同様にしていきます。回旋の際に、背中を少し反らせることでより効果的なストレッチとなります。

脊柱起立筋群
うつ伏せで両方or片方の手や脚を上げます。

傍脊柱筋(脊柱起立筋と深層筋)への治療法:トレーニング

キャットバック・オールドホース
四つ這いで息を吐きながら背中を丸めるように体幹中央部を引き上げ、5秒静止します。

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息を吸いながら体幹中央を床に沈め、腹部はリラックスさせながら頭と臀部を持ち上げ、5秒静止します。

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骨盤前後傾運動
座位で息を吸いながら腹筋をリラックスさせ、腹部をゆっくりと前に突き出しながら骨盤を前傾させます。
息を吐きながらゆっくりと腰を後ろに突き出しながら腹部を引き骨盤を後傾させます。

スーパーマン
初級
うつ伏せで体の前で腕を組み頭を乗せます。片脚をゆっくり持ち上げ5秒静止し、戻します。逆脚も同様に行います。

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中級
初級と同じ姿勢から両脚を持ち上げ5秒静止し、ゆっくり元に戻します。

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上級
左足、右腕、頭を持ち上げ5秒静止しゆっくり元に戻します。

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右足、左腕、頭を持ち上げ5秒静止しゆっくり元に戻します。
両腕、両脚、頭を同時に持ち上げ5秒静止しゆっくり元に戻します。

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スレッドザニードル
四つ這いで頭頸部、体幹を右に回旋させ左手は胸の下を通り右に伸ばします。

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左腕を抜き、頭頸部、体幹を左に回旋させながら天井に上げます(視線は指先)。

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負荷をかける場合は、動かす手に重りを持たせると良いです。

体幹回旋・伸ばし
立位で左脚に体重をかけ、右足を左脚の後ろでクロスさせます。両手もそれに合わせて後ろにスイングします。

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右足を前に出し、体幹を右に回旋させて、右手を右後ろ、左手を右上にスイングさせます。

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負荷を大きくする場合には、踏み出す幅を大きくし、体幹回旋も大きくすることで難易度が上がります。

他法
前途した「椅子座位での床タッチ」や腸腰筋で紹介した「回旋・前屈エクササイズ」も傍脊柱筋のトレーニングとしては重要です。

happyhealth.hatenablog.com

 参考文献