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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

腸腰筋のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニング

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腸腰筋のトリガーポイントは腰痛の原因となることが多く、腸腰筋のストレッチやトレーニングにより腸腰筋を良好な状態に保つことで、腰痛予防や改善につなげることが重要になります。今回、腸腰筋のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニングについて、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

腸腰筋のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニング

腸腰筋とトリガーポイント

腸腰筋は腰筋と腸骨筋からなります。
腰筋は腹腔深部の椎骨前面から起始し、大腿骨の小転子に停止します。
腸骨筋は骨盤の内側全体から起始し、腰筋と合流していきます。
腸腰筋のトリガーポイントは、片方、または両方にできる可能性があります。
腸腰筋の主な作用は、上半身安定の補助(座位・立位の体幹直立位の保持)があります。また腰筋は走る際に重要な働きをし、年齢とともに筋の密度が低下すると言われています。他の作用としては、股関節からの前屈、大腿を胸につける時の補助、下肢を閉じたり外旋の補助、下肢固定での上体起こしの補助をします。

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出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 腰痛

腸腰筋のトリガーポイントのパターンは3つあり、これらは脊柱に並行して上下に走る痛みの原因となることがあります。
最上位のトリガーポイントは臍から約5㎝外側にあります。真ん中のトリガーポイントは腸骨の内側で、腸骨稜から約2.5㎝下がった位置にあります。最下位のトリガーポイントは大腿上にあります。
脊柱と並行して上下に走る痛みがあればまず腸腰筋のトリガーポイントを疑う必要があります。また、両側の腸腰筋が収縮している時には、腰部を横に走る痛みを感じる場合もあります。
腸骨筋は大腿筋皮神経を絞扼することがあり、大腿前面・側面の灼熱感やしびれの原因となることがあります。

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出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 腰痛

腸腰筋を悪化させる原因とトリガーポイントが疑われる症状

腸腰筋を悪化させる要因
①長時間の座位
②急な姿勢の変換
③長時間の運転、膝が臀部より高くくるような低い椅子に長時間座る
④体を丸めて寝る、腹臥位で寝ることによる腸腰筋の短縮
⑤腰椎の手術
⑥脊柱側弯症
⑦長時間の前屈姿勢
⑧腹部の慢性的な緊張

トリガーポイントの疑い
①脊柱と並行に上下に走る痛み
②立位で股関節で前屈している、あるいは左右どちらかにひねった状態で前屈しがち
③座位姿勢からまっすぐ立ち上がれない
④背中を伸ばして立つと背中に痛みがある
⑤低い椅子から立ち上がるのが難しい
⑥痛みがひどく、手や膝をついて這って移動する必要がある

腸腰筋のトリガーポイントを見つける方法(評価)

座位で胸を大腿につける
腸腰筋が正常に短縮するかを評価する方法です。
背もたれがまっすぐな椅子に腰掛け、前屈して胸を大腿につけていきます。痛みがなく前屈できれば腸腰筋の機能は正常です。
胸がつかない、もしくは腰に痛みがある場合、腸腰筋あるいは伸びている背部の筋にトリガーポイントが疑われます。
肥満で腹部が出ている方では深い前屈ができませんが、その際は腸腰筋(腹部)が硬くなっていないか、腰痛が生じないかを判断基準にすると良いでしょう。

足上げホールドテスト
背臥位で骨盤を床に押し付けます(腰が床から浮かないように)。膝を伸ばしたまま、床から30㎝程上げていき、そのまま10秒静止します。
この時、腰痛や筋の痙攣がなく、腰を床につけたまま10秒間足を上げ続けていられれば、腸腰筋に問題はなく、良姿勢保持のための最低限の筋力があると考えます。
腰が浮く、痛みがある、10秒静止困難な場合、腸腰筋のトリガーポイントがある可能性が高いといえます。
椎間板ヘルニアの診断を受けている方には行ってはいけません。

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腸腰筋のストレッチ

①座位での腸腰筋ストレッチ
椅子に腰掛け、体を片方にずらし、ずらした側の下肢を後ろに伸ばします。上半身は真っ直ぐに保持しておきます。
下肢をできるだけ伸ばし、下に下げていくとより効果的です。各足最低3回ずつ、1分程度かけてストレッチを行います。

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②立位での腸腰筋ストレッチ
台や椅子の背もたれをつかみ、上半身をまっすぐたもったまま、片方の下肢を後ろに伸ばしていきます。体を少しずつ後ろに反らしていくとより効果的です。各足最低3回ずつ、1分程度かけてストレッチを行います。

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③うつ伏せで行う腸腰筋ストレッチ
うつ伏せで大腿の下に厚いクッションを置き、骨盤と腹部はリラックスを保ちながらストレッチしていきます。各足最低3回ずつ、1分程度かけてストレッチを行います。柔軟性に応じて、クッションの高さを変えていきます。

④ドアを利用した腸腰筋ストレッチ
腕を上げ、両側の側柱に手をかけます。下肢を前後に開いて、上体を後ろにそらしながらゆっくりと前方に体重をかけていきます。各足最低3回ずつ、1分程度かけてストレッチを行います。

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⑤その他のストレッチほぐし方・ゆるめ方

happyhealth.hatenablog.com

コントラクト・リラックス

コントラクト・リラックスは、抵抗を利用した筋収縮と弛緩を交互に繰り返すことで、可動性を高めていくストレッチです。前途のストレチの合間に行うことで、さらに効果を高めることができます。

①椅子座位での腸腰筋コントラクト・リラックス
大腿を上げると同時に手で押し戻します(筋収縮)。そのまま10秒静止してから、息を吐いて筋を弛緩させます。各足3回ずつ行います。

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②立位での腸腰筋コントラクト・リラックス
台や椅子の背をつかんで立ち、片方の下肢を後ろに伸ばし、床から30㎝程度上げます。10秒静止してから息を吐き筋を弛緩させ、前途の腸腰筋ストレッチ②を行います。各足3回ずつ行います。
*これは、臀筋や脊柱起立筋などの拮抗筋を収縮させることによる腸腰筋のリリース方法です。

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③仰向けでの腸腰筋コントラクト・リラックス
仰向けで片方の膝を胸に引きつけ、手で大腿後面を抱えます。大腿に手が届かない場合、タオルを利用します。
大腿を引き離すように力を入れながら、10秒静止します。息を吐き、腹部を弛緩させできるでけ胸に引きつけます。各足3回ずつ行います。
応用として、膝を反対側の肩に向かって引きつける方法があります。

腸腰筋のトレーニング

腸腰筋にトリガーポイントがあると痛みとともに筋力低下を引き起こします。このとき、トリガーポイントの処置をせずに筋力トレーニングをしても効果は上がりにくくなります。そのため、まずはトリガーポイントを正常化し、関節可動域の獲得が必要になります。

①大股歩き
常歩幅での歩行、大きな歩幅での歩行を交互に行います。

②ヒップツイスト
両足の先を外に向け、右足を左足の前に出します。

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右足先を軸に右股関節を内旋させます。

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ゆっくりと元の姿勢に戻します。
機能レベルに合わせて、スピードや繰り返しの回数を設定していきます。

③足先の内/外エクササイズ
立位で足先を内に向け静止し、次に足先を外側に向けます。

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少しずつ内/外に向ける角度を大きくしていきます。

④四つ這いでのトレーニング
四つ這いで下肢を胸に引きつけ、
・下肢を後方に高く振り上げます。

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・下肢を胸を横切り逆の肘へ引きつけます。

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・膝を曲げたまま外側に向け、股関節の高さまで引き上げます。

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・最初の姿勢に戻します。

体幹屈曲、伸展を伴うエクササイズ
初級
膝を伸ばして立ち、両手を後ろ回します。背中を伸ばしながら股関節から屈曲し、ゆっくりと最初の姿勢に戻ります。痛みを感じない範囲で行い、90度前屈できるようになるまで行います。

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最初の姿勢から、両手を腰に当て、体幹をゆっくりと後ろに反らしていきます。ゆっくりと元の姿勢に戻ります。痛みを感じない範囲で行い、20〜30度伸展できるようにしていきます。

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中級
両手を上げ、肘を曲げて手が顔の前に来るようにして立ち、背中を伸ばしたまま股関節から前屈します。初級と同様に90度前屈できるようにしていきます。

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最初の姿勢から、手と腕を同じ位置に保ちながら、体幹をゆっくりと後ろに反らしていきます。これも初級と同様に20〜30度伸展できるようにしていきます。

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上級
両腕を頭の上に上げ立ち、初級・中級同様に前屈、後屈を行います。

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⑥回旋・前屈エクササイズ
立位から、体幹を回旋させ手を逆の腰にタッチします。
最初の姿勢に戻り、もっと大きく体幹を回旋し、手を逆の大腿にタッチします。
最初の姿勢に戻り、もっと大きく体幹を回旋し、手を逆の下腿にタッチします。
最初の姿勢に戻り、もっと大きく体幹を回旋し、手を逆の足首にタッチします。

腸腰筋のトリガーポイント解消のためにできること

長時間の運転では適度に休憩し、立位をとりストレッチを行うようにします。
睡眠時に丸まって寝る癖がある方は、姿勢を変えてみるようにします。
腹部〜大腿部の付け根を温めようにします。
椅子座位では座面に傾斜をつけ、大腿が膝より下にくるようにします。
マットレスの硬さに注意します。

参考文献